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【映画感想】ラストレター(2020年)

裕里の姉の未咲が、亡くなった。裕里は葬儀の場で、未咲の面影を残す娘の鮎美から、未咲宛ての同窓会の案内と、未咲が鮎美に残した手紙の存在を告げられる。未咲の死を知らせるために行った同窓会で、学校のヒロインだった姉と勘違いされてしまう裕里。そしてその場で、初恋の相手・鏡史郎と再会することに。勘違いから始まった、裕里と鏡史郎の不思議な文通。裕里は、未咲のふりをして、手紙を書き続ける。その内のひとつの手紙が鮎美に届いてしまったことで、鮎美は鏡史郎と未咲、そして裕里の学生時代の淡い初恋の思い出を辿りだす。ひょんなことから彼らを繋いだ手紙は、未咲の死の真相、そして過去と現在、心に蓋をしてきたそれぞれの初恋の想いを、時を超えて動かしていく———(C)2020「ラストレター」製作委員会

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静かに過去をたどっていく

はじめは、美咲にふんした「妹」や「娘」と淡々とした手紙のやりとりで
現在の状況を確認い合うだけだった鏡史郎。
地元を訪ねたことで、
劇的な人生になってしまった美咲の真実は暴かれ、
鏡史郎の心はどんどんと、美咲と出会った頃の高校時代へと戻っていく。
その様子は、小林武史さんの凛と透明感のあと音楽とともに、
じわじわと見ている私にも響き渡っていくようだった。

鏡史郎は未咲をどんなに好きだったんだろう。
本1冊分のラブレターをかけるほどだなんて、なんて素敵な恋なんだろう。


遠距離恋愛との彼と文通

この映画を見て過去の自分の恋を思い出した。ちょっとだけ聞いてほしい。
過去の恋にラブレターを送り合った相手がいた。
知り合って1年ほどしてから彼は東京に上京した。
当時めずらしかったE-mailのアドレスを交換し合っていた私たちは、
私の学校での悩みを相談するメル友になった。

かなり年の離れた彼は、わたしにとってとても頼れる存在で、
相談のメールや他愛ないメールから、だんだんと恋心に変わった。
何日かに1通やりとりされる彼とのメールをいつも待っていた。

あまりに年が離れすぎて、ぜったいに実らないと思っていた。
ある時、彼が友人の結婚式に参列するために
地元にもどってくる機会があった。
「その時は1日余計にこちらにいるから、会いたい」
そう書かれたメールを何度も何度も読んだ。会えるなんて!

とにかくドキドキして、着ていく服も新しく買って、
一生で彼に会えるのはその日1日だけでいいから!という気持ちだった。

その日を境に、
私たちは付き合うことになった。
奇跡が起きたのだ。
こんな小娘(高校生)相手になんてしてくれない、とおもっていたから。

それからも2年間遠距離は続き、メールでのやりとりは続いた。
でも、遠距離が解消した後も記念日には必ず手紙を送り会った。


岩井俊二監督作品が好きだった

彼と出会った中学生の頃、岩井俊二監督の作品がとても好きだった。
感受性の強い時期に見た、「スワロウテイル」は衝撃的で、
その頃見ることのできた作品はほとんど見た。
(短編で「世にも奇妙な物語」の作品もBSの特集でみることができた)

優しい「四月物語」も奇抜な画とストーリーの「ピクニック」も、
ワンシーンワンシーンが心に響いた。
岩井俊二監督の世界に憧れた中学時代だった。
今回見た「ラストレター」は岩井俊二監督作品だと知らずに見た。
最近は遠のいていたので、久しぶりの鑑賞。
画のキレイさは相変わらずだし、
なにか、心にずっと残る感じ、やっぱり好きだなぁ。


劇的なことは1つも起こらない、
そんな静かな映画をじっくり見たい方にお勧めします。


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