苔テラリウムのカビ・虫・病気とその対策
こんにちは。苔テラリウム専門店Vesmir の くら です。
苔テラリウムの講座や、オンラインショップで販売をしています。苔に興味がありましたらウェブページをぜひ覗いてみてください。
前回からはじまった苔テラリウムの基本についてシリーズ。
苔テラリウムの基本① 苔テラリウムの水やりとお手入れ方法は こちら から
育て方がわからない時などに参考にしてください。本日は 苔テラリウムのカビ・虫・病気とその対策 についてです。
人気の苔テラリウム。ググればテラリウムのカビ予防・対策の記事もいくらでも出てくると思うので、こちらでは私なりのやり方とカビへの思いを書いていきたいと思います。
苔テラリウムの基本②
苔テラリウムのカビ・虫・病気とその対策
小さな手乗りサイズのテラリウムでできる予防と対策
苔テラリウムの育成は比較的簡単ですが、カビの問題に悩まされている方も多いと思います。特に湿度が上がる梅雨の時期などは油断なりません。
梅雨じゃなくても、油断するとあれっ。苔が白く変色してる?苔にクモの巣のような白い糸が?
同じ部屋に置いていても、あれ、こっちのグラスは大丈夫なのに、こっちにはカビが生えてる。。とか。湿度と気温が高ければ高いほどカビの繁殖スピードは速くなるので、すぐに対応しましょう。
テラリウムを置いてる場所や季節など環境要因だけじゃなくて、苔自体の強さや植え付け方でも苔の健康に差が出ます。植え付け方や剪定についてはこちら(リンク)
カビ・害虫の予防
ヒバオイルなどを霧吹きの水に数滴まぜると、カビ予防になります。
オイルで予防、薬品で対策
まずは苔についている土と、葉っぱ、枝などのゴミも手で取り除きます。そして水洗い。
私は植え付けの前に、オイルを含ませた水で苔をよく洗い、半日くらいオイル水に浸します。
最初から薬を使うと、植え付け時に手で触るのが気になります。ビニールの手袋をするのなら初めから薬を使ってしまっても良いと思います。
オイルは薬品ほどの威力はないものの、確実に苔の健やかな成長に一役かっています。
苔テラリウムに向いている精油
ヒバオイルとは別に私が普段使っているのは、ニームオイルです。
バラや園芸全般に農薬の代用として使えるということで今注目されているニームオイルですが、苔にも有効です。葉の変色もないというので私が好んで使ってるのはジックニーム。こちらも水霧吹きにまぜて使います。
出始めのカビ菌なら殺菌できます。即効性はないし、使い続けないと効果は持続しないものの、虫の生殖能力も弱める効果があるそうです。ただ虫の卵には効果が出にくいと感じます。ピンセットで摘めるくらい大きくなっている虫は、取り除いてしまった方が早いかもしれません。
お気に入りの苔農家さん、苔専門店を見つける
仕入れの際に、適当な場所から苔を仕入れると、カビ菌や虫がもれなくくっついてきます。
特に趣味でアマゾンやメルカリで販売している苔は(趣味でもちゃんとした苔を売っている方もいます)外から採取してきた苔や、カビ菌が繁殖している苔などもあるので、少し注意して購入しましょう。
どんなにしっかりした苔専門店でも、コバエは発生する
これは、私の経験ですが、苔テラリウム界の大手と言われる(?)ほどの専門店さんから、苔を購入しても、コバエは発生しています。宅配が届いて、パックを開けたとたん、コバエ飛び立つ!ということが何度もありました。
2つの会社からとり寄せてますが、どちらもコバエは発生するし、蛾の幼虫も発生したことあります。
苔専門店では、苔を水洗いして発送してますが、薬品で完全に虫除去しているわけではないため、そこは仕方がないのです。
それでも最初から色が悪い苔が届いた、カビがついた苔が届いた、ということはないので、やっぱり、しっかりした苔専門店さんを選びたいものです。
ライトでカビ対策
またオイルスプレーの他に、十分な日光(またはLEDライト)を当てることでカビ予防になっていると感じます。直射日光や強すぎるライトは苔が干からびて枯れてしまいますが、苔もある程度の光が必要です。苔の置き場所の記事はこちら(リンク)
カビが広がってしまった時の対策
カビがすでに広がってしまった時には、オイルで霧吹きでも防ぎきれません。そんな場合は、苔を全採りして、水洗い→オイル漬けを、毎日繰り返します。とにかくこれ以上カビが広がらないようにケア。白くなってしまった部分は戻らないので、切り捨てます。
そして容器の方もカビの胞子が蔓延しているので、アルコール(無水エタノールを水で薄めたもの)で除菌します。ガラス部をアルコールを染み込ませたティッシュや清潔な布で拭きます。アルコール除菌スプレーの作り方はこちら(リンク)
濡れた土もカビの巣です。汚れた水は取り除いて、そのあとひたひたになるくらいアルコールを注ぎます。苔にアルコールがかかると枯れてしまうので、苔は全部取り除いてください。
これは成形したテラリウムを崩さずに復活させるための除菌方法ですが、一番いいのは解体して完全に除菌、乾燥させることだと思います。
以上私なりのカビ・病気・害虫の予防と対策でした。
苔との日々は、続く。
vesmirjp.com
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