絵の起源は「祈り」~ブルーピリオド~
今日は、空の雲がとにかくよかったですね。
龍が飛んだり、羽根が飛んだりしていました。
もう1ヵ月たってしまうかな、
映画「ブルーピリオド」を観てきました。
何度か書いていますが、原作は漫画で、
絵を描いたこともなかった男子が東京藝大を目指し、
合格して藝大生になってからも、
アートや自分自身と向き合うことで成長していく・・
ざっくり説明すると、そんな話です。
時間が限られた映画では、主人公矢口八虎が絵を描くことに目覚めてから大学合格を目指す過程が描かれています。
八虎が絵に興味を持つキッカケとなったのは
美術部の森先輩が描いていた天使の絵を見てから。
この「森先輩」という女の子に、原作でも私はいちばんシンパシーを感じていました。
「あなたが青く見えるなら、
りんごもうさぎの体も青くていいんだよ」
森先輩にそう言われて、
八虎は美術の授業の課題で、早朝の青い渋谷の絵を初めて描きます。
その森先輩が卒業の前に、
八虎と小さな絵を交換するために美術室で一緒に絵を描くのだけど、
そのときに言ったセリフがタイトルの言葉です。
このセリフを原作で読んだとき、琴線が震えました。
絵の起源は、祈り。
そうなんだろう、というか、
私はそれを知っている、と思いました。
映画では、このシーンがそのまま実写で再現されていて
とても嬉しかったです。
桜田ひよりが演じていて、おっとりかわいい、でも芯のある感じがよく出ていました。
彼女は、絵を持ち込んでいい推薦入試でムサビに合格するのですが、
自分は描きたいものしか描けないから、
一般入試では受かる自信は無かった・・・というのも、
すごくわかると思ったのですね。
(このセリフは原作だけだったかも?)
それにしても公開前から思っていたのは、
イメージの合うキャストをよく揃えたな、ということ。
人によって感覚は違うのかもしれないけど、私はそれぞれがしっくりきました。
特に、女装男子の「ユカちゃん」。
あゆかわりゅうじ、だから、ユカちゃん。
この女装男子を高橋文哉が演じていて、もともと顔は可愛いけれど、
メイクのおかげもあって、本当にかわいかった。
八虎と海のそばの民宿に泊まって、
夜、それぞれ自分のセルフヌードを描くというシーンがあるのだけど、
ユカちゃんは、足が細くてお尻が綺麗で、ほんとに女の子みたいだったー。
原作も読んでしみじみ思ったのは、
絵を描くということは、
はじめは見たものを上手に描くという技術面の練習だろうけれど、
その後はいやでも自分と徹底的に向き合うことになり、
もし私が、まだまだ自己価値観が低かった10代で美大なんか目指していたら、メンタル病んでたかも、と思いました。
原作は10巻まで読んで、止まっています。
読んでいると美術についても勉強になるので、
またぼちぼち読み始めようかな。
映画は配信になったらまた、もう一度観たいと思っています。