#149 浮上するファウンダー出身のVC
先週は日帰りでニューヨーク出張に行ってきました。サンフランシスコから朝7時の飛行機に乗って、ニューヨークに午後2時半に到着、5時に1時間ほどミーティングをして8時の飛行機に乗って家に帰ったら夜の12時くらいでした。 30分くらい余裕があったので、ニューヨークのストリートピザもサクッと食べてきました。一度やってみると、むしろ無理して無駄に2,3日の出張計画を立てて行くより、必要なときに必要なミーティングだけパッとやってくるのもいいと思いました。ところで、サンフランシスコもいいですが、ニューヨークはニューヨークでやはりおしゃれで風情がありますね!
成功するVCを創業するにはどのようなバックグラウンドが必要でしょうか?
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この質問は、VCを創業したい人、VCで働きたい人、私のようなVCに投資をする人の間で人気のあるテーマの一つです。しかし、明確なのは、ここにたった一つの公式があるわけではないということです。成功したVCは、それぞれ異なる背景や経験を持ち、時には全く異なるバックグラウンドを持つこともあります。セコイアの伝説的なベンチャーキャピタリストであるマイケル・モリッツ氏は、ジャーナリストとしてキャリアをスタートしたというのは有名な話です。
とにかく、それでも私は成功したベンチャーキャピタリストが何か共通点を持っているかどうかについての手がかりを見つけるために少しリサーチをしてみることにしました。
まず、私はここで「成功したベンチャーキャピタル」を、いわゆるシグナルVCとも呼ばれる良いブランドを確立したVCと定義しました。この分析には、彼らが運用するファンドの投資実績は考慮されていません。しかし、少なくとも影響力のある有名なVCを立ち上げたということだけでも十分素晴らしい成果と言えます。
まず、アンドリセン・ホロウィッツ、ゼネラル・キャタリスト、レッドポイント・キャピタルのような10年~20年程度の歴史を持つVCから、NFXのようなある程度若いところまで、有名なVC30社をピックアップしました。
その後、それぞれVCの創業メンバーの経歴を以下の6つのペルソナに分類しました:
1. Founder:創業経験がある人(創業した会社の成功の有無は含まない)
2. Operator: 大企業やスタートアップでCxO、プロダクトマネージャー、マーケティングマネージャーのような役割で仕事をしたことがある人
3. Engineer/Scientist:ビジネス側ではなく、エンジニアリングや学界での経験がある人
4. Consultant: マッキンゼーのような経営コンサルティング会社で働いた経験がある人
5. Other Finance: 投資銀行、株式アナリスト、公認会計士など、VC以外の金融業界に従事した人
6. Other VC Firms: 他のベンチャーキャピタルで勤務した経験がある人
ここで同じ人が重複したペルソナを持つことができます。例えば、Lightspeed Venture Partnersの創業者の一人であるRavi Mahrateは、Booz Allen Hamiltonでコンサルタントとしてキャリアをスタートした後、Silicon Graphicsでプロダクトマネージャーを務めました。 その後、1999年にLightspeedを共同設立するまで、Bessemer Venture Partnersで投資家として働いていました。 私は彼にOperator、Consultant、Other VC Firmsの3つのペルソナを割り当てました。
次に、各ペルソナ数の全体数に対する割合を計算し、以下のように3つの時間軸でプロットしてみました。
まず、このチャートは米国のすべてのVCのデータが反映されているわけではなく、私が自分で選んだ30社だけが反映されているので、VC業界の全てのペルソナを正確に反映しているわけではありません。 例えば、〜2000年には創業メンバーの30.8%が自分たちのVCを設立する前に他のVCでキャリアを積んだとされていますが、これは正確ではありません。 しかし、これは「トレンド」を示すには十分です。例えば、~2000年にベンチャーキャピタルを設立した創業メンバーの相当数が他のVCでキャリアを積んだと推定することができます。
これを理解してチャートを見ると、注目すべきトレンドが見えます。米国の影響力のあるVCの中で、FounderおよびOperatorの経歴を持つ創業メンバーが創業したVCの割合が近年増加しているという点です。米国は数世代にわたってVC市場が成長してきたため、今ではエンジェリストのようなプラットフォームを通じて誰でもエンジェル投資の実績を積むことができるようになりました。FounderやOperatorは、スタートアップで一緒に働いていた仲間が独立して他のスタートアップを創業する際に、まず最初に少額エンジェル投資を行うことが多いです。これらの中には、プロの投資家に転向する人もいます。VCになるのです。また、彼らから資金を調達する創業者は、経験豊富な創業者やオペレーターから何かを学べるという期待を持って、Cap Tableにスペースを作ってあげることになります。
このようなトレンドは、まだ金融出身のVCが多い日本や韓国、そしてアメリカ以外のVC途上国でもVCマーケットが成長するにつれて生まれてくるのではないかと予想しています。
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