演奏 肩甲骨は後ろに、外にひらく
私が肩甲骨の動きに興味をもったのは、ヴァイオリン設計で、
現在の標準サイズのヴァイオリンが上達を妨げるならば、
サイズをどうすべきか、という問題から始まっている。
子供が分数ヴァイオリンだからこそ上達できるならば、
短い方が良いことは確かである。
そして、3~5歳ぐらの子供の演奏の仕方をYoutubeで見て
以下のことに気が付いた。
「子供は胸を張って演奏している」
「胸を張って演奏」を分析して「肩甲骨を後ろに引いて演奏」と解釈。
すると、不思議なことに、手首が力みにくくなる。
そして、気が付いた。
ヴァイオリン演奏の難しさは、
「肩甲骨を後ろに引いた状態で腕を前に出すこと」
だったんだと。
しかし、プロの奏者でも肩を前に出して演奏している人はいる。
そこで、選択を迫られる。
どちらを選ぶべきなのか。
私は10年間、肩甲骨を前に出して練習をしてきた。
そして、その苦労を捨てる選択をして、
新しい体の使い方に取り組んでいる。
新作ヴァイオリンは、この体の使い方に適したものにするべく
長さを標準サイズよりも40mm短くしている。
続いて、何か「気付き」を得やすい環境が作れないかを考えて、
まず、譜面を自分の目線の高さに変更してみることにした。
これまで運指の練習は、座ってしていたが、
ボウイングまで考えると、立ってやったほうがよい。
具体的には、下図のように譜面を吊り下げる
フックの位置を旧→新に高くした。
頭が前傾せずに、少し上向きぐらいがよい。
一応、クリップ作成についてものせておく。
材料は、セリアでクリップ、ダイソーでワックスコードという紐を購入。
紐を通す穴は、直径3mmのドリルで穴をあける。
プラスチックが厚いので、少し難しいかもしれない。
この譜面高さで、立って指練習とエアーボウイングをしての気付きは、
以前対策したつもりだった左手と前腕のうっ血感がまだあったこと。
肩甲骨を後ろに引いて、左手首を内転させると
どこかしらの血管を締め付けてしまうと思われる。
すぐに脳から、「肩甲骨を外にひらいてみては」とのご提案。
試してみると、この方がうっ血感が少ないことがわかった。
この「肩甲骨を外にひらく」は初めての気付きで、
先に昨日のテニスでも試してみると、
ラケットの準備からスイングが急に速くなった。
私の340gのラケットでも腕を素早く動かすことができたので、
62gの弓でも何かしら効果が期待できる。
日常生活で、あまり両腕を広げることがないが、
バレエダンサーの人はたぶん肩甲骨から
腕を広げているのだろうなあとは思う、が、
50半ばにくると、あまり良い姿勢も恥ずかしいのですよ。
脳からの提案は、
社会性についてはあまり考慮されていない。
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