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抗アレルギー薬の困り事"インペアード・パフォーマンス"

要約
抗アレルギー薬服用に伴い生じる眠気。海外の報告によると、日中の労働災害の原因薬の第一位になっているほど身近に起こり得ます。今回はこのインペアード・パフォーマンスについて解説します。


皆さんは抗アレルギー薬を服用して眠気を感じた経験は有りませんか?

このことはご存知の方も多いと思いますが、実はそれ以外にも、日常生活に影響を来してしまう可能性が考えられています。


そこで今回は『インペアード・パフォーマンス』に関するお話です。

インペアード・パフォーマンスとは

抗アレルギー薬は、脳内の中枢神経のヒスタミンという物質の働きを抑え、アレルギー症状を緩和させる薬剤で、花粉症や蕁麻疹などの治療に欠かせません。

しかし、ヒスタミンは覚醒・記憶・認知能力に関わるため、抗アレルギー薬服用に伴って、傾眠・記憶力・認知力の低下を生じることがあります。

これらの症状が日中に生じた場合、仕事や勉強の能力・能率の低下に繋がります。

このような本人も気づいていない能力低下を”インペアード・パフォーマンス”といいます。

※海外の報告では、日中の労働災害の原因薬の第一位になっているほど誰にでも起こり得る(催眠鎮静薬よりも多い)。

対策

多くの抗アレルギー薬が服用後4〜6時間で効果がなくなり始めますが、ものによっては効果が12時間以上持続するため、生活に支障が生じやすくなります。服用タイミングを逆算して決定するなど医師、薬剤師に相談してください。

また、これらの薬剤は市販薬でも鼻水を抑える薬として含まれているので薬剤師、登録販売者に相談しましょう。

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