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年間10億枚の洋服が新品のまま廃棄されています


嘘のような本当の話です。

これはおよそ、生産された洋服の4枚に1枚が、誰にも袖を通されず捨てられている計算になります。

これじゃあまるで、捨てるために生産されているようなもの。

ユニクロやZARA、H&Mなどのファストファッションが流行し、「服1着の寿命」が本当に短くなったのを感じています。現代において、もはや服は超短期消耗品。シーズン中に数回袖を通して終わり、なんてザラ。少し破れただけで、少し襟元が汚れただけで、気軽に捨てられてしまうようになったのです。

こういった背景には、業界の利益追求構造があります。

アパレル企業などの数々の経営コンサルを手掛けてきた、「百年コンサルティング」社長の鈴木貴博さんは、企業が「在庫を廃棄する理由」を以下のように述べています。

「在庫の廃棄は、アパレル企業だけでなく食品や家電といったメーカーにおいて、ビジネスの重要なテーマなのです。ただ特にアパレルでは『商品を陳腐化する』というセオリーがビジネスモデルの中心に据えられてきました。つまり、いかにして前のシーズンの商品の価値を下げて新しい商品を売っていくか、ということです。たとえば業界として今年の流行色を打ち出すのも、その一環です。去年の服は現在はもはや価値を失ったということを、消費者に示すのです。」
「万が一在庫が安く出回ってしまうと、値崩れやブランド価値の毀損につながる。そのリスクを防ぐためにも、廃棄は効率的です。さらにお在庫として抱え続けることは、経理的にも税金の負担が増えて都合が悪いのです。」(中村和代、藤田さつき『大量廃棄社会』光文社新書)

そう。すべては利益のため。

「安い」という状態は、いわば歪んだ状態。豊かな国に暮らす私たちにとって、その歪みは見えにくいものですが、歪みによって苦しんでいる人たちが現実にはいます。

2013年に起こったバングラデシュのラナプラザ崩壊事故。死者、行方不明者、負傷者の全てを合わせて、4000人以上の犠牲者を出した、ファッション業界史上最悪の事故です。(詳細はこちらを参照)

単価を下げるために人件費を抑える、人件費を抑えるために途上国に工場を作って安価に雇う、安価に雇われた労働者たちは人権を無視して働かされる、このサイクルによってファストファッションは成り立っています。この事故によって、そのことが全世界に知れ渡りました。

私たちの身の周りに当たり前にあるもの、その存在を別の角度からもう一度見つめなおし、何に対してお金を払うのか、真剣に考える時が来ていると感じています。

vegielab🌱


【参考】


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