
映画「椿の庭」と5R
ずっと気になっていた映画「椿の庭」を鑑賞しました。
気になっていた理由は、古民家が舞台であることや高齢女性が主人公であったことです。
舞台は、葉山の海を見下ろす坂の上の古民家。
冬には椿、春には藤、初夏には紫陽花など四季折々の花が咲く手入れの行き届いた庭。
主人公は、長年連れ添った夫を亡くした高齢の女性・絹子。
彼女は、長女の忘れ形見である孫娘・渚と暮らしていました。
そんなある日、絹子に一本の電話が入り、平穏な暮らしにさざ波が起こります・・・
この映画の魅力は徹底した「静の美しさ」ではないでしょうか。
ゆっくりと息を吐くような台詞。
絹子役の富司純子さんご自身の美しさはもとより、凛とした所作や佇まいからくる品の良さ。
また、舞台となった古民家の縁側のある風景や、大切に磨きこんだ家具や調度品。
廊下のきしむ音すらも心地よいBGMに感じました。
そんな美しく穏やかな生活に水を差したのは相続税という現実。
たくさんの思い出が詰まった家と暮らしを続けることの難しさ・・・
経済がもたらす環境負荷が問題となり、モノを大事に丁寧に暮らすことが見直されているにもかかわらず、それが困難であるという現状・・・
ゆえに、こうした現状を少しづつでも変えていくことが環境にも人にも優しい未来があると確信します。
ちなみに、モノを大事に丁寧に暮らす「5R」。
このことはすでに江戸期で実現されていました。
※5Rとは、Reduce(リデュース)、Reuse(リユース)、Repair(リペア)、Return(リターン)、Recycle(リサイクル)の略で、ごみの発生を少なくすること、モノを繰り返し長く使うこと、ごみの再利用、ごみの元になるものを買わない、モノは修理して使うということ。
そんな「江戸期の暮らし」を学び、現代に活かしていきたいですね。
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