映画日記#12 『羅生門』
今日はNetflixで日本映画『羅生門』を鑑賞した。
世界映画史に多大な影響を残した黒澤明の代表作で、説明不要の傑作だ。
1950年のヴェネチア国際映画祭でグランプリを獲得したことで、日本映画が世界に知れ渡ったきっかけとなった一本。
人間の不条理さを抉り出した、前人未到の大傑作だ。
同じ場面を見ているはずなのに、語り手によって、全く違う話になっていた。
自分を正当化してしまう人間の性と、事実というものの不確かさを浮き彫りにすることで、いかに、人間という存在が愚かであるか、痛烈に訴えかけていた。
だからこそ、普遍性を持ち、今なお世界に影響を及ぼし続けているのだろう。
事実が歪曲して解釈され、それを聞いた見知らぬ誰かから叩かれる現代だからこそ、この作品のメッセージ性が響く気がする。
また、山の中の殺陣のシーンが壮絶だった。
殺陣なのに、泥臭くて、滑稽で、哀れに映った。
人間の醜さが詰まったような、胸に強く残るシーンだった。
羅生門のセットの壮大さも圧巻だった。モノクロの画面で強烈な存在感を残し続けていて、言葉を失うほどの迫力だった。
今なお、目に焼き付いている。
これほど強烈な映画は観たことがない。
黒澤明の作品は初見だったが、世界的名匠たる所以を垣間見た気がした。
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