シン・包丁
この度、包丁を買い替えた。
その記録である。
それまで使っていた包丁は子供用。
子供が幼い頃に愛用していたものだ。
連れ合いの横で台所仕事の真似事をするために用意した。
その子供用包丁を連れ合いと共用で使っていたのだ。
なぜって?
まだ使えるからである。
大人用包丁は徹底的に使い込み、研いで研いで研いで(回って回って回るう~う・・・ご存じないですね、円広志)、小さくなってお役御免。
残された子供用包丁を使えるから使っていただけである。
それでも使い続ければ、くたびれてくる。
人参、牛蒡は体重をのせて全力で切っていた。
レンコン、カボチャは切れ目を入れた後、手で割っていた。
そんなある夜のこと。「そろそろ買い替える?」と連れ合いに聞かれた。
ワニキは二つ返事で了解だ。
だって1週間ほど前に包丁を押す指先が割れたほどだし。(真実。)
そして購入したのが「関孫六」である。
「関の孫六」の刀は、見た目にも美しく、頑丈で、抜群の切れ味だそうだ。
いや、刀だけではなく包丁も美しい。これぞ究極の機能美。
「折れず、曲がらず、よく切れる」の業と心だそうである。
我が家の包丁にも活かされていることを期待する。
翌日。
包丁を手にネギと対峙する。
まずは薬味で使うために小口切りだ。
トン、トン、トン、トトトトト・・・
ネネネネネ、ネギとネギがくっつかない。
トンと切ると離れてくれる。
力を入れずに薄く切れる。
包丁の自重だけで切れていく感じ。
そんな当たり前のことがうれしくなるシン・包丁であった。
漫画「美味しんぼ」に登場する海原雄山も「なんだこれは!」と驚くに違いない。
ありがとう、関孫六。
時空を超えて感動を与えてくれたね。
と、ここまで書いておいて何だけど、最後の最後に言いそびれてたこと・・・
購入したのは包丁ではなくペティナイフだった。
ほおう、ちょうか。
それでは、また。