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土用の入り
2006年7月21日 (金)
昨日20日から、夏の土用に入りました―。
例年ならそろそろ梅雨明けも近く、梅干も土用干しの準備にかかるころなのに、ちっともお日様を拝むことができません―。
梅たちは、紫蘇を入れて紫がかった、美しい紅色の梅酢にとっぷりとつかって、お日様が出るのを待っています。
写真は、干す前の梅漬け♪
これはこれで、美味しいですよ。
その下は、紫蘇で色をつけた梅酢です。
大根やみょうがを30分ほど漬け込んでおくと、良い箸休めになりますし、新しょうがを漬けても美味しいですねぇ……幸せ~♪
…それにしても、梅雨末期の豪雨が、全国的に被害を広げています。
恵みの水も、過ぎれば害―。
各地の被害を見聞きするにつけ、どんなに世の中が進んでも、人間は自然の猛威にはかなわないと思うことしきりです。
雨を司る八大龍王様、どうかそろそろ収めていただきたい…!
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さて、「土用」といえば「丑の日」で「うなぎ」ときますね―。
他にも「土用波」や「土用の虫干し」なんて聞くと、どうも「土用」は「夏」のイメージがありますが、実は年に4回あります。
暦のうえで、立春・立夏・立秋・立冬の各日の前、それぞれ18日間をしめす期間なのですが、なにかと話題が多い夏だけが一般化し、他の3回の土用は暦上のものだけになってしまいました。
それではいったい、「土用」とはなんでしょうか―?
もともと暦には「陰陽五行説」の影響があり、「五行」の
「木火土金水(もっかどごんすい)」を四季にあてはめていたのですが、「春=木」「夏=火」「秋=金」「冬=水」とした場合、「土」だけが浮いてしまいます。
そのため、春夏秋冬それぞれの立日前、ちょうど季節から季節へ移り変わる時期を「土」と定めて「土用」とし、方位は中央、色は黄色、これで五行を完成させたというわけです―。
そして、「土用」のあいだは水につかって禊(みそぎ)をし、
・「土」を犯さないように決まった日にちの農作業を休む
・根菜の種まきをしない
・葬式(土葬)をしない
などの禁忌をもうけ、季節の変わり目に変事が起きないよう、身を慎んで体調管理を充分にする、というような風習が各地で生まれました。
また、地方によっては、夏の土用の丑の日に「う」のつくものを食べると身体によい、という俗説があります。
身体の熱を取り、消化がよい「梅干」「うどん」「瓜」や、スタミナのつく「馬」「牛」など、こちらも昔からの「夏バテ対策」といったところでしょうか。
いっぽう、夏の土用でもっとも有名なイベント、「土用の丑=うなぎ!」に関しては、暦や陰陽五行の影響はありません―。
これは、江戸時代の蘭学者であった「平賀源内」が、夏場に売り上げが落ちて困っていたうなぎ屋と組んだプロモーションが発端といわれています。
それでも、ビタミンAが豊富でスタミナのつくうなぎを、夏場の体力補完のために食べるというのは理にかなっていますから、現在まで大人気なのでしょうね―。
でも、今年は昨年の稚魚不足で、うなぎの値段が高騰しています…。
中国からの輸入うなぎでも、昨年にくらべると1.5倍くらい高いとか…。
うなぎ、好きなんですけどね…はたして口に入るかな……?