私は笑ってるように見えるだけで笑っていない
笑うのは疲れる。辛いのに無理して笑って自分の心を誤魔化してきた。過去の私です。
「笑顔は人を幸せにする」「笑顔で元気よく挨拶しよう」「笑顔溢れるチームが成功」など『笑顔』が至上主義化している傾向が見受けられるが、笑顔が本当に幸福や成功に繋がっているのでしょうか。その答えはNoでした。
私の経験談から
私は中学校の頃から、本当は笑いたくないのに、つい、癖で笑ってしまう自分がいました。そんな自分がとても嫌いでした。笑えば笑うたびに苦しくなっていったからです。周りの機嫌取りをしていたからです。
小学校の頃は無口で無表情。感情を全く表にしない子ども。そんな自分が嫌でした。自分だって人間なんだから感情はある。でも感情を出すのが恥ずかしい、本当の気持ち知られるのが怖いなど複雑な気持ちが入り混じっていました。
そんな自分が嫌で「中学校に入ったら自分を変えよう!」と思って、なるべく笑顔を振る舞いました。でも中学生活が進むにつれて、ちょっとした嫌がらせや、悪目立ちすることが増え、そんな中でも「嫌われたら友だちがいなくなるから笑っておこう」そう思っていたら、どんな時でも笑うことが癖になっていました。それは社会人になってからも変わらず、怒られた時も、苦しい時も、辛い時も、嫌な時も反射的に笑顔になってしまう自分の顔が本当に嫌いでした。
30歳を超えて、そんな自分と決別することができたのですが、キャリア相談を受けていると、かつての自分のような笑みをこぼす人が多いことに気づき始めます。何か社会的な問題が潜んでいるのではないか?気づいてないところで苦しんでいる人がたくさんいるのではないか?そう思うようになりました。顔は笑っているから、苦しみや痛みに気づかれず、孤立してしまう人。人知れずプレッシャーを感じている人。責任から逃れられず苦しんでいる人。笑顔の奥には、本当の顔が潜んでいる。そんな本当の表情に気づいてほしいメッセージを込めて生成したアートがこちらです。
なぜAIアートを使用したのか?
見えない本質に訴えかけるのにアートは効果的だと考えました。アートには答えがありません。見た人の感性や知識経験から、自分なりの答えが出てくるのです。これは同時にVTSトレーニング言にも繋がります。《直感力》《観察力》《問題発見力》《判断力》《問題解決力》《言語化能力》《傾聴力》《コミュニケーション力》などが鍛えられます。
これもアートの価値だと思います。しかも、今はAIで誰でもアートを作ることができます。AIの可能性を知って欲しい思いもあり、AIアートを使用しました。
笑顔が問題となるケース
笑顔は楽しいことや嬉しいことなどポジティブな出来事に遭遇すると現れる感情表現の1つです。しかし、ポジティブな感情を抱いていないのに笑顔を作る。これは感情を隠す行為として、心理学では「感情偽装」と呼ばれています。ポジティブな効果を出せる反面、やりすぎるとストレスの原因となります。
海外と比較すると日本人の文化的な見方もあります。ここでも同様に、度を越すと「スマイル仮面症候群」に陥るようです。そしていつしか作り笑顔が自分の笑顔だと思い込んでしまう。仮面を被っていることに気づかず。
「失笑恐怖症」という言葉も存在します。
「愛想笑い」もよく聞くフレーズです。まさか自分が愛想笑いをばら撒いてるとは思いたくないでしょう。しかし、それって愛想笑いじゃないの?と言われたらどう感じるでしょうか。
笑顔に対する疑問
営業、接客は笑顔が大事、笑顔を作ることが大事とよく言われてきました。「否定するわけではないが、そこまで大事か?」これが私の疑問でした。
笑顔がダメと言っているわけではない。笑顔を価値観の上位に位置付けする社会の風潮が気持ち悪いのです。作り笑いでも心身の健康効果があると言われたりしますが、ただ鵜呑みにするのは危険だと思っています。だから笑顔至上主義の風潮に疑問を投じます。
笑顔の本質は自然です。心の底から思わず笑みがこぼれてしまうのが、心身ともに健康効果のある笑顔なのではないでしょうか。人の表情は色々あります。真剣な表情、驚きの表情、悲しい表情、辛い表情、痛い表情、無表情、怒りの表情などなど。どれも価値ある1つの表情です。
あなたの気持ちを話せる相手
あなたは仕事をしていて心の底から笑えていますか?あなたの周りの同僚・友人・上司・社長は本当に笑っていますか?
もし、違和感を感じるなら、すぐに立ち止まってください。考えてみてください。そして相手に声をかけてあげてください。「最近、仕事大変じゃない?大丈夫?」アドバイスをする必要はありません。気遣う言葉をかけるだけでいいのです。
セラピーや薬の処方で治す情報もありますが、いちばんの特効薬は、家族や友人、仲間と感情含めたコミュニケーションを取ることです。どんな表情をしてもいい、どんな感情を出してもいい、そのままを肯定してくれる。それがどれだけ心強いか。人が支え合えば、心を癒すことはできる。
今なら、本当の笑顔を、自然な笑顔を取り戻せる。
Before it’s too late「手遅れになる前に」
次回のテーマは「真面目、誠実の復活」です。
「皆さん、真面目は、好きですか?」 本当は真面目が良いのに、どこか真面目の言葉が毛嫌いされている社会の風潮に疑問を投じる。乞うご期待。