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私の手帳には、ある研修資料に書かれていた詩が残っています。それを今日は皆さんと共有したいと思います。残念ながら出典は忘れてしまいました。以下、その一部をご紹介します。


五人の子どもたち

五人の子どもたちが、家族の舞台にいます。

  • つねにがんばる優等生
    よくやったと 認めてほしいのです でも いくらやっても まだ足りない

  • 問題ばかり起こしている子ども
    こんなに傷ついているんだと 言えないのです 家族が疲れ果てているのは 全部その子のせいになる

  • 忘れられた子ども
    良くもなく、悪くもなく 放っておいてもだいじょうぶ いいえ!ほんとは気づいて欲しい 不安なのです

  • おどけた甘えっ子
    家族の争いがつらいから ピエロの仮面をつけたのです さあ、笑ってよ! 仮面の下はけっして 見せないから

  • みんなの面倒をみるやさしい子
    親がかわいそう 何とか助けてあげなくちゃ でも 小さな私の面倒は 誰もみてくれない


こうして家族の中で、子どもたちはそれぞれが精一杯演じてきました。


「いままでがんばってきたね」
ずっとがんばってきたね。でも、ほんとうはがんばりたくなかった。
がんばらなければならなかったから、がんばった。
でも、もう、がんばらなくてもいいんだよ。


「いままでがまんしてきたね」
ずっとがまんしてきたね。でも、ほんとうはがまんしたくなかった。
がまんしなくてはならなかったから、がまんした。
でも、もう、がまんしなくてもいいんだよ。


その時その時にできる限りの精一杯を生きてきたのです。


次に、地域の歯科保健活動で紹介された「お母さんから我が子への手紙」を一部ご紹介します。


お母さん大好き!
私に向けてとびきりの笑顔を見せてくれるあなた。


「おかあさん」と頬ずりして甘えてくるあなたの笑顔。


子どもの数だけ夢があります。


あなたは、どんな子でも、何歳になっても、パパとママの子どもです。
私たちにとって、あなたたちが生まれてきてくれたことは、何よりも幸せです。


生まれてくることを心から待ち望み
生まれてきてくれたことに感動し
感謝しました。


私たち親は、どんなに子どもを愛していても、その気持ちを十分に伝えられないことがあります。逆に、子どももまた、小さな胸の中で抱えている気持ちを言葉にするのは難しいことです。


「もっともっと甘えさせてあげたかった」
「もっともっと笑っていて欲しかった」
「もっともっと楽しんで欲しかった」


ほんとうはね、そうしたかった。
でも、今度はあなたが、あなたの気持ちを教えてほしいと思っています。


最後に、河合隼雄さんの言葉を紹介します。

この子の問題は母親が原因だとか、札つきの非行少年だから更生不可能だ、などと決めてしまうと、・・・誰かを非難するだけで、ものごとが片づいたような錯覚を起こしてしまう。

「心の処方箋」は「体の処方箋」とは大分異なってくる。
現状を分析し、原因を究明して、その対策としてそれが出てくるのではなく、むしろ、未知の可能性の方に注目して、そこから生じてくるものを尊重しているうちに、おのずから処方箋も生まれでてくるのである。1)

参考文献
1)河合隼雄著 『こころの処方箋』 新潮社 平成18年、13ページ

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
私が目指しているのは孤立のない共生社会の実現です。

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