日本人に宿る「ものづくり」の精神とは?(中編)ー先生のための『和の国・日本国』講座⑰ー
こんにちは。りたろです。
自らの持ち味を社会に貢献する「『和』の学級経営」を軸に発信しています。
今回も、引き続き、
「先生のための『和の国・日本国』講座」という主題のもと
日本の「ものづくり」に焦点を当て、
日本人の「働く」ことに対する『精神性』とは?
日本の「ものづくり」のルーツとは?
などを学びながら、
『和の国・日本』とは何か?を考えていきたいと思います。
※今回も、わたしが授業や講演をするときに使用している
資料も使っていきたいと思います。
【今日の内容】
日本人に宿る「ものづくり」の精神とは?(中編)~先生のための『和の国・日本国』講座⑰〜
1)人類最初のものづくりは「日本列島」から!?
2)世界最古の土器は「日本列島」から!?
3)なぜ「日本列島」で世界最古のものづくりがなされたのか?
4)自然豊かすぎて遅れてしまった文明
前回の記事では、
「弱小国」だった日本国が、
「経済大国」に2度も躍進してきた。
というお話をしてきました。
1回目は、「明治維新」後。
黒船来航で強制的に開国を迫られ、
列強の危機の前になんとか国を強く、大きくしなければならない。
そこで、目を付けたのが「ものづくり」でした。
そして、第一次世界大戦後、
日本国は、国際連盟加入で、『世界5大国』に躍進。
軍事力と経済力ともに世界トップクラスに躍り出ます。
そして、2回目が、「先の大戦」後。
先の大戦により、世界の国々から叩きのめされてしまい、
インフラは破壊され、一気に「世界最貧国」に落ちてしまいます。
しかし、ここでも着目したのが「ものづくり」。
そして、
一気に世界企業ランキングを「日本国」で塗りつぶし、
たったの十数年で『世界第2位』の経済大国へと復活を遂げたのです。
では、
なぜ、『2回』も経済大国に躍進することができたのでしょうか?
今回は、
日本列島の「ものづくり」の歴史から、
その秘密に迫っていきたいと思います。
1)人類最初のものづくりは「日本列島」から!?
日本列島における最初の「ものづくり」は、
今から3万5000年前。
「磨製石器」
だといわれています。
「石器」には、
石を打ち砕いて作る「打製石器」と
打ち砕いた石を磨いて作る「磨製石器」の2種類があります。
「打製石器」は打ち砕くだけなので身体(特に手)の構造的にも
サルや他の動物にもできると言われています。
しかし、
砕いた上に磨きをかけなければいけない「磨製石器」は
身体(特に手)の構造的にサルには作ることは難しいとされています。
つまり、
人類最初の「ものづくり」は『磨製石器』
ということです。
そして、
その「磨製石器」。
今のところ、
世界最古のものは「日本列島」から出土
しているんです!!
昭和21(1946)年、
研究家である相沢忠洋さんが、
岩宿遺跡 (群馬県)
の関東ローム層から、
「磨製石器」を掘り出しました。
調べてみると、
今から3万5000年前のもので世界最古の磨製石器だった!
というのです。
全国各地で調査をすると、
北は「北海道」から南は「鹿児島(種子島)」まで
全国で1000か所以上で「磨製石器」が
掘り起こされています。
中には、3万8000年前のものまであるというのです。
ここで世界の磨製石器を使用していた年代をまとめてみます。
【比較的古い年代から磨製石器を使用していた国との比較】
オーストラリア 2万5千年前
オーストリア 2万6千年前
ロシア 2万2千年前
中国 1万5千年前
韓国 7千年前
世界と比較して分かるように
日本国では、世界と比べて「約1万年」も早い時期に
「ものづくり」にいそしんでいたことが分かります。
なんと
「世界最古のものづくり」は『日本列島』からはじまった
のです。
2)「世界最古の土器」は日本列島から!?
そして、
「磨製石器」の次の「ものづくり」といえば
「土器」
です。
これまで地球上でたくさんの「土器」が出土されてきました。
では、
すべての中で『最も古い土器』はどこのものだと思いますか?
もう話の流れで御察しの方もおられるかもしれませんが、
ドキドキしていますか?
土器土器していますか?
そうです!!
なんと!!
「日本列島」
からなんですね。
大平山本Ⅰ遺跡 (青森県)
から出土された土器が『世界最古』と言われているんです!
当時、先土器時代・縄文時代を通じて、
地球上で最もテクノロジーの発達した地域は「日本列島」
だったということができます。
ふつうにすごくないですか?!!!
しかし、この事実。
教科書には書かれていないんです。
歴史の最初の授業って
「考古学」の話ばかりで人気もあまり高くないですよね。
そんな時に、
この話をしたら
絶対
「日本すごいじゃん!!」
「どうしてなんだろう??」
と興味も疑問も湧いてくると思います!!
ぜひ、歴史の最初は、
世界最古のものづくりのお話と
神武天皇による日本国建国の物語は入れてほしいと思います。
では、
なぜ、
世界最古の「磨製石器」も世界最古の「土器」も
日本列島から出土されているのでしょうか?
3)なぜ「日本列島」で世界最古のものづくりがなされたのか?
それは、
日本列島の「自然環境」
が強く影響していると考えています。
環境の悪いところに住んでいると
食べ物を確保するだけで精一杯ですよね。
6人家族のお父さんが一日中野山を駆けずり回って
ようやく手に入れたのがネズミ一匹。。。
これでは、困ってしまいます。
ところが、「日本列島」は違いました。
「日本列島」はとても豊かだったので
少し山に行けば、山の幸があり、
少し海に行けば海の幸があり、
なんでも獲ることができました。
容易に食料を確保することができます。
すると、どうでしょう。
一日の中で「自由時間」が多いわけです。
そうすると
「じゃあ、ちょっと工夫してみようかな…。」
と道具の改良や生活の工夫など
知恵を働かせる時間ができるわけです。
そのような豊かな「自然環境」で暮らしながら、
「時間」もあって道具を工夫したりしながら、
一番早い時期に『磨製石器』を作り
一番早い時期に『土器』を作った。
「日本列島の豊かさ」が
これほど、人類のテクノロジーを
引き上げていったということなんです。
4)自然豊かすぎて遅れてしまった文明
しかし、この後
文明で中国大陸に抜かれてしまいます。
中国大陸は、
豊かな山も森もなく、
浅瀬ばかりで魚も獲ることが難しく
生活的に大変厳しいものでした。
そして、始めたのが「農耕」でした。
揚子江では、「水田農耕」
黄河では、「畑作農耕」がそれぞれ行われました。
道具は金属器が使われるようになり、
農業の周期を確認するために暦も使われるようになり、
記録のために文字をとりまとめたり
「農耕」を行うことで一気に文明開化します。
これが「黄河文明」「長江文明」の始まりとなるのです。
ところが、
日本列島は豊かだったので
ずっとのほほんと採集生活をしていました。
そして、飛鳥時代前になると
中国大陸との差はかなり大きく開いてしまっていました。
そのため、
聖徳太子が「遣隋使」を派遣して
中国大陸の進んだ文化を積極的に取り入れるに至るのです。
日本人の中には、
豊かな自然の中で知恵を働かせて生み出し、
足りないところは勉強することによって補うという
「世界最古のものづくり」の精神が残っているのかもしれませんね。
次回の記事では、
なぜ、『2回』も経済大国に躍進することができたのか?
の核心に迫る物語から
日本人に宿る「ものづくり」の精神を紐解いていきたいと思います。
これまで、
「日本はいい国だ!」というと
軍国主義者と言われたり、
危険思想だと思われたりしていました。
しかし、
2011年3月11日
東日本大震災を契機に外国から注目されてから、潮目が変わりました。
じつは、わたしたちが住んでいる『日本国』はすごい国なんです!!
まだまだ、
歴史の闇に埋もれてしまった「真実」が
たくさんあります。
「日本を知ることは、
『自分のルーツ』を知ること」
わたしたちの生まれた国をもっと学びませんか?
そして、子どもたちに伝えませんか?
自分の生まれた国を誇りに感じることは、
きっと自己肯定感とか自己効力感につながるはず。
一緒に、『和の国・日本』を楽しく学びましょう!
最後まで、お読みいただきありがとうございました。