ワイン裏ラベルの裏話 (スイスでワイン造ってるの? #17)
秋に収穫したブドウ、今年のヴィンテージが出始めるのが春。
試飲と商談のために3月末からスイス出張のはずでしたがコロナ蔓延で入国できずキャンセル。
出張の際にもっていくはずだったのがトップ画像のラベルシールです。(2020年4月)
届出書
輸入するワインボトルの裏には日本語で書かれたラベルシールを貼っておく必要があります。
また、事前に税関へ「表示方法届出書」*としてシール貼付したものを提出しておかなければなりません。
見本のシールには割り印も必要ですが、うっかりしていたらサインでも通してくれました。
ワインボトルの裏面に貼られている日本語のラベルは文字の大きさが決められていたり、「お酒は二十歳になってから」の文言を入れなければならなかったりと、様々な規制要件をクリアする必要がありますので、無事に受理されるとホッとします。
ワインの種類によってはアルコール度数や容量も様々なので、それに準じたものを用意しておく必要もあります。
下の写真はアルコール度数12度の750mlと13度500mlのラベルです。
手渡しが出来なかったので、今回はこのシールを郵送して生産者側で貼ってもらうことにしました。
EMSとFedEx
さて、EMS(国際スピード郵便)なら通常1週間もあればスイスに着きます。
ところが今回は、航空機の減便・運休で輸送ルートが途絶えたため大阪国際局に止まったまま動かず2週間!(泣)
1週間経ったところで「こりゃダメだ、出荷に間に合わない」と、自社航空機をもっているFedExで同じものを別に送り、無事目的地まで届けることができました。
こちらは集荷から到着まで3日ほど!
配送の経由地や経過をPCで見るたびにもう感嘆の声を上げてました(笑)
さすがお高いだけのことはあります。
予想外に経費がかさみますが背に腹は代えられぬですからね。
少しほっとしていたら、昨日になってEMSの荷物は配達不可能とのことで返送されてきてしまいました。
代替案で動いていてよかったです。
ふだんあまり気にしたことがないかもしれない裏ラベル、こんな経緯を経てペタンと貼られています。今度よく見てみてくださいね。
*酒類を輸入する者(酒類販売業者)は、保税地域から引き取る時までに、輸入する酒類の容器の見やすい箇所に、輸入者の氏名又は名称及び住所、その引取り先の所在地、容器の容量及び酒類の品目に応じ法令で定められている事項を、容易に識別することができる方法で表示しなければなりません(酒税の保全及び酒類業者組合等に関する法律 第86条の5)