市場調査をまとめる際の注意点
こんにちは、佐々木です。
今回は市場調査を読み解くポイントというテーマでお話をしたいと思います。
前回の動画で説明したように、市場調査はマーケィングの基礎の基礎で非常に重要です。
なので、市場調査をすること自体はとても有用で意味のある事です。
ただ一方で、市場調査で得たデータの読み解き方を間違えると、マーケティング全体が大失敗してしまう可能性も大いにあります。
なので、市場調査はデータを取ることも大切ですが、その読み解き方も非常に大切です。
今回はそんな市場調査の読み説く際の注意点について解説をしていきます。
市場調査を読み解く際のポイント①:調査の元となるアンケートの聴取の仕方は適切か
これは結構、致命的なミスを起こしがちなので注意すべきポイントです。
アンケートの数字を見る際に、そもそもの聴取の仕方が適切なのかどうかは必ず確認しましょう。
例えば、「○○という悩みにお金をいくら使うか」という調査の結果があったとします。
月1万円使う人が10%いたとすれば、調査対象の年齢の10%が1万円を使うと考えますよね。
これが例えば20~60歳までの男女だった場合には約6000万人のがいて、その10%が月1万円使うので、市場のポテンシャルは6000万×10%×1万で月600億の市場になります。
ただ、ここで注意すべきなのが、
対象者が絞られている場合が良くある
ということです。
例えばこのアンケートであれば、この設問の対象者は
○○という悩みがありますか?
という前の設問で「はい」と答えた人に絞られている可能性があるのです。
そしてもし仮に、「はい」と答えた人が全体の1%しかなければ、先ほどの計算結果に1%を掛けた数字が正解となるのです。
なので、設問の対象者が誰なのかをしっかり確認した上で、アンケート結果を見ないと、その結果を信じるに足るかは怪しいのです。
あとは調査費用を節約したいがために、社内の人や、知り合いなどを使って調査をすることがあります。
もちろん調査をしないよりはマシなのですが、先ほどと同様で、調査母集団がかなり偏っているアンケートは信頼性の観点でかなり疑いがあるので、
ここはしっかり差し引いてみないといけません。
市場調査を読み解く際のポイント②:調査のN数は十分か
調査対象者の中身と同様に、数も重要になります。
例えば、「はい」と答えた人が80%です!という結果があったとして、
N数(調査の母集団の数)が5人中4人が「はい」と回答しているのと、
100人中80人が「はい」と回答しているのでは、雲泥の差があります。
なので、調査をする際には、十分な数のNで調査をすることをオススメしたいです。
ではN数はいくつとればよいのか、ですが、一般的には400サンプルがオススメと言われています。
詳細なロジックは引用元にお任せしますが、ある程度確実にやりたいなら400サンプルを取ることを私もオススメしています。
(費用を抑えたい場合でも200サンプルがギリギリだとご案内していることが多いです)
市場調査を読み解く際のポイント③:市場規模だけではなく、競合とのポジショニングはあるか
①と②はかなり基礎的なことでしたが、ここからは少し応用編です。
市場調査でよくあるのが、「その市場について調べただけ」の市場調査です。
その市場全体の市場規模、その市場の各競合の売上などを調べた市場調査です。
そして、1位のブランドがこれくらいの売上があるから、このブランドを狙いましょう、といったようなレポートはよく見かけます。
こういった市場調査は市場全体を把握するにはとても大切なのですが、
その市場でどう勝つか
という観点が抜け落ちています。
その市場でどう勝つかを考えるには市場全体の中でのポジショニングマップが必須です。
ポジショニングを作れている市場調査が真に市場調査の役割を果たしているものだと言えるので、ぜひ市場調査にはポジショニングがついているかを確認されるのをオススメしたいです。
市場調査を読み解く際のポイント④:ポジショニングに売上規模の概念はあるか
また、ポジショニングマップも作るだけではダメです。
ポジショニングマップにも必須の概念があります。
それが売上規模です。
ポジショニングマップはやや定性的な面があり、
この訴求とこの訴求が似ている、という形でグループ分けをします。
なので、出来上がったポジショニングマップは定性面からの説明が多く、
AブランドとBブランドにはない、訴求でホワイトスペースを狙いましょう!
などの着地点になることがあります。
ただ、この際に売上規模が抜け落ちていることが結構あります。
例えば、Aブランドを最重要競合とします!と言ったとして、
そのAブランドの売上規模が自分たちが思い描く売上規模になっていないことがあります。
また、市場のホワイトスペースを狙います!と言った時に、
市場のホワイトスペースには市場がない可能性もあります。
こういったことも加味した上でのポジショニングマップであるかどうかは非常に重要なので、売上の観点があるポジショニングマップかどうか、はぜひご確認されることをオススメします。
市場調査を読み解く際のポイント⑤:悩みがあるからお金を使うわけではない
これはかなり落とし穴のパターンです。
よくある、商品開発の失敗例です。
お悩みがある=お金を使うわけではない、というのはマーケターはぜひ覚えておくべきだと私は考えています。
例えば、アンケート調査で、○○という悩みはありますか?
と聞いて、「はい」と答える人が市場の8割だったとします。
そうして、「市場の8割が顧客になり得る」と思って、進めると失敗します。
なぜかというと、これは「その悩みにお金を使うか」という観点が抜けているからです。
例えばですが、疲労回復のドリンクを作ったとして、
「あなたは疲れていますか?」とアンケートをすると、ほとんどの方が「はい」と答えると思います。
ただ一方で、その疲れの解消にお金を投資している人はそこまでいないでしょうし、
さらに栄養ドリンクというソリューションを使っている人はもっと少ないかもしれません。
このように、悩みがある=市場になるというのは間違った発想です。
また、今お金を使っていないものにお金を使わせるのもかなり難易度が高いので、ここは市場の構造にあまり逆らわないようにするのがオススメです。
まとめ
今回は市場調査の読み解き方というテーマでお話をしました。
市場調査の読み解き方のポイントは
①:調査の元となるアンケートの聴取の仕方は適切か
②:調査のN数は十分か
③:市場規模だけではなく、競合とのポジショニングはあるか
④:ポジショニングに売上規模の概念はあるか
⑤:悩みがあるからお金を使うわけではない
という内容でした。
これらを意識すれば、市場調査の結果の読み解き方で失敗する可能性は大幅に減ると思います。
ただ、今回は代表的な失敗事例を記載しましたが、全てを網羅できているわけではありません。
なので、個別の市場調査についての読み解き方のご相談や、
そもそもの市場調査の設計からご相談をされたいという方は、
ぜひ下記よりお問い合わせください。
本日は以上です。
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私はベンチャー専門のマーケティングコンサル会社、株式会社Venture Oceanを経営しています。
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