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伯父が孤独死したことから考える 幸せとは何か?
週末に父の1周忌があった。随分前から、母は父の法事の準備について、何度も私に電話をしてきていた。
「コロナウィルスの影響で、場所はお寺か自宅のどちらにするか?」
「お弁当はいくらにする?お刺し身はつけるか」
「お土産の果物は、メロンか?」
「お父さんが恥をかかないようにしないと」
正直、誰も気にしないよと思う事まで、何度も電話してくる母に「こうやって、お父さんのために準備していることが、心の安定に繋がるのだろうな」と思った。
私から見たら、父と母はそんなに仲の良い夫婦に見えなかった。しかし、父が亡くなってからの方が、母は何かというと「父が・・・」と話しているので、本当の夫婦関係というのは死ぬまで、いや死んでも分からない。
今日は、そんな父と母の話ではない。
母の兄(私からみた伯父)の話だ。母は兄が2人(兄①、兄②)いる。
法事の前に、親戚(兄①の奥さん)スマホから「写真」を見せられる。
「はるちゃん、これ、例のやつよ。昨日、無事終わったわ。お父さんの法事前でよかった」
写真を見ると、小さな位牌と骨壷が映っている。
話の流れが分からない私は「これは誰の遺骨なんだろう」と戸惑っていると、横から母が「お姉さん、その話はまだしてないのよ」と急に入ってきた。
「今日は父の法事だから終わって子供には言うつもりだったの」と、話し始める。そして私の耳元に小声で「兄②が、数日前に自宅で亡くなってたの、後で言うわ」と囁く。
そう、私の伯父は「孤独死」したのだ。
今日は「まさか身内が孤独死するなんて」と思っていた私達家族の考察と、孤独死後の手続き、そして私が伯父の死から「幸福とは何か?」と考えたことを綴っています。
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突然の電話から始まった伯父の死
法事が終わって自宅に戻る車中で、母は話し始めました。
「実はね、数日前に警察から電話あって、兄②が家で死んでるって言うのよ。お兄ちゃん(兄①)と2人で慌てて、警察に行って確認したのよ。そうしたら、たぶん死後10日位だって、本当にびっくりしたのよ」
実は伯父(兄②)は、事情があって(理由は後述)親戚の集まりに顔が出せない人になっていました。しかし、母や兄①とは、定期的に連絡を取っていたし、母達の実家に住んでいたから全くの孤立ではなかったはずです。
母は3兄弟で、母70歳、兄②73歳、兄①は76歳。
伯父は独身で今は年金生活を過ごしていました。
「伯父さんの死因は何だったの」と聞くと
「警察では、遺体の横に吐瀉物があり、何かを喉に詰まらせたのか、突然吐いてしまったのか不明だけど、そのまま亡くなったのだろうって」
そんなに簡単に人って死ぬものなのでしょうか。
死にたくても医療の力で死ねない時代になったと言われる現代です。
きっと伯父の年齢になると、持病で病院にも通っているのではと思いました。しかし、母に聞くと、どうやら体調の悪さはいくつかあったけど、病院などにも通っていなかったようです。
「伯父はもういつ死んでもいいと思って生きていたのでは」
孤独死が発見されるまで
そもそも「誰が」伯父の異変に気がついたのか?
1人暮らしの高齢者で、家族もいない、仕事もしてないとなると、誰とも会わない日々になりがちです。
さらに高齢になっていくと、身内もどんどん先に逝ってしまいます。伯父に連絡してくるのは、もう実の兄弟(母と兄①)だけでした。しかし、全員70代、自分たちの健康維持や体も心配。母も父の法事の準備もあって、ここ1ヶ月は連絡していなかったとのこと。
そんな伯父ですが、今回の死は「近所の人」が発見してくれました。
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