映画日記#3 『漂うがごとく』&『アバウト・タイム~愛おしい時間について~』
今日は朝起きてすぐにAmazonPrimeでベトナム映画『漂うがごとく』を鑑賞。
11月を東京国際映画祭復習月間としているので、昨日に引き続き、コンペ部門に選出された『輝かしき灰』のブイ・タック・チュエン監督の過去作を鑑賞をチョイスした。映画自体は2009年に制作されたが。日本では2018年に公開された作品だ。
<あらすじ>
ハノイで旅行ガイド兼通訳として働くズエンと、タクシー運転手のハイは、出会って三ヶ月で結婚を決めた。式のあと酔いつぶれ、夫婦の寝室へ担ぎ込まれる新郎ハイを、ズエンはただ見つめることしか出来なかった。後日、式に来られなかった女友達のカムを訪ねた帰り、彼女の代わりに手紙を届けに行ったズエンは、受取人のトーに襲われる。ハイとは正反対の、どこか危険な匂いのする男・トーに何故か魅了されていくズエン。 だが女としての彼女の目覚めはやがてある悲劇を招く…。(Filmarksより引用)
灰色と青を基調とした映像が非常に美しく、白昼夢の中に入り込んだかのような世界観だった。
一人の女性の移りゆく心模様を、鮮やかな映像美と、多くを語らず、自然に置かれた状況と、登場人物たちの間に漂う情緒だけで表現しているのが素晴らしい。
結婚したからといって、心変わりしないわけではない。
結婚というものは、必ずしも縛りにならないのだ。
倫理観や社会の価値観がどうであれ、結婚というものがむしろ、自分自身の愛の気づきになり、結婚相手ではない誰かへの愛を促進させる起爆剤にもなりうる。
心移りは、誰のせいでもなく、仕方ないとしか言いようがない。
あくまで、自分が非当事者である限りは。
そして、夜にDVDでイギリス映画『アバウト・タイム~愛おしい時間について~』を鑑賞。
この映画は以前から名前だけは知っていたが、少し前の「オードリーのオールナイトニッポン」で紹介され、その後若林さんが鑑賞したと仰っていたので、このタイミングで観ることにした。いつか観ようと思う作品ばかり溜まる一方なので、きっかけは大切だ。
『ラブ・アクチュアリー』で知られるリチャード・カーティス監督の2013年の作品で、世界的に大ヒットした作品だ。
<あらすじ>
タイムトラベルを繰り返す青年が本当の愛や幸せとは何かに気づく姿を描いたロマンティックコメディ。イギリス南西部に住む青年ティムは自分に自信がなく、ずっと恋人ができずにいた。21歳の誕生日に、一家に生まれた男たちにはタイムトラベル能力があることを父親から知らされたティムは、恋人を得るためタイムトラベルを繰り返すようになり、やがて魅力的な女性メアリーと出会う。しかし、タイムトラベルが引き起こした不運によって、その出会いがなかったことになってしまい、再び時間をやり直したティムはなんとか彼女の愛を勝ち取るが……。(映画.COMより引用)
これは、とてつもなく胸を打たれた。些細でちっぽけな時間でも、こんなに愛おしく、なんて素晴らしいのだと、気づかせてくれる名作だ。
主人公はタイムトラベル出来るからこそ、何気ない時間の尊さに気がつき、今を生きるという喜びを噛みしめていた。
本当に小さな喜びの積み重ねが、大きな時間のうねりとなって、思いもよらない場所に辿り着くことに繋がるのだと思う。
感謝を伝える、くだらないジョークを交わす、愛する人をきちんと愛する、悲しい時は悲しむ、自分の「今」という瞬間に向き合い続けることこそ、人生なのだと思った。
ただし、「今ここ」を生きるということは、「今目の前にある楽しさだけに目を向けて生きる」ということではなく、「継続的な目標の達成に向かって、一瞬一瞬の努力を大切にする」ということでもある。
目の前の楽しさだけに囚われて、目標や課題から目を背けることが、今を大切にすることではない。
どんな地道な時間であれ、その一瞬を大切にすることで、いつか積み重なり、果てしない幸せにつながるのだろう。
ハッとさせられる映画だった。
今日のバイトに行く前の、バイトを面倒くさいという気持ちだけ抱えてダラダラしてしまった時間が悔やまれる。
バイトの時間は来ていないのに、その時間の辛さだけを思い浮かべて、目の前の時間を大切に出来ていなかった。もっと「今」を大切にしよう。
いつかまた、大切な人と一緒に観たい作品だ。
(見出し画像はFilmarksより引用)