香る道
高校の時、茶道部だった。
嗜む程度だったので、ここ最近、学び直したいという気持ちがふつふつと芽生えていた。
「茶道ってなんだろう。」と改めて調べる中、
他にも”道”という文字を冠するものがあることを知った。(華道は知っていたが)
それが「香道(こうどう)」
こうどう??お香???お線香??
全く未知な領域。
日本の伝統的な芸道なのに。
知りたい。
早速、ネットで調べてみるとオンラインで
「お香入門」という講座を見つけた。
「これだ!!!」と、早速申し込んだ。
以下、感想
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まず、「香道」の定義から学んだ。
「香道」は、香木を一定の作法によって 鑑賞し、その修練を通して人格形成に役立て、また幽玄貴重な香木 の香りを優雅な心持ちで鑑賞する「道」だが、香道では香りを「聞 く」ことを「聞香(もんこう)」と言う。
香りを嗅ぐではなく「聞く」というそうだ。
目を閉じて音を楽しむように、静かに香りを感じている情景が思い浮かんだ。
嗅覚だけではなく、様々な器官を用いて香りを味わうからこそ、「聞く」と表現するのだろうか。
次に、「香」の歴史を学んだ。
様々な香薬(香料)や使用法、調合法などが中国からもたらされるようになり、このことから趣味の香りとしても用いられるようになっていった。
平安時代になると、貴族たちは『香』を遊戯として用いるようになり、貴族の生活の一部(教養)となったとされている。
その後、鎌倉時代から始まる武家の時代においても、『香』は武家の教養として用いられ、やがて室町時代には禅の影響色の濃い 「香道」という芸道まで昇華した。
この歴史を聞いた時、真っ先に『源氏物語』が思い浮かんだ。光源氏が「薫物合せ」を催した時の情景。香木や様々な古来の品を用いた香り創り。何のためにしているのかと思っていたが、納得した。「お香」は昔から上流文化として親しまれていたのか。
今回、御教授いただいた先生が仰っていた、
「昔は文(ふみ)にも香りを持たせて、どのような人物か想像させたり、残り香を感じさせて思いを募らせていたりした。」と。
現代には無い、奥ゆかしい恋愛の戯れ。素敵。
そして、「お香」の種類について知った。
現物が送られてきて、香りを「聞いて」みた。
目を閉じてそっと吸い込む。
原材料の香木はインドに多く生えているらしい。納得。チャイティを彷彿とさせるような少しエスニックな感じの香り。
心が整っていくのを感じた。本能が告げる。
「これは、快い匂いだ…!」
早速、塗香(ずこう)を購入した。
まだまだ奥深い「お香」の世界。
自分の生活に、静かな安らぎの場所を設ける。この香りが安全地帯になる、予感。