マガジンのカバー画像

Vennies Essay

26
日日是好日私的所感記
運営しているクリエイター

2020年8月の記事一覧

脳天を駆ける飛行機の丘

脳天を駆ける飛行機の丘

飛行機が好きなのです。
そう思ってお盆の最中、成田に向かったのだ。
確か、ひこうきの丘というのがあったなと。

その丘は確かに広大で、飛行機を見るには良い場所だった。しかし正直、超高性能のバズーカ砲みたいなカメラか望遠鏡でもなきゃ、こりゃキツイなと口を開けてぽかーんと空を見上げるしかなかった。するとまさにそのバズーカ砲を小脇に抱えた、いかにも航空ファン風の男性が別の場所をアドバイスしてくれたのだ。

もっとみる
潮磯魚ノスタルジィ

潮磯魚ノスタルジィ

わたしは日本海を眼前にした漁村の育ちである。
そこは完全なる田舎であり、遊園地や映画館はおろか、スーパーですら車を30分も走らせなければ目にすることはできない。
家の周辺には文字通り何もなかった。
それでもいつもそこに空気の如く、わたしからの一抹の感謝も享受することなく存在していたのは、ただただ海だった。

その海の匂いは、全くもって洒落てなかった。
港町にあるそれとは全く違うし、人が集まるような

もっとみる
ニッチな合致

ニッチな合致

わたしはこのnoteとは別にブログを毎日書いているのだが、だからブログは侮れないんだよな。今そう再確認している。

日々何かしらの形で自己表現を続けていると、やがてそこに共鳴してくれる人が現れる。その登場回数や頻度に関してはブログが持つ力にも因るが、本人と読み手の思想や感性に因ることも大いにある。

その自己表現が正直なその人となりを現せば現すほど、共鳴の密度は高まる。
狭く、深く、濃く。
人に好

もっとみる
夏が似合わない女のレンズ

夏が似合わない女のレンズ

「夏って感じじゃないよね」
幾度となく、わたしは他人にこう言われてきた。事実わたしは冬生まれだし、雪の降る町で育った。しかしそうであっても、夏というイメージを醸し出す人はいるじゃないか。玄関から秒で海という家に育った。海に対する特別な想いだってある。夏が嫌いなわけでもない。むしろ、冬よりどう考えても夏。なのに、夏のイメージにあなたはそぐわないと言われる。夏にくらうは門前払い。

夏が似合う人とは?

もっとみる