【No.1045】一点集中が大事です
投資では分散投資をすることが重要です、なんて、NISAやiDeCoの普及によって、広告のような記事をよく見かけるようになりました。でも、投資においても一点集中が大切だと言っている人もいます。
おそらくは、投資をする個人の状況によって異なるのでしょう。資産がどのくらいあって、いくらだせるか。掛け金が消し飛ぶリスクをどのくらい許容できるか。性格やライフスタイル、考え方、投資経験の有無など、いろんな要素で変わってくるのでしょう。
分散投資がいいのか、一点集中がいいのか、
発泡スチロールに穴を開けようと思った時、手のひらで押すと穴は開かないけれども、指で刺すと、一点集中で穴が開きやすいことがあります。
分散投資と一点集中と、向き不向きもあるので、一概には判断できませんが、少なくとも一点集中の方が早く成果が出そうです。
日常生活でも同様で、一点集中することは重要です。何か習得したいことがあれば一点集中しなければいけないと思います。
ただ、一点集中が、めちゃくちゃ難しい。
まず、それが本当に自分が目指していることなのかということを日々考えるべきかもしれません。
一点集中する「対象」を選ぶ際には、自分の目標や夢、将来の生き方を明確にすることがポイントです。本当に達成したい目標に対して一点集中することで、人生は劇的に変わるかもしれません。
しかし、仮に「対象」が見つかったとしても、人間は浮気性です。
古典の授業で勉強する『徒然草』第188段にもありますね。
お坊さんになるために、説法の勉強を始めた人がいました。勉強するうちに、"良いお坊さん"になるためにと、現場に向かうための乗馬技術や、打ち上げで披露する芸も磨かねばと、いろいろ始めて、説法はそっちのけ。結局、なにも成し遂げることができなかったという話があります。
このお坊さんだけでなく、世の中の人々も、だいたいこんなものかもしれません。
若い頃はさまざまな分野に興味津々で、立派になりたい、未来を切り開きたい、何か一つでも芸達者になりたいと、明るいビジョンを描いています。しかし、理想ばかりを追い求めて、目の前の課題に追われてばかりになり、気がつくと時間は待ってくれず、過ぎていってしまいます。
結局、何も成し遂げず、気が付いた頃には老いていたりすることも。名人にもなれず、夢見た未来が崩れ、後悔しても取り返しのつかない年齢になることもある。
社会人になり、まず営業だ、そしたらコミュニケーションだ、次はタイムマネジメントだ、英語だ、経理だ、資格だ…。
もちろん、これらは全部大切です。でも、中途半端はかえってよくない。
だからこそ、一生の中で何を成し遂げたいのか見極め、一番大切だと思うことを選び取り、その他のことは思い切って捨ててしまいましょう。
まず一つに一点集中するのです。一日や一時間の中で増え続ける仕事に追われる中で、少しでも役立ちそうなものだけに取り組み、他は捨てるしかありません。大切なことだけを優先し、急いで取り組むべきです。何でもかんでもと取り込んでしまえば、行く手を阻むだけですから。
でも、分散は良くないとわかっていても、やっぱり一点集中は難しい。怖いですからね。それを続けた時に報われるかどうか分かりませんので。
1万時間の法則に従い、仮に3年続けたとします。努力して報われなかった場合、この3年間が無駄になると感じる恐怖と不安があるでしょう。"正しい努力"でなければ、3年以上かかるかもしれない。
そんな恐怖と戦いながら一点集中をしなければいけないんですよね。
それでもやっぱり一点集中なんですよね。
発泡スチロールもそう。理科の実験で、虫めがねで日光を集めるやつもそう。
力を集めてぶち抜けるためには一点集中。
恐れについては、冒頭の、投資で一点集中を勧めている人は「知識がないから怖いと感じるんだ。しかるべき知識があれば、一点集中のほうが安全だ」と言うんですよね。
正しい知識と、正しい努力と、1万時間かかる想定で、一点集中。
今日も楽しんでいきましょう!