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オンライン展覧会―これが今の私です

先日、オンライン展覧会をしました。
その時に完成できなかったものと、その後も描き続けた分が揃いました。ぜひ、私の絵を見ていってほしいです。
絵を描く人にとって、絵を見てくれるということはとても大きな意味を持ちます。


ここでは絵の販売もしますが、単なる販売の場ではなく、私の表現だけの場でもなく、皆さんが自由に感じてもらえる場になればいいと思っています。

絵に人生かけて描いてます。ちらっと覗いていくだけで構いません。
お時間を少しでもいただければうれしいです。


つまらないモノをあえて描く


つまらないものを描いています。
謙遜しているのではなく、絵のモデルがつまらないものなのです。
りんごとレモン。何の変哲もないその辺で買った果実なのです。


どうしてそんなものをわざわざ描いているのか。くわしくは前回の展覧会でお話ししていますのでぜひご覧ください。


それでは、つまらないモノをいかに面白いモノにできたか、という世界線で戦っている私の作品を8点見ていってください。よろしくお願いいたします。


個展『つまらないモノ』vol.2

作家:微熱


りんごとレモンを描くことにした。
ありふれた果物で、特別な意味はない。

でも、目の前に置いてじっと見ていると、不思議と飽きない。
何度描いても、かならずいつも表情が違う。
好きな人とデートを重ねるように、会うたびに側面が見えてくるのが楽しい。


表面のざらつきや光の反射、影の輪郭。見れば見るほど「つまらない」はずのものが、少しずつ面白くなってくる。

世の中には、派手で刺激的なものがあふれている。演出されている。
でも、そういうものばかり見ていると、何でもないものの良さがわからなくなる。
だから私は、わざわざ「つまらないもの」を描いてみているのだ。


描いていると、私が見える。
いま、この瞬間にいる私がだんだん見えてくる。

これが今のわたしなんだ、って思える瞬間がある。

あなたも、この果実のなかに、あなたの姿を見るはずです。何の変哲もないモノの中に、どんなあなたが見つかるのか。考えるとわくわくしませんか。


この展覧会は、そんな絵の集まりです。
何も考えずに眺めてみてください。私も何も考えずに描いています。


最近、おもしろいことないな。
なんとなくつまらないな。

そう感じているあなたにこそ見てほしい作品群です。


『赤いレモン』24*37㎝
水彩絵の具、ソフトパステル、水彩紙
6000円

1回目の展覧会を終え、少ししたある朝。
目覚めてからふと、赤が見たくなりました。

赤だ。赤。もう決まりだ。

そういう気持ちで描き始めました。
赤と言えば、りんごかもしれません。でも、数か月間、レモンとりんごとにらめっこしてきた私には、赤と言えばレモンでした。レモンの方がなぜ赤いのか。


それは、探すからです。りんごはもともと赤いと決めつけます。決めてかかって、赤い色をなんの躊躇もなく持つのです。レモンは違います。黄色ときまっているから、赤は探さなくては見つからない。


だから、汗をかきながら、目を剝きながら一生懸命になって色を探します。この作業が面白くてたまらないのです。あなたもレモンを見てみてください。赤がみえますか。きっと見えますよ。レモンは黄色、と決めてしまわないで、よく赤と友達になってみてください。

このレモンのタイトルは『赤いレモン』ですが、別名は『黄色になりたがらないレモン』です。他のレモンのように、黄色のままではいられない。黄色ばかりだと思われたくないのです。



『白いレモン』27*38㎝
ソフトパステル、ニューTMKポスター画用紙
6000円 Sold out 

『赤いレモン』のモデルをそのまま半分に切って描いてみました。

実は、このレモンにたどり着くまでに60枚を超えたレモンを描いています。ドローイング、デッサン。様々に色や画材を変えて試して、最後は少しつるつるしたシンプルなポスター画用紙に描いたこのレモンで落ち着きました。


この日は寒波の間にたまたまお日様がのぞいた、とても明るい日でした。
テーブルを窓辺において、わざと光を強く当てたのです。
レモンはハレーションを起こし、黄色さえも見えなくなる。やはりこれも、黄色を帯びていたくないようでした。


しかしこのレモンの場合は、自分から、このようになっていったのです。私はわざと、白を探したわけじゃない。
赤の時ほど、ほかの色を求めなくても、自分から白になって別の色味をみせてくれた。とても素直なレモンでした。


『レモンとガーゼ』33*34㎝
水彩絵の具、ソフトパステル、色鉛筆、水彩紙
6000円 Sold out


今回、私が最も好きな絵です。
心から、納得いく出来栄えになりました。

(自画自賛かもしれませんが、この絵はこんな写真よりもずっとずっといいです。手に取っていただければ驚くと思います)

こういうことはなかなかないので、自分でも驚いています。

この絵は、何度も捨てようと思って、描いては消し、また描いては消し、としているうちに、紙の表面が劣化してしまい、ぼろぼろと剥がれてくるようになりました。


紙を補強する溶剤をぬり、また復活させましたが、心身ともに疲れてもう描きたくない、と筆を放り投げて眺めていました。


すると、数日間で乾いたその溶剤が、紙の中に浸透していた色を浮き上がらせてくれました。私は、その色に沿うようにして、色鉛筆でデリケートな線を少しずつ重ねました。よく、偉大な画家や小説家が、傑作は自ら完成していくというようなことを言いますが、本当に、勝手に完成していったという稀な例です。


皿の上に柔らかなガーゼを敷き詰めて、レモンを2つ置いただけのモチーフ。そんなつまらないモノがこんなにも私の心を満たしてくれるとは思いませんでした。見ているだけでうれしい作品です。



次の4点とくにモデルに近づいて、親和性を高めるために描いたものたちです。
時間帯を変えて、りんごやレモンがどのように表情を変えるのか見てみようと思い数枚描きました。そのうちの気に入った4枚を選び載せてみます。


つまらないモノ、なんて突き放した言い方をしながらも、絵を描くためにみつめていると、こうした自然のめぐみを感じる気持ちよさと尊敬の念が生まれてきます。



『早朝のりんご』26.5*19.5㎝
ソフトパステル、水彩紙
4000円 Sold out

青い影が印象的な絵です
りんごは赤、と決めてしまいがちだけど、青もかなり入っています。よくみないと気づかないけれど、よく見れば嫌というほど見えてきます。それが色な気がします。



『晴れた日のりんご』26.5*19.5㎝
ソフトパステル、水彩紙
4000円 Sold out

とてもカラッと晴れた日、今日は描きたいぞ!と思って思い切って。
りんごを横に転がして、お尻の少し黄色いところを日にあててみました。

すごく気に入っている一枚です。


『朝のレモン』26.5*19.5㎝
ソフトパステル、水彩紙
4000円

レモンがある日、おもちゃみたいに見えたのを覚えています。何かパズルのように組み合わさっているもののように。
料理に使うときはあんなに邪魔な種も、描くとなるととてもかわいらしく、もっと描きたい!となります。不思議。ここも、青い影が落ちました。


『午後のりんご』26.5*19.5㎝
ソフトパステル、水彩紙
4000円

午後のりんごはわたしのお気に入りです。すごくきれいな色と落ち着きを放ちます。何か話を聞いてくれるような気になるのです。
次ももう一枚、またもう一枚描きたい、となってしまう、魅力的な表情を持った女性みたいです。


今回のオンライン個展は、以上です。
なにか好きな絵はみつかりましたか。


ここにある絵はすべて一点ものです。コピー品やグッズ販売はありません。絵を見て「この子、好きかも」と思ったら、ぜひ迎えてください。
私にとっても、ものすごく励みになります。


販売について


購入方法
・表示価格+送料(住所と配送方法により変動します)
・購入方法:こちらにDMをください
・支払い方法:銀行振込または3月のイベントにて直接お支払い
・配送方法:ゆうパック、書き留めなどを主に利用していますが、その他のオプションも受け付けますのでご相談ください。

海外在住の方へ
配送料が非常に高くなってしまうことがあります。①ご実家に送る②帰国に合わせて発送する③航空便を利用する など工夫いたします。ご相談ください。


ご検討をどうぞよろしくお願いいたしますm(__)m



読者の方へお礼


さて。2回目のオンライン展覧会もこれで終わりです。
最後まで読み、絵を見てくださって本当にどうもありがとうございました。


最後に、記事にそれぞれの絵を載せた時に「すき」とコメントくださったりDMで「頑張ってね」と励ましてくださった方々、本当にありがとうございました。


また1回目の展覧会では、5名もの方が私の絵をお迎えに来てくださいました。本当に言葉に表せないほど感動し、これからももっともっとよい絵を残していこうと背筋が伸びる思いでした。



こうした支えのなかで、今回の新たな8枚と2枚に出会えたと思っています。次は猫、そしてもっと果実を深めていけるようなテーマ性を掘り下げていきたいと思っています。


買うことはなくても、感想だけでもDMやコメント欄でいただけたら嬉しいです。
あらためて、本当にありがとうございました。


これからもどうぞ応援をよろしくお願いいたします。


微熱


🍄


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