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共生社会を実現するための言葉と態度ー高齢者ボランティアから学んだ学び

こちらの写真は、私がボランティアをしている子ども食堂で先日実際に作ったメニューです。毎回、ボランティアの方々が調理し、温かい食事を提供しています。

子ども食堂でのボランティア活動を通じて、私は高齢者ボランティアの温かい言葉と態度に触れ、多くの学びを得ています。特に70代から80代のボランティアが地域を支える存在として、責任感やプロ意識を持って活動する姿に感銘を受けました。

子ども食堂では、ボランティアの温かい言葉や態度によって、スタッフ間や子どもたち、保護者との良好な関係が築かれています。

援助関係について、バイスティックの著書にもあるように、内面的な感情と態度、外面的な言葉と行動が影響し合い、良好な関係がなければ支援の効果も薄れてしまいます。

「援助関係における相互作用は、主として内的なやりとりであり、やりとりのエネルギーは感情と態度である。これに対して、調査、診断、あるいは治療の諸過程における相互作用は、主として外面に現れており、その相互作用のエネルギーは言葉と行動である。」

(引用文献: 尾崎新ほか訳『F.P.バイスティック ケースワークの原則[新訳改訂版]援助関係を形成する技法』誠信書房 2022年、29頁)

子ども食堂でのボランティア活動は地域貢献だけでなく、福祉実践の一環としても非常に価値ある経験になっています。

高齢者ボランティアから学んだことは、責任感、プロ意識、使命感を持ち、丁寧かつ迅速な仕事を心がけている点です。特に人とのコミュニケーションにおいて、気配りや配慮が得意で、相手の立場に立って物事を考えることができるところが印象的です。

小さな行動一つ一つが信頼関係を築く重要な要素となり、温かい雰囲気を作り出すことに繋がっています。お茶を出す際も、子どもが火傷しないよう冷ますなど、細やかな配慮が見られます。

子ども食堂に参加する高齢者たちは活力に満ちており、場の空気は常にプラスの言葉や行動で溢れています。

余談ですが、ある職能団体の親睦会では、排斥されるような状況に直面した経験があります。例えば、隣の参加者に刺身醤油を手渡そうとした際に「醤油はつけないんです」と断られたり、周囲のスタッフが無関心でゴシップ話に夢中になっていた場面などがありました。

一方、子ども食堂での高齢者ボランティアたちは、豊かな経験と知恵を持ち、いつも温かく迎えてくれます。どの作業をするか迷っているとすぐに手招きしてくれたり、次回の参加を楽しみにしていると声をかけてくれます。また、「ハンバーグを焼いてみて」などの具体的な気配りもしてくれます。

これらの言葉や態度が良好な関係を形成し、結果的にスタッフ間だけでなく、子どもや保護者とのつながりも強化されています。

思いやりとは、相手にとって「嬉しいこと」を提供し、言葉や態度で相手が「認められている」と感じることで、良い選択や行動につながるものだと感じます。逆に、排除するような言葉や行動は、相手を「悲しませ」、相手に「認められていない」と思わせ、良好な関係を築くことが難しくなります。それは、その場や組織全体のマイナスの選択や行動に影響を及ぼします。

相談援助業務では、知識やスキルが重要であることは言うまでもありません。しかし、これらの「言葉と態度」なしでは、実践は決して成り立たないと強く感じています。相手に寄り添い、思いやりを持って接することで、信頼関係を築き、より良い支援が可能となります。

相談援助を行う前に、スタッフ間や多職種間の信頼関係を築くことが重要です。これは孤立のない共生社会の実現にも寄与します。

高齢者ボランティアから学んだ理念を家庭や職場、地域で実践する人が増えれば、排斥や孤立を生まず、各々が良い選択と行動につながり、良い循環を生み出すのではないかと感じています。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
私が目指しているのは孤立のない共生社会の実現です。

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