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和菓子職人的生活習慣まとめてみました。

スレッズに
「パン屋で働く人は納豆食べちゃいけないの?」
という投稿があって
「そういうことってあるだろうな~」と
引用投稿で「和菓子職人的生活習慣」を
投稿してみたら
なぜか1万以上の閲覧になっていて
私には当たり前の生活だったのですが
意外に知られてない和菓子屋的生活習慣。
営業形態、事業形態によるところも
あるのですべての和菓子職人が
殉じているとは限りませんが
まとめてみました。

そしてなぜこれを守るかというと
「食中毒事故のリスクを減らすため」で
他の理由は一切ありません。
それだけです。
(香味野菜は香りの問題)

清潔な環境の作業場でも
食中毒事故は起こりえます
リスク軽減のために
「細菌をつけない」
「細菌を持ち込まない」
注意をしながら生活しておりました。
具体的には

1.工場に入る前日から
生肉、生魚に触るのは厳禁。

2.原則的に冷凍処理してない
動物性の食材は購入も調理も禁止。
ジビエなどもってのほか。
(誰かが調理してくれたものを
美味しくたべるのはOK)
未調理のものは工場はもちろん
家庭にも持ち込み禁止。
鰹節などの発酵食品も
開封済みのものは
工場には持ち込まないように
気を付けておりました。
(未加工で本物であればあるほど危険という
皮肉な現実。。。)

3.ネギなどの香味野菜も
前日から触るのは禁止。
(食べるのはOK)

4.泥付きの野菜の購入禁止。
栄養豊な土の細菌たちは
時には脅威になるのです。
(オーガニックなものほど
危険というねじくれた現実
家庭菜園で戴いたものは
別途保存して
美味しくいただいておりました)

5.食中毒を起こしやすい食品は
自ら調理したり食べてはいけない。
(信頼できる飲食店や業者が
調理加工したメニューはOK!)

6.原則的に体調を崩すの厳禁
具合が悪くなったらすぐに病院、
すぐに休息。
最速で治す。
体調が悪いと
工場には入れない。
食中毒事故と物理的な事故の
両方のリスク回避です。

スレッズにいただいたコメントによると
「実家の父が和菓子職人で
家事をまったくしなかった」
「(上記のような家庭で)
食事ににニラなどが
出ることがなかった」
「会社規則で牡蠣を食べるのを
禁止されている」
などえっ!と思うけど
「あるかもな~」と
思いました。

こちらは練り切りでなくしんこ餅で作った和菓子
ツヤ感が可愛い。

「そんな我慢をするような職業は許せない。」という
否定的(?)なコメントもあったのですが
星の数ほど職業があるなかで
その道のを選んだ人は
多分それを我慢と思ってなくて
家族も含め自然とそのような
生活スタイルになっていくような
気がしています。(周囲の理解必須!)
和菓子職人および食品を提供するお仕事は
イメージより体力と健康の維持が重要な仕事で
表面には見えない部分ですが
「こんなことに気を使ってるのね~」と
知って戴けたら嬉しいです。

ここからは「和菓子職人」や
職人を目指す女性の方に
伝えたいことになります。
他業種でも通じるところが
あると思うので
良かったら読んでね。

【あらためて自己紹介】


私は現在56歳の女性和菓子職人です。
実家である和菓子屋で
2024年7月まで22年ほど製造と販売を
行っておりました。
7月末に実店舗は閉めましたが
「伝統の継承と再配布」をテーマに
和菓子の技巧やデザインを
伝える活動を続けています。

【和菓子職人的生活習慣を続けると】

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