見出し画像

本日は無料記事!今シーズンの締めくくりとしてデモカーの前期GRヤリスをスパ西浦モーターパークにてタイムアタック!!車種別のコースレコードを54秒546まで短縮する事に成功!!!ついでにラジアルレコードと思われる数字も更新して55秒351。

寒波に覆われた日本列島。
積雪に悩まされる地方にとっては
「いい加減にして欲しい。」
と言う状況でしょうが、我々ビークルフィールドにとって
2月20日と言う日の気温が低かったのは非常にありがたい条件でした。

通常業務の合間を縫って

コツコツと1年掛けて造り上げて来たデモカーの前期GRヤリス

今回の肝は

コレ!

5000rpm以上での圧倒的なパワー維持力を誇るボルトオンターボキット!

~3500rpmまでのトルクが減る事を理由に
多くのストリートユーザーからは敬遠されてしまうのですが
このタービンが本領を発揮するのはサーキット。

これらのブラッシュアップの効果を確かめるべく

我々ビークルフィールドのホームサーキットである
スパ西浦モーターパークに赴きタイムアタックを行いました。
(まあ、勝手にそう思っているだけですが・・・)

巷ではフロントタイヤとして295サイズを履くGRヤリスも出始め
タイヤの幅を増やす事でのアドバンテージが注目され始めましたが
弊社としてはノーマルフェンダーのまま収まる
265/35-18タイヤを前後に揃えて履くスタイルを踏襲しました。

その代わりタイヤの種類としては
新品のシバSタイヤ R50
新品のシバラジアルタイヤ R31
1アタックだけに使用した中古横浜SタイヤA050
そしてそこそこ履き古した横浜ラジアルタイヤA052
の4種類を準備して行きました。

現場に到着し

積載車から車両を降ろしつつ、去年との違いをおさらいします。

サーキットでのタイム向上を目指したエンジン仕様にしているので
シフトアップの回転数が、去年とは大きく異なります。

今迄はバルブジャンプを恐れて
シフトアップを余儀なくされていたコーナーでも
2速や3速で回し切れるようになった特性を生かし
無駄のないシフト操作を念頭にどこをどう回り切るのかを入念に検討。

まずはエンジンのフィーリングチェックと言う事で

中古のA052にてコースイン。

今日の気温下でのタイヤ内圧の上がり方をよく覚えて

タイヤを中古のSタイヤ A050へとスイッチ。
このタイヤで昨年のコースレコード55秒316を抜いてくれれば・・・
と淡い期待を抱きつつコースインを見送ります。

しかし去年より大幅にパワーアップしているこの個体を
中古のA050で受け止め切れることが出来ず
去年からコンマ2秒落ちの55秒523に留まります。

やはりクルマはバランスが大切です。
受け止めるタイヤのキャパ以上の出力はタイムダウンにつながります。

ここで我々は賭けに出ました。

市販品を使った事もなく、タイヤテストに参加した訳でも無い
シバタイヤのR50と言うSタイヤへ交換し
内圧を前後異なる数字にてセット。

以前ラジアルタイヤでのタイヤテストに参加させてもらっていた時
とにかくタイヤのスイートスポットの見極めが難しかった事
を思い出しました。

一度上がった内圧を調整している間に
一番グリップする時間を通り越してしまっていた・・・。

そんな経験をしたことも思い出せていたので
内圧調整の為のピットインは必要なく、感覚的にタイヤに熱が入り
グリップが上がって来たと思ったらアタックに入ると決めてコースイン。

案の定コースイン後のかなり早い段階でグリップが立ち上がって来た様で
内圧の確認や再調整は行わずアタックラップへ

54秒546!

コントロールラインを全開のまま通過して2本目のアタックに備えます。

立体交差手前の時点では先ほどのタイムよりも
コンマ1.5秒早いペースで通過出来、これはイケるか?
と思った矢先のシケインで一気にタイヤのグリップが落ちて
横Gの数字が激減・・・。

やはりスイートスポットはかなり狭く
もう1週早くアタックに入っていてもよかったのかも。

っが結果は54秒546
去年の55秒316を大きく短縮させることが出来ました。

新品のSタイヤがエンジンパワーを完全に受け止め切って
止める曲げる加速すると言った所作に完全に対応出来るのは1週or2週。

その瞬間にすべての動作を寸分たがわぬ正確性でコントロールし
無駄なく確実にクルマを前へ前へと進ませていく。

さすがプロドライバー

さすが小河諒選手。

我々ビークルフィールドのデモカーに乗ってもらいながら
様々なフィーリングチェックや
タイムアタックに協力してもらうようになって早10年。

彼が求める物が何か?
どうすれば速く走らせてくれるのか?
お互いに気心の知れた仲なので、なんとなく彼の求める事が分かり
そして小河選手も
我々が速く走らせようとするその方法を理解してくれています。

圧倒的な速さに到達する1コーナー進入ではプロドライバーの彼にさえ
気合と根性が要る
と言わしめさせたトップスピードは184㎞/hに達し
その後1コーナーをナメるように曲がりつつ
Gをうまくいなしながら立体交差手前のコーナーを曲がる際には
横Gは1.5Gを超えています。

下りから登り勾配に変化しても加速力の衰えは見せず152㎞まで加速した後
右左のシケインを超える際は再度横Gが1.5Gオーバーへ

わずかな加速区間で1ヘア進入時には137km/hまで上げた車速を
エンドレスブレーキにて一気に落として2ヘアへ向かいます。

今迄はここで3速に上げざるを得なかったのを2速のまま踏みちぎることで
今まで一瞬横ばいになった加速グラフが奇麗な山のまま2ヘアへ進入。

2ヘア後の右コーナーは112㎞/hと言う強烈な車速のまま曲がり切り
3ヘアは最終コーナーを見据えたラインにて車速を稼ぎ
残るは床が抜けそうになるまでアクセルを踏み倒す。

これが54秒5の走りです。

Sタイヤのスイートスポットは終わったので
今度はスパ西浦モーターパークにおける
ラジアルタイヤでのコースレコード・・・と思われるタイムを崩す為

タイヤをシバタイヤのラジアルR31へと交換しアタック
サイズはもちろん4輪とも265/35-18

こちらもコースインして3週でリアタイヤの内圧が上がって来たと判断し
ラジアルタイヤでのアタックを実施し55秒351を記録。
辛うじてレコードブレイクに成功!

295を履いていたら・・・

とか

最初のアタックでR31を履いていたら・・・

と言うタラレバは嫌いです。

265/35-18と言うサイズを選んだのも我々ですし
最初のアタックはA050、次はR50と決めたのも我々です。

その結果が4輪とも265/35-18 シバSタイヤR50にて54秒546
4輪とも265/35-18 シバラジアルタイヤR31にて55秒351と言う結果。

これが事実であり紛れもない現実です。

タラレバはあくまでタラレバであり、まったく当てになりません。

実際に記録として残った数字こそが結果であり真実です。

さあ、この先はいよいよ我々ビークルフィールドが持つ
黒86の53秒3と言う壁に向かって行く事になります。

なにが有効でなにが効くのか?
すでにその為の案は様々なメカニックたちの中で
沸々と湧き上がっている様です。

それでは皆さん、また明日のnoteでお会いしましょう!


いいなと思ったら応援しよう!

VehicleField
記事の内容にプロフェッショナル性を感じた際はサポートをお願いします!頂いたサポートは今後の研究の為に使わせて頂きます。