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208.【怒りの分析シリーズ】39℃



出来事の一部始終

その一言を読んだ瞬間、私の怒りゲージは一気に最大値を通り越した。

「熱が39度まであがってしまった」

ことの発端はその日のお昼前。公園で娘と遊んで帰ってきたバジさん(夫)がいやに寒がる。まさか・・・。そう、そのまさかだった。

2週間ほど前から我が家ではコロナが蔓延し、バジさんも例にもれず発熱とのどの痛みに苦しんだ直後だった。

とにかく彼を休ませないといけない、と動いていた矢先、娘の様子もおかしくなった。気持ち悪さを訴え、顔は赤く、何よりいつにもましてぐずぐずが収まらないのだ。

散々迷った挙句、子ども二人を連れて実家を頼ることにした。
実家につくなり娘は嘔吐したが、その後はけろっとし事なきを得た。ただ、体調を考えれば安心できる自分の家で寝かせてやりたい。

夜には帰るとバジさんに連絡を入れる。その返信だった。

「OK、熱が39度まであがってしまった」

この一言に私はぶち切れ、久しぶりに怒りを前面に押し出した電話をしてしまった。

その電話でも自分の気持ちに全く収拾がつかず、結局一晩実家に泊って行ったのだ。

怒りの分析

怒りを感じた”瞬間”を探る

さてここから、この怒りを深掘りしていきたい。

まずは、怒りを感じた”瞬間”を探していこう。
まぁ、熱が上がったという報告の文面を見た瞬間、だろう。他には…ない。

この”瞬間”は、大体複数あったりするけれど、今回はかなり分かりやすい。

次に、怒りの理由を探していこう。
ポイントは、分解することと、一次感情を意識することだ。

自分の状態を客観視する

まずは自分自身の状態を振り返ってみようと思う。

コロナ蔓延の発端が自分で、相当疲弊していた。まだまだ鼻水もだらだら。
実家の子ども仕様になっていない環境の中で、1歳児と3歳児を世話するのはかなりの苦行だった。

息子がいろんな場所からいろんなものを引っ張り出してきてそれを戻す作業に追わるし、娘はけろっとしたものの不安なのかずっとくっついてくる。

さらには、娘の食事の世話をしている時に息子から目を離し、腐りかけた芋にかじりつかせてしまったし。

甘えてくる娘にも、どうしても口調が強くなってしまい自己嫌悪。

そもそも実家を頼ったはいいけど、母一人しかいないし、その母は膝を痛めてまともに歩けないし。むしろ母の介護もやっているような…。

うん、今考えたら結構しんどかったなぁ。
まとめると、

  • 自分も病み上がりでしんどかった

  • ワンオペがしんどかった

  • 実家の状態がしんどかった

  • 自分を責める気持ちがあった

うーん。総じて言えば、誰か頼れる人にそばにいてほしかったみたいだ。というか、帰りたかったんだろうな。

娘の体調を考えて家の布団で寝かせてやりたいなんて、嘘だ。私がしんどかったから、頼れる人もいて自分が楽できる家に帰りたかったのだ。

自分が求めていたものとのギャップを探る

自分の状態から、私が求めていたものは「家に帰る」ことだった。ただ、バジさんには本当の理由を隠して帰りたいと伝えている。

それに対してバジさんからの返信が、「OK、熱が39度まであがってしまった」である。

そもそもこの返信は、帰っていいのか悪いのかが不明瞭だと思う。「OK」とはあるけれど、その後の報告はなんなのだろうか。

発熱していることは知っているのだから、報告の必要はないだろうし。わざわざ更に熱が上がったという報告をしてくるということは、休めていないからもう少し実家でがんばってくれっていうことなのか。

率直な感想を述べれば、「で?」なのである。

私の気持ちの前提は、一番は彼を休ませなければならないということだ。だって、明日会社だから。でも、それを鑑みても自分がしんどかったから帰りたかったわけで。

ん?私の今後の行動がバジさん次第という状況だったのか。

あー、分かってきたかもしれない。

泊まるとなれば腹を決めたい。これが帰りたいという思いと同時にあったんだ。私の中ではちゃんと2択で、でも帰るほうに天秤が傾いていて。

正直言えば帰りたい。でも、腹を決めたら泊まれなくはない。みたいな。

泊まるとなれば今より確実に大変になる。寝床の支度もお風呂の支度も、子どもたちを抱えながら一人でやらなくてはならないし、子どもたちがなれない布団で良く寝てくれる保証はない。朝だってきっとてんやわんやだ。

けれど、もしバジさんに休みがもっと必要なら、それが最優先。そう覚悟さえできれば、私頑張るわ、と思っていたんだ。

それなのにバジさんから帰ってきた返信には、その覚悟を決めさせるほどではない、けれど帰ってこないでほしいと匂わせるような言葉があった。

えーそうすると、ギャップというのはどうなるか。
「帰りたい、もしくは泊まるための覚悟をつくらせて」という私のニーズに対し、「本当は帰ってきてほしくないけどまぁいいよ」という夫からの回答だったわけだ。

伝えるべきだったこと

バジさんを休ませるために動いているということ
だけど正直実家の状態がきついということ
もし実家に泊るんだったら覚悟が必要だから、実家に泊る理由が欲しい
その理由はあなた次第になるから、ちゃんとバジさんからの発信で「どうしてほしいか」を言ってほしい

今回の分析の感想

あの時間、私がしんどいと感じていたことを、私自身がようやく認めてあげられた気がする。
娘に対する口調が厳しくなってしまったりすることも、本来ならバジさんに聞いてほしかったんだなぁ、と自分を客観視できた(あとからだけど)。

それだけでも、心のモヤがぱっと晴れた。なんか苦しいときって、大体自分の感情を無視している気がする。

それにしても、娘の体調を理由にして帰ろうとしていたことに関しては、自分でも「えー、私こんなに明確に嘘ついていたのか」とだいぶへこんだ。

でもこれで、私がバジさんに求めていたことも、バジさんからの反応がそれとどう違ったのかも、明確に伝えられるところまで整理できた。

実は、この時の話をまだバジさんと話し合ってはいないから、かなり時間がたってしまうけれど、この後伝えようと思う。


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