2023年6月の記事一覧
眠れない夜からの手紙
雨の降る夜のくだらない愛の歌
素朴な花の涙をなぞる様に愛でる
それは記憶の中の日
切なく酔い焦がした優しさの
滴る愛情を溢さぬ様に掬えるか
なんでもない日々の
狂おしい程に眩しい部屋
蹴飛ばして向かいましょう
私が濡れない強い心
眠れない夜の待ち合わせ
雨の降る夜の失った愛の歌
裸になった情熱をひとしきり鎮火させる
それは記憶の中の火
歯痒く戻らない青い模様
飲み込んで喰らい付いた
私が私に変
あなたはあなたのままでいて
あなたはあなたのままでいい
受話器の向こうの聲は
確かにあなたで偽りも媚びもなく
自分の意思で言葉を紡いでいた
無理に自分を探そうと
やっけになってりゃちょっと待て
自分なんてものは好奇心の先にあるもの
裁かれるものでもなんでもない
これはとても楽しみなことで
少しでも優しさや愛を持てたなら
その時点で後ろめたく生きる必要なんてないのだ
淋しさの奥にある繊細な毛のない心臓は
あなたのいちばん
臆病に
皆が寝静まった刻
私は物語を書くのです
悲哀の話
これが私の全てだとしたならば
私は怖くて
世に出せない
否定的構文に刺されては
命を削られ剥がされます
淀んだ川の隅っこで
光を焚いて書くのです
水面の音が生きていて
私を包み込んだなら
私はひとりじゃないと知るのです
あゝ心の浄化場よ
魂の洗い場よ
私に心地よい布団を用意しておくれ
灰
空飛ぶ愛が燃えました
燃えたら灰になりました
そのまま散っておやすみなさい
私の心はいつぞやの
二人で濡れた帰り道
びしゃびしゃになり笑ったことがらを
絶え間なく繰り返しております
膝を擦りむく様に
血が出ては化膿し跡に残る
私は身体を揺すっては
大きくなるための準備をします
神経痛だと騙しては
涙を膝の傷に塗ります
これが生きると言うことなのでしょうか