WOWOWドラマ~三浦春馬さん「ダイイング・アイ」感想(ネタバレなし)
三浦春馬さんがバーテンダー役としてシェイカーを振ることだけはYouTubeにある予告編で知っていた。昨夜のWOWOW全話一挙放送のおかげで、また「はじめまして」の春馬さんに出会った。
つくづく思うのだが、本当に所作が美しい。
すっと伸びた背筋の美しさはもちろんのこと。シェイカーを振る様は、プロに勝るとも劣らぬ。軽やかなリズムと佇まい。そっとグラスにカクテルを注ぐ、その間合い。一連の動作から手元のアップ画面に切り替わる。指先一本一本まで研ぎ澄まされていて息をのんだ。本職のバーテンダーの所作を隅々まで研究しつくしたうえで、自分の役に落とし込んでいったのだろう。
内面に複雑な闇を抱えた難解な役がとてもよく似合う。多くの出演作がありながらも、それぞれの作品で全く別人の表情を魅せる。
本当に努力の人だ。
ここに生瀬勝久さんが登場するので作品にグッと深みが増す。このリンクにある記事にもあるように、春馬さんの出世作ドラマ『14才の母』から遺作となった映画『天外者』でも御二人は共演されている。不思議な運命。生瀬さんは何を思いながら春馬さんの演技を受けとめていたのだろう。
本作品、人気ミュージカル俳優・柿澤勇人さんがそのスターオーラをふっと消して出演しているのにも驚いた。同世代の役者として撮影期間中どんなことを語り合ったのだろう。春馬さんにもこれからどんどん舞台の難役に挑戦していくつもりだったろう。30代、40代、50代…。
作品の中に色褪せることなく生き続ける三浦春馬さん。まだどこかで次回出演作の役作りに励んでいるのではないかとさえ思う。
見応えのあるドラマだった。
※ネタバレは書かないかわりに、この作品のイメージをcanvaで作成。
【過去のnoteより】
あれから1年が経とうとしている。