吉原 紅

旅を愛するイラストレーター&デザイナー →https://www.instagram.com/veni.yoshiwara/

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マガジン

  • Traveling Veni

    至上の旅人生を生きよ

  • ベニイズム

    棘ある美学と主義主張

  • Vennies Essay

    日日是好日私的所感記

  • 紅の言の葉

    四角に収める言葉遊戯

  • Vennie World

    唯ならぬ世界観の表現

最近の記事

生命力のある言葉

なんて久しぶりの投稿。 アメブロは毎日のように更新してるけど、ここはご無沙汰だった。 それでも今こうやって書いているのは、ふと自分が今までここで書いてきたものを眺めて、我ながら「味があるじゃないの」と思ったからだ。 実はこのアクションに至るには、一つの切掛があった。 それは2017年のヨーロッパ〜モロッコ旅行の際、殴り書きで書いていたモレスキンのメモ帳。これをうっかり手に取ってしまったのだ。 それはわたしが旅の途中、ふとした隙間時間に書き殴っていたもの。大抵が移動中の膝の

    • 成熟の作法

      朝の顔 鏡が映す現実に 溜息よりも淡き微笑を 30代後半のあたりだっただろうか、朝起きたばかりの鏡の顔に失望するようになったのは。朝の眩い光の下に立つと、ありとあらゆる皮膚の粗が強調されることを知ったのもこの頃だった。 照明も同様。蛍光灯の無機質な青白い光は、多少の疲れですら猛烈な疲労に変えてしまう。だから夜の電車にいる仕事帰りの人々などは、多大なる疲労や心労を抱えているように見えるのだ。 他人のことなど言えるものか。類に漏れずわたしも、そのような疲労と心労を抱える一人だ

      • 脳天を駆ける飛行機の丘

        飛行機が好きなのです。 そう思ってお盆の最中、成田に向かったのだ。 確か、ひこうきの丘というのがあったなと。 その丘は確かに広大で、飛行機を見るには良い場所だった。しかし正直、超高性能のバズーカ砲みたいなカメラか望遠鏡でもなきゃ、こりゃキツイなと口を開けてぽかーんと空を見上げるしかなかった。するとまさにそのバズーカ砲を小脇に抱えた、いかにも航空ファン風の男性が別の場所をアドバイスしてくれたのだ。 「さくらの山がいいですよ」 ほう。それは何処に?ここから近くです、車でもう少

        • 潮磯魚ノスタルジィ

          わたしは日本海を眼前にした漁村の育ちである。 そこは完全なる田舎であり、遊園地や映画館はおろか、スーパーですら車を30分も走らせなければ目にすることはできない。 家の周辺には文字通り何もなかった。 それでもいつもそこに空気の如く、わたしからの一抹の感謝も享受することなく存在していたのは、ただただ海だった。 その海の匂いは、全くもって洒落てなかった。 港町にあるそれとは全く違うし、人が集まるようなビーチの香りでもない。 潮と磯と魚の匂い。あの匂いの構成物は、どうやってもそれら

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        記事

          ニッチな合致

          わたしはこのnoteとは別にブログを毎日書いているのだが、だからブログは侮れないんだよな。今そう再確認している。 日々何かしらの形で自己表現を続けていると、やがてそこに共鳴してくれる人が現れる。その登場回数や頻度に関してはブログが持つ力にも因るが、本人と読み手の思想や感性に因ることも大いにある。 その自己表現が正直なその人となりを現せば現すほど、共鳴の密度は高まる。 狭く、深く、濃く。 人に好まれる内容を表現した場合は広く対象が掴まるが、深度で掴むとなると、話は全く別モノ

          ニッチな合致

          夏が似合わない女のレンズ

          「夏って感じじゃないよね」 幾度となく、わたしは他人にこう言われてきた。事実わたしは冬生まれだし、雪の降る町で育った。しかしそうであっても、夏というイメージを醸し出す人はいるじゃないか。玄関から秒で海という家に育った。海に対する特別な想いだってある。夏が嫌いなわけでもない。むしろ、冬よりどう考えても夏。なのに、夏のイメージにあなたはそぐわないと言われる。夏にくらうは門前払い。 夏が似合う人とは? 明るくて開放的でおおらか。日焼けが似合う。アウトドアのイメージ。カラダを動かす

          夏が似合わない女のレンズ

          百の一瞥より一の熱視線

          見つけてくれたら御の字 一銭の得にも成りません 情も光もありゃしません 読んで得来て幸は余所へ 数多が御用をお待ちです 足並みを揃える柔はなし 浮世に馴染む意気もなし 無虜と配慮の差は大きく 頓着の有無も極端がゆえ 針に触れたなら再来あれ 百の一瞥より一の熱視線 抜き飛ばし斜の百ならば 一字一句追う一の眼差し その人格も罪も恥も枝葉 愚かな末節など百も承知

          百の一瞥より一の熱視線

          ひとかけらの視界、一瞬の感覚

          これはうまく言葉にできない感覚だ。それをわかっていながらも書く。 例えばの話、インスタグラムのたった一枚の写真を見た時にパッとわかる時もあるし、その人が書く文章のワンフレーズを読んだだけでそうなる時もある。その人が身を委ねているソファだったり、履いている靴への一見でもそれはあり得る。 この人には、とても素敵な世界がある。 わたしのそれと相通じるひとかけらだ。 やっぱりうまく表現できない。 これは感覚の話であるがゆえ、その度合いが理屈を上回れば上回るほど、適切な言葉が遠の

          ひとかけらの視界、一瞬の感覚

          黙って遠くへ往こう

          余計な言葉は口にせず 淡々と目の前のことを 熟している人への憧れ 生み出すものこそ全て 無駄口やお喋りは程々 作品がその人を代弁し 作品がその人を形作る だから口数に頼らない そういう人になりたい そういう人でありたい 誰をも崇拝せず媚びず 涙を売らず情を貰わず ただ孤高の存在であれ 其の孤独があるが故に 自由を弁えられるのだ 此処に対する粋を知り 其の美を解せる人間が ほんの少しいればいい

          黙って遠くへ往こう

          ツールと完成物は非リンク

          誰でも作れるグラフィックデザインという意味では、canvaの台頭が凄まじいですね。(少なくともわたしの周囲ではそうです) canvaがデザインというものをとても身近にしたなと思う昨今。デザイン業界にいるわけではない一般の人が、普通に見映えのするものを作っています。 それで複雑な気持ちになる時もあるのですが、このcanvaに限らずプロにわざわざ頼まなくても、大抵のものは自分でデザインできる時代になったのですよね。 それでもわたしが感じているのは、言葉を選ばずにハッキリと言えば

          ツールと完成物は非リンク

          魅力的な人々の、美しい表現を紡いだWebマガジン

          7月1日の今日、こちらのwebマガジン「Stay Salty」がアップされました。 これはALOHA DESIGNさんが制作されたwebマガジン。 そのコンセプトを一部引用させていただきました。 新型コロナウイルスの世界的な流行の余波で、いまだ人々の日々の活動に大きな影を落としています。 クリエイターやパフォーマーたちもそれは同じで、活動の場や活動の機会をいまだに失っている状態です。 それでも、その環境下においても、可能な限り魅力的な活動を継続されている人々もいますし、

          魅力的な人々の、美しい表現を紡いだWebマガジン

          あなたの世界が好きです

          ふと気づいた。そう言えば最近、褒めてもらえたことが幾度となくあったなと。 キレイだとか美しいとか、そう言った類の褒め言葉はもちろん、全ての女性にとっての美容液である。わたしだってそりゃ、言われたら小躍りするくらいには嬉しい。だけどわたしがこのところ周囲に褒めてもらえたことは、そういった見た目どうこうの話ではなかった。 「紅さんの世界が好きだわ」 「紅ワールドいいね!」 「感性が好きです」 「あなたが見ているものが好きです」 そんなフレーズを、違う人からそれぞれにいただい

          あなたの世界が好きです

          わたしは他人を見に来たんじゃない、絵を見に来たんだ

          昨日、川村記念美術館に行ってきた。 緑多き場所にある、閑静な佇まい。周囲には田んぼしかないような場所。広大な庭園と池を擁し、青々とした芝生がそこにあった。四季折々の、素朴な植物たちも。 しかし現在はコロナのために、入場に際しては予約が必須。庭園への入場は不可。美術館への入場は入替制。そのためか、開館後すぐの週末であったのに、人手はまばらだった。 おかげでわたしは、数多くの恩恵を受けることとなった。 人の少なさ。一枚の作品に対して、好きなだけ時間をそこに費やしていいほどの。

          わたしは他人を見に来たんじゃない、絵を見に来たんだ

          わたしがしないと決めていること

          1.お酒に体調を崩させること お酒は愉しむもの、笑うためのもの、距離を縮めるためのもの 2.したいお洒落を年齢や世間体で諦めること 「もう何歳だから」なんてどうでもいい、自分が身につけるものは自分で決める 3.変化のないもの、見通しのつく何かに身を委ねること この世に変化しないものなどあり得ないのだが、あえて その逆に、大事にしてることはこの3つ。

          わたしがしないと決めていること

          わたしが大事にしてること

          1. 世界が沈んだら、赤を身につける 雨の日や曇った気分にこそ、赤を差し込むこと 2. 些細なディテールに気づくことここにしかない、細やかなものをいつも探してる 3.こどもとのおやつじかん この子の好みを誰よりも熟知してるのは、このわたしなの

          わたしが大事にしてること

          見掛け倒し上等

          昔っからそうだ、見た目だけでモノを買う癖がある。癖というより性質か。 そんなわたしの今までで最も高かった買い物は、車だった。その何に惹かれたかというと、ヴィジュアルと音のみ。 その車は施錠と開錠の際、フロントライトがぱちぱちっと、まるで可愛いお目々が瞬きするかのようなリズムで点滅した。ウィンカーを出すと、これまたお茶目なサウンドが鳴った。バックする時も、抜かりのない音を出した。 車種はというと、MINIだ。 今やBMW傘下であるが、元々が英国車のMINI。本当はクラシック

          見掛け倒し上等