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ツインレイ?の記録46

10月3日

この日は彼の家庭教師である学生が家に遊びに来た。

彼のアドバイスのおかげで仲直りができた学生だ。

私は自分がどのようなタイプが好きかと考えたことはなかったが、この時はっきり彼のような人だとわかったのだ。

自分の気持ちに寄り添ってくれる人が確かに好きだ。
だけどそれだけじゃ自分はダメで、自分にはない角度で物事を見てくれる人、その見方によってさらに自分の視野が広がり、問題解決や進歩や発展があることを望んでいる。
ただ共感してくれるだけの人ではつまらない。
彼のように共感しつつも自分の意見や見方をしっかりと伝えてくれる人が好きなのだ。

そして自分が何より嫌いなのはずるくて姑息な人間だ。
それは私の元夫のようなタイプで、難しい言い回しで相手を煙に巻いたり、すぐ逃げるタイプは大嫌いだった。

ところがだ。

あるショックな出来事が起こる。

10月1日の日に私は彼に次の日に地元の高校生たちが来るからカレーを食べに来ないかと連絡している。

10月2日の11時ごろ彼から返事がきている。
しかしカレーに来るか来ないかの返事ではない。
ただ連休は観光地の山に行く予定だということだった。
だから私はきっとそれでカレーに来れないんだろうと解釈した。

しかし、実際、同じ時間帯で、彼は私の学生に連絡している。彼に現地の言語を教えている学生だ。この時、私はこの学生と喧嘩をしていたので、そのことは知らなかった。しかし、3日の日に遊びに来ていた学生から、2日に彼から連絡がきて、本当はその日にレッスンができないかと言われたということだった。

つまり、どういうことかというと、彼は私が絶対に参加できない予定がある日にまたしてもレッスンを入れたということである。
私が参加できないように。

しかも、2日にレッスンを希望したということは、そもそもこの日は空いているということだ。まあ、その空いた予定に何をするかは本人の自由なのだが、なぜはっきり「カレーはいけません、用事があります」と伝えてこないのか。

さらには、これ幸いとばかりに私の学生に連絡をとって、レッスンのスケジュールを入れようとしているのか。

しかも学生にその連絡をして打ち合わせいていたのは私が連絡をとっていた同じ時間帯。2日かの11時頃だ。

私はこれがどうしても許せなかった。
陰でこそこそ私を除外する予定を組んで、私には熱心にアドバイスをしてきて、その実、蔑ろにしていると思った。

前回のレッスンの時も、彼の部下のレッスン日に新しい学生を紹介するため私も参加だったのを知った上で彼は同じ日に学生を誘い、二人だけで食事に行った。

だけどそれは故意に私を除外するつもりでしたことではないだろうと思うようにした。

でも二度も続けば故意だ。

しかも学生が言うには、二人で会った時に彼は

「先生がいると二人で話せないし、自分にとっては19歳のこの国の若者と話せるいい機会だから、もっと君と話がしたいんだ」

と言ったらしい。

この学生が女子だったら、完全に下心があると言ったところだが、この学生は男子だし、その本人も彼の行動はよくわからないと言っている。

それに、本当にこの学生のことを知りたいならば、親しくて打ち解けている私が一緒のほうが学生は素が出る。学生は彼と二人きりだと何を話していいかわからないし、いまいち何を考えているかわからないと警戒しているのだ。

何よりこの学生は私の料理を食べるのを楽しみにしているし、レッスンの日は私の家で食事をするのが恒例だった。

さらにいえば、以前は彼もレッスンは私の家を選んでいた。

それなのにこの学生には「今後はホテルの会議室で勉強したい」と言ったらしい。

完全に私を除外する気だった。

理由として考えられるのは、以前私が家でごはんの準備をしていたのに、彼が突然その日は外食にしようと言い出したので、それならそれで次からは早めに言ってほしいと私が言ったことを気にしているということだ。

その時の彼の返事は、いつも食事を作ってもらって甘えていたという反省だった。はっきりいってそんなことじゃない。ただ、買い物や料理の時間もあるから、外食にするなら早く言ってほしいというそれだけのことだ。

ましてやもう二人きりで私の部屋でご飯を食べることはしない彼と一緒に家でごはんを食べれる数少ない機会なのだ。私にとっては貴重な大切な時間だ。

はっきりいって彼はワンマンだし、独善的でプライドが高いところがある。
人に何か言われるのは嫌だし、自分のやり方は曲げない頑固さもある。

20代の頃から管理職で会社では完璧と言われている彼にあれこれ注意する人なんていないだろうし、奥さんは三人の子どもの世話でいちいち旦那の教育なんてしてられなかったのかもしれない。

私はなるべく自分がされて嫌だったことは伝えるようにしていたが、彼は人に何か言われたってことだけが残るタイプのようにも思えるし、その後改めてくるといっても、それは相手への気遣いではなく、二度と言われたくないというのが強く、そのための回避のための行動を強化しているだけのように思える。

いずれにしても、私としっかり向き合ってくれない彼に腹が立っていた。
それは、ツインレイとかもはや関係なく、一人の人間としてそういう態度が本当にもう嫌だった。

一番腹が立つのは、そんな彼をずっと許して、ぞんざいな扱いもされるがまま、自分で自分を守って大事にできなかったことだ。

もはやツインレイなんかじゃないと思うのは、彼といっしょにいる自分が本当に嫌いだということだ。ちっとも自分らしくいられない。彼の態度にキレることもできない。私は本来相手が誰であっても、腹が立てば怒るし、失礼な言動は絶対に許さないし、媚びを売ったり機嫌をとるなんてことは絶対にしない。

だから彼に対して自分が立場が弱く、好かれるようにふるまおうとしていた時点で、私は私が大嫌いだった。

ただ、私はどこかで知っていた。

私が私らしく言いたいことを言ってぶつかっていけば、絶対にこの人とは激しく衝突するだろうし、喧嘩になってしまうと。

そしてプライドの高いこの人は、きっと私を許さないだろうし、二度と関わることもないだろうと。

彼の私へのぞんざいさは無自覚なのか故意かは関係なく私を傷つけている。

そもそも、友だちでも家族でも「カレー食べるか」と聞いてるなら、まず食べるか食べないかぐらい返事しろと思うし、こそこそ姑息な真似をしないで、「今後は授業に参加しないでください」と言えばいい。そこまで私が疎ましいなら!

そのくせ私と二人で食事には行こうとする。
それとももはやそれも社交辞令なのか?

わからない。

もしかしたら、私が彼を好きな態度が見え見えで第三者がいることで変に誤解をされたくないからという保身なのか。

そうなると私のことは嫌いではないということになるけど、もうわからない。もう疲れた。彼のことで一喜一憂するのが疲れた。

とにかく私は傷ついていた。

自分が好きになった人が、私の大嫌いな姑息な人間だなんて思いたくもない。

考えてみたらいつもいつも彼の都合だ。私は合わせてばかりだった。
既読無視も平気でされたし、質問には答えてもらえないし、それはどんどん普通で当たり前になって、抗議しても「慣れたから」で済まされ、それでも許して、呼ばれたらすぐ会いに行って、そんな自分が本当に本当に嫌になっていた。

なぜ社交辞令でもできることが私に対してはできないのか。
私なら何をしてもいいと思っているのか。
感謝やお礼を伝えても無視。
気遣いの鬼の彼なのだから他の人になら絶対にそうしないだろう。

自分は既婚者だからとか関係ないだろう。
それとも自分を好きになった女はゴミで家庭を脅かすゴキブリで普通に人に接する礼儀やマナーすらいら必要ないってこと?
そもそも何も考えてないんだろう。

小さくて細かい傷でもはや私の心は傷だらけだ。

連休の四日目は一日中何もできずにずっと泣いていた。
YouTubeでブッダの教えを聞いても心静まらない。
もともと私の心は静まることを求めていない。
暴走するインナーチャイルドが私の感情を無視しないでと泣き叫んでいた。

そして私は絵を描き出した。
さらにはショート動画まで作り出した。
もともと昔から一人で音楽も歌詞も小説も作っていた。
創作は私のコアな部分で、私にとっては瞑想だった。

このショート動画作りはなかなかよかった。
昔打ち込みで音楽をやっていた時のようで、没頭できるし無心になれる。

気づけばほとんど飲まず食わず、20時間ぶっ通しで朝の5時まで動画作成をしていた。

創り上げた時には、暴走していた感情もだいぶ昇華していた。

不思議だ。

彼はいつも私の感情を強く揺さぶり、そして私を創作へと向かわせる。
彼が既婚者だから気持ちをぶつけてはいけないということで、何か解消できるものをと絵を描きだし、この記録をつけだし、挙句の果てはショート動画まで作った。

思えば今は異国で日本語教師をしているが、そもそもこの仕事に就いたのも外国で暮らしているのも、創作につぎ込める時間が多いからだ。

そのことを忘れて、日々の生活と楽しさでなんとなく時間を過ごしていたが、彼に出会ってから私は原点回帰している。

この数年誰にもできなかったことだ。
インナーチャイルドと向き合わせること、創作のエネルギーを蘇らせること、新作を創ること。

もう私はツインレイ動画とかも観ていない。

彼がツインレイだろうがソウルメイトだろうがカルマメイトだろうが何でもいい。

ただはっきりしているのは、こんなに腹が立って傷ついて泣いても、私は元旦那のようには彼を嫌いにはなれないのだ。
姑息で逃げて保身に走るところがあったとしても、元旦那のように失望しきれない何かがある。

ただもう無理をするのはやめようと思っている。
このまま連絡がこなければそれまでだし、もし連絡が来たら会えるようなら会うけど、もし会ったらやはり思ってることは言いたい。腹が立ったということを。そうしたらまた言い負かされるだろうが、それでも私は私のためにもう引かない。私が私を庇うし守るために闘う。

そしてこのまま彼が逃げ切ってもう会わなくなるならばそれでいい。
偽ツインレイだったとわかるだけだ。
本物だとしてももうごめんだ。もう傷つけられたくない。

だけど、その反面、私は感情を揺さぶられたくて、傷つけられてもかまわないとすら思っている。そうしたら、私はまた創作のエネルギーを得て、自分でも予想もしない作品を創ることができる。

彼はいつも私に「素直で正面から相手に向かっていく」と言っていた。
それが良いとか悪いとかは言われたことはないけれど、彼自身そうはしないんだろう。回避が得意な人だし。

私をうまく回避できたとでも思っているんだろうか。
私が仲良くしている学生が何でも私に報告してるのに?
今回の裏でやってることも私にバレてないとでも思ったのだろうか。
もし私をはっきり拒絶して傷つけたくないと思ったのだとしても、実際私はものすごく傷ついている。

仕事はできるかもしれないけれど、不器用な人だと思う。
私の前ではちっとも完璧ではなかった。

なんでこんな人好きなんだろうとまで思うようになっていた。
でも本当のこの人はきっと愛情深くて繊細で優しい人なんじゃないかと思える。
私に態度がひどくても、冷たくてもそっけなくても、それでも二人で会おうとしたたくさんの矛盾。

必ずくれたおみやげも、私がリップをなぜくれたのか聞いた時に他の人のついでみたいな言い方をされて「余りものか」と言ったら「そう思うなら思っていい」と少し怒って、それからはもうおみやげもくれなくなった。

大人というのは大人ぶるのがうまい人のことかもしれない。

本当の彼はもっと自由な人なんじゃないかって思う。
社会に適応するために、家族のために、社会人としてどう振舞うかを身につけて、鎧を幾重にも身にまとって、自分を騙して生きている。

それが最終的に私が彼に抱いた印象だ。

完璧で成熟した男性を好きになれたと思ったのに、結局はそうじゃない。
将来めんどくさい昭和親父になるのは間違いないだろうなとも思ってる。

結局こんな嫌な気持ちをしたまま終わるのだろうか。
どうせ会えなくなるなら、最後に思い切り喧嘩したかった。
まあ、品行方正で成熟した大人の振りした彼は喧嘩など絶対にしようとはしないだろう。それは身内の中だけのことなのか。じゃあ、外の人間のはずの私とあった時の数々の暴言や失言、どんどんぞんざいになるのはなぜ。そしてそんな相手でも二人でご飯に行こうと思うのはなぜ。それともそれすら自分をいい人に見せるため、大人としての振る舞いの一環なんだろうか。

もうわからない。

ただ一つ言えるのは、彼に出会わなければ、私はこんなに苦しい思いもしなかったけれども、こんなに自分としっかりと向き合うこともなかったし、そのための強さも発揮できなかったということだ。

沁みる・・・




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