「3歳までむし歯ゼロ!仕上げ磨きと低濃度フッ素の使い方」~毎日の習慣で子どもの歯を守る簡単な方法~
自分の歯で生きる「人生100年時代」
想像してみてください、あなたのお子さんが年を取った時に、白い歯で明るく笑っている姿を。
健康な歯は心身に活力を与え、社会的交流や生活の質、さらには人生の質にも大きく貢献します。
これから紹介するのは、以下の二点です。
⚫︎私自身が家庭で試した実践的な経験。
⚫︎歯科医師の指導の下地域の多様な家庭を観察し、日常生活に取り入れやすい方法。
乳歯の生える時期とむし歯
乳歯は約4〜7ヶ月の頃に下の前歯から生え始め、1歳6ヶ月頃には、上下の前歯と小さな奥歯が左右に合わせて約16本生えてきます。(個人差があります)
3歳6ヶ月頃には、乳歯が20本全て生え揃うことが一般的です。
この時期の乳歯は柔らかく、生えたばかりから成熟し丈夫になるまでには約3年を要します。
むし歯になると、急速に進行し拡大することがあります。
永久歯を一生健康に保つためにも、乳歯の段階でむし歯を経験しないことが望ましいです。
歯みがきをして、細菌が層を形成しむし歯を引き起こしやすい環境を防ぎます。
細菌の層は数日かけて成長するため、1日1回の大人の仕上げ磨きで、特にむし歯になりやすい就寝前にこれを取り除くことが重要です。
❶フッ素のむし歯予防効果
フッ素は自然界に広く存在し、緑茶などの食品にも含まれています。
・食後に歯の表面が再石灰化するのを助ける
・歯の表面を溶けにくくする
・細菌の活動を抑制する
❷寝ている間にむし歯になりやすい
唾液は歯の再石灰化に不可欠であり、睡眠中には分泌が減少します。
これはむし歯のリスクを増加させる要因の一つです。
そのため、寝る前に低濃度フッ素を使用することで、むし歯予防効果が得られます。
寝る前に飲食することは、歯の再石灰化が間に合わないためむし歯になりやすく、注意が必要です。
❸薬局で購入できる家庭用フッ素の紹介
私が使用したのは市販の歯磨き粉(いちご味)で、磨いた後にレノビーゴというスプレータイプのフッ素を使いました。
市販の子どもの歯磨き粉のフッ素濃度は1,000ppm未満で、レノビーゴは100ppmという低濃度です。
レノビーゴは爽やかなレモン風味で、地域の家庭訪問で推奨したところ、1歳6ヶ月の子どもたちもほとんど抵抗なく使用できました。
❹歯ブラシの準備
⚫︎本人用歯ブラシは、持ちやすく、喉に刺さらないよう持ち手が短いタイプが望ましいです。
⚫︎仕上げ磨き用歯ブラシは、ヘッドが小さく、首が長いため奥歯も磨きやすいです。長さがあるため、本人用としては不向きで、仕上げ磨き専用として使用します。
また、仕上げ用も噛んですぐに毛が広がってしまうため、ボサボサになる前に新しいものに交換することをお勧めします。
❺フッ素配合歯みがき粉の使い方
1日1回、夜寝る前に行います。
1️⃣歯磨き粉は、年齢に応じた少量を歯ブラシに取り、下の奥歯から磨き始め、最後に上の前歯を磨きます。
うがいはせず軽くふき取るか吐き出す程度にします。
2️⃣フッ素スプレーは、歯ブラシに吹きかけて歯に塗るか、仕上げ磨きで泣いてしまい歯ブラシを使いたくない時には、直接歯に吹きかけて使用します。
うがいは不要です。
✳︎私は最初から歯に直接スプレーしました。
1歳6ヶ月から3歳の子どもがむし歯になりやすい部分は、上の前歯と上下の奥歯の噛むところです。そこに直接スプレーしました。
これらは、子どもが自分で磨いたあと行いますが、時間がないときや子どもがぐずっている時は、仕上げみがきのみで終わらせます。
母乳を飲んでいて、仕上げとフッ素をする前にそのまま眠ってしまった時や、夕食後に寝てしまった時は、上の前歯と奥歯に直接フッ素スプレーをして再石灰化を促し、むし歯菌の働きを抑制します。
フッ素の濃度は年齢によって異なるため、使用する際には濃度を確認することが大切です。
❻スプレー後の注意
フッ素を塗布した後は、最低でも30分間は水分を摂らないようにします。
フッ素が流れてしまう可能性があるためです。
30分が経過した後は、水やお茶を飲んで水分補給をしても構いません。
❼フッ素の使用開始時期
毎日の使用を始めるのは、下の前歯が生え始める4〜7ヶ月頃からです。
その頃から子供用歯ブラシを与えて遊ばせた後、仕上げ磨きを行います。
私は上の前歯が生えた1歳くらいからいちご味の歯みがき粉とフッ素スプレーを使いました。
❽その他
1歳6ヶ月頃からはむし歯予防を本格的に始める時期です。
哺乳瓶にミルク、ジュース、スポーツドリンクを入れている場合は、中身をお茶や水に変更することを推奨します。
ぜひ、3歳までむし歯ゼロを目指して生涯にわたる健康な歯や口で過ごせますよう、ご家族で取り組んでみてください。
仕上げ磨きを嫌がるときの記事はこちらです。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
私が目指しているのは、孤立のない共生社会の実現です。
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