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小顔美人を褒めるのか、ショートが似合うことを褒めるのか
知人が髪を切り、ロングヘアからショートヘアになった。
ミスコンに出るような小綺麗のお嬢さんである。
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ロングからショートになったことで首回りの空間がすっきりした。
ロング特有の流線的なダイナミズムと引き換えに、露出が増えた首肌の細さと釣り合いのよい小顔が納得感のあるハーモニーを奏でている。
私は褒めたいことを素直に褒める人間だ。
しかし珍しく、褒めることにためらいを覚えた。
どう褒めればよいか分からなかったからだ。
大きく2パターンの褒め文句が頭に浮かんでいた
小顔美人にはショートが似合うってよく聞きますけど、本当なんですね
ショートが似合う人は小顔美人が多いと聞きますけど、本当なんですね
である。つまり、
A=小顔美人である, B=ショートヘアが似合う とした時
A→BなのかB→Aなのか、論理の方向をどちら向きにすればよいか悩んだのだ。
どちらを選んで発言するべきだろう?
調査チーム(私だけだが)は、今回以下のフレームワークを提案することにした。
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自分が褒めたい部分と、相手が褒めてほしい部分を洗い出し、それぞれの要素が重なり合う褒め方をすればよい。
象限①と②はではB→Aを選ぶ。上の例だと 2. の褒め方だ。
そして象限③と④では、A→Bを選ぶ。さっきとは逆で 1. の褒め方だ。
これだけでは「相手が褒めてほしい箇所」の情報しか活用できていない。
そこで、
私の発言の重みに「私が褒めたい箇所」の情報を活用しよう。
つまり、ショートヘアに驚いているときは
小顔美人にはショートが似合うってよく聞きますけど、本当なんですね
ショートが似合う人は小顔美人が多いと聞きますけど、本当なんですね
という風に重みをつけて言葉を強調し、
逆に小顔美人であることを再認識した事実を際立てせたい場合には
小顔美人にはショートが似合うってよく聞きますけど、本当なんですね
ショートが似合う人は小顔美人が多いと聞きますけど、本当なんですね
とする。
ちなみにリレーション構築の観点から言えば、2. の褒め方のほうがよいと考えている。
なぜなら、相手は本来ロングでもショートでも小顔美人である。つまり小顔美人であることには髪の長さは関係ないだろう。
このとき、2. の言い方を用いれば相手がどんな髪型をしても小顔美人であることに再度フォーカスを当てることができる。そういう理由だ。