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PMFのロードマップ

今週もウェブ解析士のnoteをご覧いただきありがとうございます。
新商品の市場投入の手法は大きく分けて、マーケットイン(すでに顕在化しているニーズをもとに商品を開発する手法)とプロダクトアウト(潜在的なニーズを満たす新規性のある商品を開発する手法)がありますよね。
前者は市場に受け入れられやすい反面、競合との差別化が難しいといった特徴があります。後者はイノベーションを伴い市場に受け入れられれば大ヒットする反面、ニーズが顕在化していないので予測が難しいという特徴があります。
今回の記事では後者を成功に導くためのPMF(プロダクト・マーケット・フィット)という考え方について学んでいきたいと思います。


PMF(プロダクト・マーケット・フィット)とは

PMFは直訳すると、製品が市場に適合している状態を指します。
PMFの考え方は、投資会社の創業者マーク・アンドリーセン氏によって広められたと言われています。彼はPMFを以下のように定義しています。

Product/market fit means being in a good market with a product that can satisfy that market.

--プロダクトマーケットフィット(している状態)は市場を満足させる(=顧客ニーズを満たす)商品で、正しい市場(潜在的ニーズが大いにある市場)にいることを意味する。

https://pmarchive.com/guide_to_startups_part4.html
訳・補足は中の人による

PMFを達成すると、問い合わせが殺到し、製品を作るスピードと販売スピードが同じになり、事業の成長に採用が追いつかなくなるといった事象が起こるそうです。事業者垂涎の事象ですねぇ。
この状態を目指すために踏むべきステップについて下記していきますね。

フェーズ1:CPF(カスタマー・プロブレム・フィット)

まずは、捉えるニーズを特定することから始めます。ニーズが生じる際には何かしらの課題が背景にあります。その課題を探すのがこのフェーズです。
主に、ターゲットへのインタビュー調査などが行われます。その中で、共通する課題、熱量の高い課題などを探していきます。
特に、Burning Needsと呼ばれる切迫したニーズ(燃えているものを、すぐにでも消しとめたい状態)を特定できるのが理想なのだそうです。
初めは小さく見えても、特定の層で差し迫る課題に100%適合していくことを目指します。
ペルソナを設定する時と同じですね。できるだけ解像度を上げて課題を探していきます。

フェーズ2:PSF(プロブレム・ソリューション・フィット)

次の段階では、自社が提供する解決策が顧客が求めているものであるかの検証をおこないます。
検証(課題の解決策を示す)方法は以下のようなものがあります。

・営業資料
・LP
・プロトタイプ
・MVP(Minimum Viable Product:必要最小限の価値提供ができる商品)

解決策を示してもターゲットの反応がイマイチだったり、購買姿勢をとってもらえないようであれば解決策を再検討する必要があります。
例えば、Dropboxは商品を作る前にプロモーション動画とLPを公開して、一晩で75,000人がサービス登録したことでPSFを達成したと判断したそうです。
最近では、クラウドファンディングを利用して資金集めとPSF検証を同時に進めるという手法も検討できそうですね。

フェーズ3:SPF(ソリューション・プロダクト・フィット)

さらに次の段階では、示した解決策をプロダクトとして実現することができるのかを検証していきます。
例えば、「掃除がめんどくさい」というニーズに対して「一瞬で掃除が終わる掃除器具」という解決策は、「それがあるなら欲しい」と言われても現実的に実現は不可能です。「不在の間に掃除しておいてくれる」という解決策でならirobotのルンバが実現してくれていますね。(今では新築戸建てには「ルンバ基地」なる設備が標準になりつつあるようなのでPMFしていると言えそうです)

フェーズ4:PMF(プロダクト・マーケット・フィット)

いよいよ商品が市場に受け入れられるか検証するフェーズです。
SPFした商品を開発・販売して、受注できるのか、利用して満足してもらえるのかを検証していくことになります。
この時、顧客が買ってくれるのか、喜んでくれるのかという点を重要な指標として拘るのだそうです。
特に、バリュー・プロポジションを意識していくことが必要になります。バリュー・プロポジションとは顧客が望んでいて、競合他社が提供できない、かつ自社でなら提供できる価値をさします。
PMFを確かめる手法はいくつかあるのだそうですが、分かりやすく、我々ウェブ解析士に馴染みの深い手法はNPS(ネット・プロモーター・スコア)です。NPSの数値を確認しながら、商品に改良を加えてPMFを目指していきます。

まとめ

以上、PMF(プロダクト・マーケット・フィット)について学びました。顧客の課題を特定し、それに解決策はあるのか、プロダクトとして解決策を実現できるのか、その商品を顧客は買ってくれ喜んでくれるのか。という順で検討を進めていき商品を開発・リリースしていくのがPMFのロードマップになります。
このあとは事業を成長させていくフェーズへと続いていきます。
詳しく学びたい方は、今回の参考文献を読んでみてください。

あとがき

今週も最後までお付き合いいただきありがとうございました。
今回記事を書きながら改めて感じたんですが、マーケ界隈ってアルファベット3文字が並ぶことが多いですね。笑
どれも似たり寄ったりで、初学者がつまづく要因のような気がします。
できるだけ噛み砕いて、日本語でも説明するように心がけてはいますが、余計に分かりづらくなるような気もします。。。
皆さんは、どうやってこういった用語を覚えてきたのでしょうか。すごく気になります。
それでは、また来週お会いしましょう。

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