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家族療法の視点から見るビーガン生活 ~Part.1~病気と人間関係の問題、その共通点は?

「病気を克服し、健康を手に入れるためにビーガンを始めたのに、気づけば家族や友達との関係が悪くなってしまった…。」こんな悩みを抱える人も少なくないのではないでしょうか?
日本では、ビーガンを選択することによる人間関係の問題が多く見られますが、その克服のコツや解決方法についてはまだまだ情報が少ない印象を受けます。そこで、私がアメリカ滞在中に学んだ「家族システム療法(ファミリー・システム・セラピー)」というアプローチを、日本の皆さんの悩みの一助となればと考え、このシリーズ記事を通じてその考え方をお伝えすることにしました。

アメリカでは「家族療法」という人間関係の修復方法が広く知られています。家族療法では、人間関係の歪みを「家族(組織)全体のシステム」として捉え、個人だけでなく、家族や組織全体を調整していくことで問題解決を図ります。しかし日本では、カウンセリングやセラピーの文化がまだ根付いていないため、家族療法という概念も馴染みが薄いかもしれません。

私はカウンセラーでもなければ家族療法のプロでもありませんし、家族療法も勉強中の身ですので予めお伝えしておきます。この記事にて、家族療法の初歩的な情報だけでも紹介しつつ、ビーガンの人間関係というものに当てはめたらどうなるのや、私がビーガンと病気と人間関係をどう見ているかを、私の主観もあると思いますが考察してみましたので紹介したいと思います。家族療法の次の段階として別の道という解決方法も歩んできましたので、家族療法の紹介の後は、そちらをメインに紹介しようと思っております。


家族療法とは?


画像:生成AIにより作成

家族療法にはいくつかの流派がありますが、共通して「家族全体を個人の集合ではなくひとつのシステムとして見る」という視点を持ちます。
たとえば、マクロビオティックでは「一物全体」という食材を全体として取り入れる考え方がありますが、それに近いかもしれません。「一物全体」では食べ物の皮も含めて全体として摂取することでその食べ物の機能が発揮できるという考え方がありますが、家族療法では一物全体の「全体」を家族全体、「部分」を個人と置き換えられると思います。
個人というものは家族全体の中の機能無しにはうまく機能せず、また反対に、それぞれ個人の役割抜きには家族全体が成り立たない、と言うものです。これは家族だけでなく国や組織にも当てはまります。
家族療法における「家族」の定義では、各家族メンバーが一つの「感情」を共有し、感情的なユニットを家族と定義します。興味深いのは、血縁関係に限らず、同居人や職場の同僚までも広義の「家族」と捉え、ひとつの「感情」を共有するユニットとして考える点です。
家族療法では、家族の問題をどう捉えているのかと言うと、家族全体のシステムに歪みが生じることにより、それが個人の役割やポジションに影響し、個人の機能にも問題が生じることにより、家族全体のシステムが崩れ、その問題による結果が個人に症状として現れるという考え方をするようです。
家族療法のカウンセリングでは、たとえ個人とカウンセラーとの対話だったとしても、カウンセラーは個人を個人として見るのではなく、家族全体のシステムがどうなっているのかを探りながらシステム上の歪みを是正し個人の役割や行動を変えられるよう解決方法を模索していきます。

家族で影響し合う共通の「感情」とは?


画像:生成AIにより作成

家族療法では感情は「感情」は一人ひとりのものではなく、家族全体で共有され、感情は家族全体で影響し合っていると考えます。
例えば、母親が自分の子供が怪我などをして痛がっているのを見て、その瞬間に、母親自身も「グサリ」と心が傷つき思わず反応してしまうことはよくあることだと思いますが、これも「感情が影響し合っている」例となります。

画像:感情の波

家族が共有する「感情」とは何かというと、一般的に言われている「感情」よりも広い意味を持っています。悲しい、嬉しいなど具体的なものやプラスやマイナスの区別が無い、たった1つの「波」と捉えられます。(私は個人的には東洋医学などで言われる「氣」とも似ているのではないかと思っております。)

病気は家族システムの歪みの象徴

画像:生成AIにより作成し加工

家族療法では「病気」という症状は、家族システム全体の不安や緊張が「症状」として特定のメンバーに現れたものであると考えます。「病気」という役割を誰かが担うことで家族全体が安定さを保っている場合、本人が回復しても、家族全体が不安定な状態に戻るため、家族全体の変化がなければ他の人に同様の症状や問題が発生する可能性があります。
そのため、個人の病気をいくら治療しても、家族全体にある根本の問題が解決しない限りは、病気が治らないケースや、まるでガンが転移するように今度は他の家族が病気になる結果となることがあります。また、別の結果として、人間関係の問題、例えば浮気や不倫などや、精神的な病気や、社会的な問題行動など他の問題を発症するケースがあります。
私はここにビーガンに人間関係の問題が発生しやすい理由が隠されていると考えています。

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ビーガンが直面する人間関係の問題や人生の困難を克服する方法をいくつか紹介します。

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