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実践暗算AC/A比 トレーニング症例6【輻輳過多】の対応策

■ 輻輳過多とは

PCやスマホを見る距離は一般的に40cm前後です。眼球が内側に寄せられ2.5D(デイォプトリー)調節が入るとピント調節できます。
この時、「調節、輻輳、縮瞳」が同時に行われます。このことは近見3反応といい人間の生理的な現象です。

輻輳過多の人は、近見時(40cm)で、大きな内斜位になります。目が内側に入り過ぎるために近見時においてかなりの開散力を使います。
このような人は、近方を注視する際に、非常に疲れて近くを見ることが苦痛になります。開散力を使うため近見時の外直筋の力がポイントで、また高AC/A比のなので球面調整が有効になります。

下記の近方プリズム付加テスト(#17AB)検査が重要です。(過去記事)

■トレーニング症例6【輻輳過多】

〇データ
●#7A(自覚的屈折検査 完全矯正値)
PD(瞳孔間距離)70mm
R  S ー7.50 Cー1.00 AX90
L  S ー8.50 Cー0.75 AX90

●#8 #13B(遠方水平眼位 近方水平眼位)
遠方 1△BI(ベースイン)青ライン
近方 8△BO(ベースアウト)赤ライン

下記頭でイメージする眼図(虎の巻)
注意:PD70mm
なので下記眼図グリーン太字矢印数字「17.5△」となるので注意してください。

遠方視(青ライン)は軽度外斜位・近方視で大きな内斜位

●AC/A比 実践暗算計算方法
・17.5△+1△+8△=26.5△  
・26.5△÷2.5または(×0.4)=10.6△
AC/A比 10.6△ High

【計算解説】
PD70mm 1m(1D調節)先のものを見ると7△打ち寄せします
近方視は40cm(2.5D調節)します。そのため近方視での内よせは、17.5△になります。(7△×2.5△=17.5△)

遠方の斜位・・・1△BIです。目が安静位で、ほぼ正位から軽度の外斜位です。プラス(+)します(上記イラスト・青ライン)

近方の斜位・・・8△BOです。目が安静位になると内側に入ってしまうためプラス(+)します(上記イラスト・赤ライン)

このように組み立てAC/A比を頭の中で計算します。

■ 解説(眼位からの処方度数の考え方)

遠方斜位 1△BI(ベースイン)ほぼ正位、近方斜位 8△BO(ベースアウト)この顧客の眼位状態では近方視で大きな内斜位があり、近くを見たときに目が内側に向きすぎてしまい複視及び眼精疲労を訴える目である。

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