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怪談本、制作します!応援お願いします!

実は今、みなさんから聞かせて頂いたお話をまとめた怪談短編集「みんなの怖い話(仮タイトル)」を作っているんです。いわゆるZINE(ジン)。テーマは

「怖いが苦手な人も読める怪談本」

かなり怖い話を期待している人からしたらちぉーっと物足りない感じになってしまうかもしれませんが(^◇^;)

価格は1冊500円〜700円。1話1200~1500文字くらいで、7.8話収録予定。ぼくが怪談好きになったきっかけから話しますと、小学生の頃図書館で読んだ「学校の怖い話」みたいな児童書。あのころはものすごく怖かったんですが、今となれば子供用の本だったんだなと感じるんです。でも、印象に残ってる。ということは、ちゃんと怖がっていたんですね。その感じ。それを作りたくって。

実際、お話の一部を怪談が苦手な方々にお読み頂いたのですが、これくらいなら大丈夫!というお声をいただけまして。そうなんです。そういうのが作りたかった。でね、もしよかったらなんですが、本誌を作るのにお力添えを頂けないでしょうか!!!(切実)

とはいえ、何をどう応援したらいいの?応援するって言ってもどんな話かわからないからなんともいえないよ、という疑問もあるかと。

‥なので一部、収録予定のを先行公開!

今回、ご支援いただいた金額は全て本紙の制作にあてさせて頂きます。ご支援いただいた方のお名を「ご支援いただいた方々」と敬称略でお名前を載せさせていただけたらと思いますので、ご理解・ご了承の方よろしくお願い致します!

今回書いてて感じているのは、作家さんの凄さ。締め切りに追われながら、書くことで生計を立てている。物語や創作を生み出し続けるエネルギー、頭の回転。初めて作るので正直、ゼェーゼェーいってます。なのでどうか、手に取っていただけましたら‥!!!


更新してから合計で(12月4日現在)15名の方にご購読頂きました。本当にありがとうございます!(noteアカウント名)

パロディー様
冨山斐様
レジェンド様
熊五郎様
鬼灯様
影絵草子様
内藤駆様
mokomoko hukahuka様
豊田尚紀様
【猫科狸】様
yokohama.miho様
碧(ヘキ)様
kyonn.f様
とおる様
Mayu様
くろねこ様



「心霊スポットに行ったから」


「心霊スポットって、やっぱり行っちゃいけないんだと思ったことがあって。人も巻き込んじゃうし」

そう話を聞かせれくれたのは香菜(仮名)さん。香菜さんが大学生の頃の話だという。

Aさん、Bさんという仲の良い友達が2人いた。授業もお昼もいつも一緒で、他愛もない事から真面目な事まで隠し事なく色々話せていた。

ただ、“一つ”を除いて。

隠したくて隠していたわけではない。言う必要もタイミングもなかったので、言わなかっただけだったのだ。
とある日。3人で学校前から出ているバスに乗り込み帰っていたときのこと。1番後ろの一列になっている席に横並びに座り、今日学校で起きた事や最近ハマっていることなどの雑談をしていた。
 
すると、Aが

「バスさっきから進んでなくない?」

と言った。

「渋滞だ。珍しいね」

止まるたびにエンジンを切るバスの車内は静まり返っていた。静かな車内に気を遣いながらも雑談を再開する。しばらくすると動き出すがまた止まる。歩いた方が早いような気もするが、疲れもあるのでそんな気持ちにはなれなかった。

するとBが

「あれなんか変じゃない?」

と言った。
運転席の斜め上。バス停の案内が出る電光掲示板を指差した。いつもはオレンジ色の文字で表示されているのだが、今日は赤く文字化けしているように見える。

「運転手さん気づいてないっぽいよね」

ほとんどの文字は読み取れなかったが、一つの文字だけ読み取ることができた。

『骸』

むくろ。その文字は、赤色で表示されている。
顔を見合わせ、口に出すこともなく怖さを目配せで共有する。

“骸”という文字は怖さを通り越して理解ができなかった。

しばらくするとバスが動き出す。静かだった車内に聞こえるエンジンの音。何か音がするだけでも、心なしか安心感があった。電光掲示板は次のバス停「貯木場前」を何事もなかったかのように表示している。“骸”の文字を見たことは気になっていたが、そのあと誰も切り出すことはなかった。

この話を2人以外の誰かに聞いて欲しかったので、アルバイト先の店長に話すことにした。

「貯木場、前なんだったか知ってる?あそこ、昔は死体の安置所だったらしいよ。戦争のときたくさんの人たちを安置しておいたところ。今は木材置き場になってるけど、あんなに広いのはだからなんだって」

何の関係があるのか?と思ったが、あのとき表示された「骸」という字。骸とは死体のことだ。

もしかすると関係があったのかも知れない。冒頭で書いた2人への隠し事。それは、1人で心霊スポットに行っていたことだった。一時期自分でも不思議なくらい心霊スポットに行くことにハマっていた。

ある日、自宅の浴槽に浸かっていたとき水が怖く感じた。溺れた経験もトラウマもないにも関わらず、しばらく浴槽に入れなくなってしまった。心霊スポットに行き始めてからこの異変を感じるようになったので、もしかしたらと思い、近所の神社にお祓いに行くことにした。
住職さんと顔を合わせるや否や

「水で亡くなられた方が憑いている」

と言われた。

香菜さんが行っていた心霊スポットは沼だった。お祓いをしてもらってからは水に対する怖さを感じることは無くなったが、自分が心霊スポットに行ったことが原因で友達にも「骸」の文字が見えてしまっていたのであれば、本当に申し訳なかったと思っている。周りの人に迷惑がかかってしまうのであれば‥と思い、それ以降、心霊スポットに行くのはやめた。


『お墓参りが怖い』


私は物心のついたときから“見えて”いました。

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正直に言います。話を上手くするため、映画を見たり本を読んだりのお金に当てます。直近、島に暫く住む予定なのでそちらの生活費に。