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06 【読了本まとめ5】 - 戦略PR 世の中を動かす新しい6つの法則 -
今回は元米国PR会社のフライシュマン・ヒラード、現ブルーカレント・ジャパンのCEO 本田 哲也さんが2017年に出版された、「戦略PR 世の中を動かす新しい6つの法則」をまとめていきます。
この投稿でわかる事:読了目安 9分
1 本の概要、どんな方にオススメか
2 本を読んだ所感、気づき
3 知らなかった、為になった知識
1 本の概要、どんな方にオススメか
本書はPRを「世の中を動かす情報戦略 = 戦略PR」と定義し、
戦略PRの目的は行動変容(Behaviour Change)を生む事だと書かれています。
「PRはパブリシティの獲得」とよく言われていますが、
本書ではパブリシティを以下のような位置付けとしています。
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報道枠を獲得する事によって情報を拡め(=パブリシティ)
顧客の知覚変容を起こさせ(=パーセプションチェンジ)
顧客の行動変容を起こす(=ビヘイビアチェンジ) このような流れです。
また行動変容には、
①売り手(企業) ②買い手(生活者) ③世の中(社会)
の3者の関心事を結びつけた「関心テーマ」を見つけること、
見つけた関心テーマを以下6つのポイントに沿って磨き上げる事で
より大きな行動変容が発生すると書かれています。
おおやけ 社会のインサイト、世の中の「空気」を捉える事
ばったり セレンディピティ、偶発性の魅力を活用する事
おすみつき 共感系、事実系インフルエンサーからお墨付きをもらう事
そもそも みんなが陰ながら言えずに思ってた事を表現する事、原点回帰
しみじみ 感情に訴え、当事者意識を持たせる事(Ex.ナラティブなど)
かけてとく 一捻り入れ、相手の受容性を高め、共有したいと思わせる事
この本を読む事で、以下が知れる内容になっていました。
・「戦略PR」とは従来のPR論とどんな所が違い、何を重要と捉えているか
・日本と海外でのPR会社の違い、広告会社との関係性
・国内外でハイライトされた新しい事例(主にカンヌライオンズ受賞作品)
また本書は、以下のような方にオススメだと思いました。
企業からインパクトのある施策を求められるPRコンサルタントの方
事業会社のブランドPR担当の方(特にFMCGの事例が多かったです)
SDGsを始めとした社会課題に取り組まれてる企業やOrganizationの方
2 本を読んだ所感、気づき
著者の本田さんをTwitterで知り、
ツイートの内容など勉強になる事が非常に多かったため、
この本を読んでみようと思いました。
読んでみたら勉強になる事ばかりで、とても参考になりました。
カンヌ・ライオンズは正直広告の祭典 というイメージだったのですが、
PR部門が設置されている事も恥ずかしながら知りませんでしたし、
海外のPRは自分たちでよりクリエイティブで、自由な発想を持って
アイディエーションしている事などすごく参考になりました。
単なるメディアでの掲載数や、広告換算でいくら、という指標だけでなく
・その施策がいかに自由な発想を持って創られたか
・その結果どれくらい社会に行動変容を起こせたか
という所が世界でのPRに対する評価軸になってきているのかな、
と素人ながら思いました。とはいえ日本のPR会社が海外のPR会社のように、
自分たちで自由な発想を持って施策を考えるのは急には難しいと思います。
そこで参考になるのが、前述した6つのポイントです。その際、
自分が手がける施策が、6つのポイントをどの程度盛り込めているか
この6つを抑える事で施策の目標は達成できそうか
できなければどういった要素をアレンジして盛り込んだら良いか
こういったところを考えながら業務に活かしていきたいと思っています。
3 知らなかった、為になった知識
この本を読んで自分が参考になった情報や、知識を記載します。
「いい〇〇」は時代によって変わり、それを再定義(=属性順位転換)
する事で買う理由が生まれる。再定義をするのが戦略PRの役割
(Ex.いい車=セダン が今では いい車=燃費がいい
いいアイドル=遠くかけ離れた存在 が今では会いに行ける存在のような)PRとは、社会やあるコミュニティに新しい合意形成を作る事
(Ex. イクメンやLGBTといった、今までなかった考え方や捉え方)番組の枠に取り上げられるのではなく、
番組やコーナーを作ってしまうと言うパブリシティの獲得方法
(Ex. 報道番組での小露出→ それについての討論番組ができる様な仕掛け)ウィット、頓智をきかせる「氷が溶けたらどうなるか?」
→「水になる」ではなく「春になる」
この本の内容が気になった方はぜひ一度読んでみてください。
少し内容など間違ってる部分もあるかもしれませんが、
ご指摘、コメントなどいただければ幸いです。
2022.4.9