CoEに求める役割と効果
こんにちは、「WaCCa(ワッカ)の人」です。
CoEという言葉について、最近では耳なじみもある方も多いかと思いますが、経営戦略の一環として、組織の中で活用されているケースも増えていると思います。もちろん、求められるケースに応じて役割は異なると思いますが、一般的なCoEの役割と、期待される効果についてまとめてみたいと思います。
CoEとは?
そもそも論ですが、CoEは「center of excellence」を略したものになります。google翻訳さんで翻訳すると「中核的研究拠点」と出ましたが、単純に直訳をすると「優秀な中心」という表現になるかと思います。企業の中でのCoEは主に、組織内に点在している優れた人材、技術、ナレッジ、ノウハウ、設備などをひとつに集約した組織、グループのことを指します。前述の話だけだと「選りすぐりの精鋭が集まった将来の幹部候補の集まりか!」って思っちゃいますが、CoEが社内の組織を横断して機能すれば、課題解決や業務効率化などの効果が期待できます。
CoEの役割と効果
CoEを設置することで期待される効果と併せて、具体的な役割について幾つか取り上げてみます。
組織内の情報収集と一元管理
例えば営業部門AとBが、それぞれ異なるクライアントを担当しているとして、Aのクライアントから求められた新たな課題について、実はBのクライアントで過去同様のことが求められたことを知らず、ゼロイチで取り組んでしまうと、同じ社内でナレッジがあるにもかかわらず、工数のムダにつながってしまうかもしれません。現場内で持っている情報をCoEが事前に収集して一元管理し、それを必要に応じて共有できる仕組みがあれば、業務の効率化にもつながる可能性があります。
企業内の情報は、意外と人や組織についてしまっていて、その人(組織)じゃないとわからない情報も往々にしてあります。企業内で持っている情報は財産なので、それらをうまく活かすためにも求められる役割になります。
新たな企画や戦略の立案
収集して情報を一元化することで、それらの内容を分析しながら、どのようなアクションが必要とされているかどうかを検討していくことができます。経営戦略的に、例えば新商品や新サービスの開発をすすめたり、自社にとってメリットとなる競業企業との連携を高めたり、海外進出を図ったり、などなど、企業の発展につながるような役割が求められます。
業務改善の取り組みとフィードバック
企業内の情報を集約することで、現状抱えている課題点も同時に集約されることになるため、それらに対して、どのように改善していくのか、を考えていく役割が求められます。また、組織を横断的に見たときに、不要な業務を見直したり、全体最適を考えた効率化を図っていくようなことも求められます。
また、集約した情報を分析したうえで、各部門に必要な情報をフィードバックすることも大切な役割です。それにより、部門内での業務改善などのアクションを促したり、より良い方法を見い出すことができればモチベーション向上にも繋がります。
垣根を超えた社内イノベーション
CoEの役割としては、スペシャリストではなくよりゼネラリスト的な役割が求められます。そのため、ジョブローテーションなどにより一定の専門領域は持ちつつも、幅広い業務知識を持った人材の育成が必要なわけですが、その過程の中で、部門間の垣根を超えた社内交流が醸成されることも期待されます。他部門間での連携が活性化することで、社内イノベーションの促進に繋げることができるため、CoEはそのような橋渡し的な存在としての役割も期待されます。
具体的な事例
なんとなく抽象的な話が続いてしまいましたが、ここでは実際にCoEを設置されている具体的な企業の事例の有名どころを少しだけ紹介させて頂きます。
・資生堂
日本を代表するブランド力を持っている資生堂ですが、「世界に通用する強いブランドを育成」することを目的とし、それぞれ4つの分野ごとCoEを設立しているそうです。また、例えば「スキンケアの領域は日本」など、それぞれ強みのある拠点に設置をしているようです。
※参考URL
・NTTデータ
ブロックチェーンの領域において、世界25の国と地域で各国のメンバーと共にブロックチェーンCoE(Center Of Excellence)を組成。企業内や国内に限らず、世界各国との間でナレッジや課題を共有する体制構築をされているようです。NTTデータは他にも先端技術領域のIoT領域等においても、CoEを設置しているようです。
※参考URL
最後に
昨今では、クラウド化、DX推進などにおいて、各社でCoEの取り組みを始められているところも多いかと思います。CoEを機能させるポイントとして、もちろんそのポジションへ配置する人材の適正にもよりますが、何のために設置するのかの目的を明確化し、役割定義することが重要かと思います。CoEが機能すれば、社内の情報連携やコミュニケーションも活性化され、課題解決に留まらず新たなイノベーションを生み出すことにも繋がっていくと思うので、検討されてみてはいかがでしょうか。
ということで、今回はこんなところで。
そして毎度ですが、Twitterもやっているので、ご興味ある方はそちらのフォローもお願いします!!
それでは!
○●━━━━━━━━━━━・・・‥‥……
執筆 WaCCaの人
X(旧:Twitter)アカウント WaCCaの人
ホームページ 株式会社WaCCa
……‥‥・・・━━━━━━━━━━━●○
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?