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【散文】掃き出し窓
掃き出し窓を開けて、バルコニーに出ると光と雲がオレンジ色にたなびいている。風の千切り方がはなはだしくて、わたしまで刻んだ。
つめたい気流の流れが、全身をおびやかそうとするから、なおのこと凍える様が呼び覚まされる。
投げ出されるようにして生きてきた自分に、せめて夢遊の熱風を送りたかった。
風の軌跡が、過去をまさぐって未来まで吹き渡る夕刻に。
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掃き出し窓を開けて、バルコニーに出ると光と雲がオレンジ色にたなびいている。風の千切り方がはなはだしくて、わたしまで刻んだ。
つめたい気流の流れが、全身をおびやかそうとするから、なおのこと凍える様が呼び覚まされる。
投げ出されるようにして生きてきた自分に、せめて夢遊の熱風を送りたかった。
風の軌跡が、過去をまさぐって未来まで吹き渡る夕刻に。