
"リメディアルセラピー"とはなんぞや? # 02
ご訪問いただきありがとうございます!
Shioriです。
先日の【自己紹介】記事をご覧いただきました皆様ありがとうございました!
まだご覧になっていない方はそちらからご覧いただけると本日の内容に繋がりやすいかと思います。
本日は皆さんが思っているであろう、Shioriがやってる”リメディアルセラピー”ってなんぞや?ってところ、解説していきます!
《リメディアルセラピーの概要》
リメディアルセラピーはオーストラリアの治療系国家資格
リメディアルセラピーをめちゃくちゃシンプルに言うと、オイルマッサージと徒手療法を組み合わせたオーダーメイドの施術、が一番近いイメージかと思います。
まずリメディアルセラピー(Remedial therapy)を直訳すると、
リメディアル Remedial=「治療的な、救済的な、改善的な」
セラピー Therapy=「療法」
つまり、「治療的療法」という意味になります。
日本ではあはき法により「マッサージ」という言葉を用いることは出来ないのですが、オーストラリアでは「リメディアルマッサージ」の方がメジャーな言い方かな。(実際資格の名称もDiploma of Remedial massageだしね。)
なのでオーストラリアの人々はこのリメディアルセラピーを”治療目的”で施術を受けます。
Diploma(国家資格)を取得し、政府認定の協会に入っているリメディアルセラピストから受ける施術であれば、保険適用にもなります。
(クライアントが民間の健康医療保険に加入している場合)
セラピストがDiplomaを取得するまでは、まず"Certificate4 in massage therapy"という「マッサージセラピストとしての基本となる資格」を取得してから(約3ヵ月程)、Diploma of Remedial massageの資格取得に移行する(約1年程)、といった流れになります。
その間に臨床実習といって学校のクリニックで実際のお客様への施術を施す実習を200時間行うといった鬼畜な実習があるのですが、(マッサージど素人の状態で現地のクライアントの対応をする)まあ英語が聞き取れない話せないw
最初の頃はよくクライアントから厳しいお声を頂いてました。(英語速すぎて何言ってんのかわからんねん。ボソッ)
しかしこの臨床実習のおかげで私の英語スキルが爆上がりしたことは間違い無いです。
オーストラリアではどんな症状でリメディアルセラピーを受けるの?
私は専門学校在学中の1年とちょっと、現地のマッサージサロンやクリニックで働いた経験があるのですが、「五十肩(Frozon shoulder)」や「椎間板ヘルニア(Herniated discs)」、「変形性関節症(Osteoarthritis)」などの慢性的な症状から、「寝違え(sprined neck)」や「ギックリ腰(strained back)」、「捻挫(sprained)」などの急性の怪我まで様々な症状をお持ちの方がリメディアルセラピーを受けていました。
日本でいう整骨院や整体院のようなものをイメージしていただけると。
スポーツジム内のサロンで働いていた時は、「トレーニング前の調整」や「トレーニングや試合後のリカバリー」、「筋肉のカット出し」なんかで受けられる方が多かったかな。
オイルマッサージと徒手療法を組み合わせるので、運動している方やアスリートには特に需要が大きかった印象です。

なので、街中を歩けばそこら辺にリメディアルセラピーのサロンがあります。お子さんからお年寄りまで幅広い年齢層の方が訪れていました。
そして、私が日本とオーストラリアのクライアントを比べた時に一番の違いを感じるところは、オーストラリアの皆さんは「痛みや不具合が出る前に定期的に施術を受けにくる」のに対して、日本の皆さんは「痛みや症状に悩んでから施術を受けにくる」ということ。
もちろんオーストラリアでは民間健康保険適用となるのである程度負担額が減るという部分は大きいかとは思いますが、全員が全員保険を使っていたわけでもなく、実費で受けられている方も半分くらいは居た印象です。
施術価格の相場としても、60分:8,000円〜12,000円ほどなので(セラピストによって多少の幅はありますが)日本の治療院(自費診療)よりかは遥かに高いのではないかな?
そのような実態がありながらも自身の身体の為に定期的にリメディアルセラピーを受けているということは、自分の心身の健康を守るということに対しての意識の違いかな、と感じるのです。
《今後の日本におけるリメディアルセラピーの需要》
日本の国民はもっと自分の身体と心を大切にすべき
先程お伝えした様に、オーストラリアのクライアントは「痛みが出る前に、もしくは酷くなる前に」施術を受けにくる方が多かったのに対して、日本のクライアントは、どうしてそこまで我慢したの!?って思うくらい症状が慢性化している方が多い。。。
病院に行けば痛み止めや外科的な処置がすぐ受けられるという制度が国民にとっては有難いものでもあり、逆に言えば身体にとってはありがた迷惑な部分でもあると私は感じるのです。
痛みがあるからとりあえずそれを抑える、というのは、それが起きてしまった原因から目を逸らしている事と同じだと思いませんか?
痛みを我慢しろとは言いませんが、痛みが起きるということは、身体からのSOSサインなんです。

痛みというのは必ずしも構造的、機械的な出来事が原因では無いこともあって、時には心から来ることもあるんですね。
特に消化器系、呼吸器系なんかは感情とのつながりで症状が出やすいです。
緊張したり嫌なことがあったりするとお腹が緩くなる、とかね。
そういった痛み一つにとっても、"何が原因でこうなってしまったのか"と考える事ってほぼ無いかと思います。
だって痛みが取れればそれで治ったと思ってしまうから。
学校を休めない、仕事を休めない、やらなければならない事が沢山ある、からとりあえず痛みや炎症を抑えてさえくれればいい。
そんな方がほとんどなのではないでしょうか?
それを何年も何十年も繰り返していくうちに、身体は限界を迎えて悲鳴を上げる様になっていきます。
そうなってから皆さん何とかなりませんか?といって施術に来る。
正直言って、今までの"ツケ"なのでしょうがないです。身体からの小さなサインを無視してきてしまったが故の大きな叫びは一日では良くなる事はほぼありません。
なので、私の所に来てくださるお客様には、"その日から"自分の身体と心をまず第一に大切にしていただく様にお伝えしています。
ご自身では痛みや不具合が出てしまった原因まで導き出せる方はほとんどいないので、一緒に身体の反応やお話しを沢山聞きながら、身体と心をリリースしていきます。
そして、日頃からご自身でもセルフケアをしていただくようご指導させていただいてます。
これがリメディアルセラピーの醍醐味なんです。
その人の身体と心にあったアプローチの方法を数十種類の手技の中からオーダーメイドに導き出し、その時その時のベストな施術を提供する。そしてその人が本来持つ自然治癒力を高めるお手伝いをしています。

実際の施術で使う手技の例
施術に使われる手技はリメディアルセラピストのスタイルによって異なりますが、スクールでは本当に沢山の手技を習います。(スクールや年度によって多少カリキュラムは異なります)
私がスクールで学んだ中から現在の施術の中でメインで使うテクニックを挙げると、
Swedish massage(スウェディッシュマッサージ)
Deep tissue technique(ディープティシューテクニック)
Tregger point release(トリガーポイントリリース)
Myofascial release(筋筋膜リリース)
Mobilization(関節モビライゼーション)
Muscle energy technique(マッスルエナジーテクニック)
Pin & Stretches(ピン&ストレッチ)
Lymphatic drainage(リンパティックドレナージュ)
Reflexology(リフレクソロジー)
このあたりがお気に入りかな。(お気に入り多すぎ)
どのテクニックも創始者や発展国は世界各国様々ではありますが、どれが一番とか、あれよりこの方が優れているとか、そういう問題ではなく、「今日のお客さまの身体にとってベストな手技はどれかな?」と選んで適応できるフレキシブルさが好きなんです。
目的によって手技を使い分けることがポイント。
オーストラリアは移民が多い国ということもあって、このような様々な手技を取り入れた代替療法”リメディアルセラピー”が発展したとも言われています。
確かに、留学中もオーストラリアに来ているはずなのに、南米から北米、アジア圏まで様々な人種の方が街中を歩いていたのが印象的でした。
めちゃくちゃ美味しいタイ料理屋さんとか、本格的な韓国料理が揃うコリアンタウンとかもあって、よく行ってたなあ。

《私が今後もリメディアルセラピーを続ける理由》
業界のリアルと私が思うこと
昨今の日本では、どの業界でも競争社会になっているので、よくSNSでも「〇〇は効果なし!」とか、「〜よりも○倍早く治るテクニック」とか、何かしらを否定して自分を持ち上げるような見せ方が多いと思うのですが、どうでしょう?
私、こういう考えが大っ嫌いでして、「あんたに否定する権利あんのか?」って思うんですね。(否定されたことはありませんが、様々な投稿を見てて思うことです)
特に一人一人異なるお客さまの身体と日々向き合うボディーワーカーの方にとっては、正解なんてほぼないものだと思ってます。
人間の構造(解剖生理学)こそ不変の事実ではありますが、痛みや不具合が起きる原因、そしてそれを改善するための手段なんてのは、原因が明確で、職務範囲を超えずにそれに則った手技なのであれば、何だって良いと思いませんか?(もちろん間違いがあれば教えて差し上げるのが優しさだとは思いますが)
人がお客さまの為に一生懸命考えてやっている事に対して、見ず知らずの人が否定するなんて、失礼極まりない話だと思います。
お客さまと施術者の信頼関係やその日のお客さまの心理状態なんていうのも考慮すべき点になってくるので、どの手技が一番効果的かなんて誰にも分からない、というのが本当のところだと思います。
私は日々お客さまの施術を行う前に30分ほどのお時間をかけて問診をさせていただいてます。
特に初回のお客さまには丁寧に、全てをお話ししていただくくらいの勢いで聞き出します。←
かなりストレスが溜まっていて痛みが出ているような方にはオイル手技を多くして身体全体の強張り、緊張を解いていくことをメインの目的としたり、怪我や受傷機転が明確な原因がはっきりしているタイプの方には徒手療法多めで可動域改善に全振りした施術にしたり、と個々によって施術内容はガラッと変わります。
それがまたリメディアルセラピーの楽しいところでもあるんですよね。

結局はリメディアルセラピーが私には合っていた
現在私がメインで使う手技も10種類近くあるので、よく受講生さんからはどのようにしてテクニックを使い分けているんですか?とか、全部使いこなせますか?と聞かれるのですが、使えます!!笑 というか、私には必要なんです。
オイルを使う時の波の満ち引きのような心地の良いストロークも好きだし、自分が狙った箇所のアプローチから目に見える改善が出た時のあのお客さまの喜ぶ笑顔も好きだし、結局リメディアルで使うどの手技も私は大好きなんです。

解剖生理学の理論をもとに組み立てられたテクニックであれば、効果はもちろんのこと、自分がやっていて苦じゃない、楽しい!と思えることが一番だと感じます。
いくら効果があったとしても、自分自身がそれをやるのが大変、体がきつい、と思っていたらそれは必ずお客さまに伝わるのでね。
でもリメディアルセラピーはまずセラピストの身体を壊さないように設計されているので、何も大変じゃないんです。
結論、リメディアルセラピーって、めっちゃ楽しい。
なので、私はこのリメディアルセラピーを日本で普及する活動をしているし、多くのボディーワーカーさんにも引き出しの一つとして使って頂きたいと思っています。
特に日本ではまだマイナーな代替療法ですが、これから先の健康産業を見据えた時に「予防医療」となるリメディアルセラピーは必ず注目度を上げていきます。
そうなった時に1人でも多くのボディーワーカーさんがこのリメディアルをお客さまにご提供できるように。
これからも私自身のレベルアップと受講生の皆様に質の高い講座をお届けすること、そしてお客様のお身体のサポートに日々精進して参ります。
(いつも皆さん本当にありがとうございます)
それでは、思っていたよりだいぶ長くなってしまいましたが。笑
本日も最後までご覧いただきありがとうございました^^
また次回!
Shiori