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フラッシュバックとたたかいながら読む「母という呪縛 娘という牢獄」

テスト前の深夜、大学生である私は中間テストに向けてリビングで勉強していた。母が寝室から降りてきて一言、「肌に悪いよ。だから肌荒れるんだよ。」微塵もわからない微積の問題を前にイラついていた私が「余計なお世話」と返すと、母が軽く少しだけ手を上げた。本当にそれだけだったのだがいろいろ思い出し、その夜は一晩中泣いた。

ずっと気になっていた本、これをきっかけに読んでみようと思った。

本を一気読みしたのは久しぶりだった。学んだこととか感想とか、いろいろな形の「幸せ」のとことか、ちゃんと言葉を思い出したいけどまた本を開いて探しだすのが若干鬱。

自分が「妙子」になる、なっていく可能性をやっぱり考える。中学受験、大学受験、その他小さい選択をするときにすりこまれた選民思想は、今も自身の価値観に色濃く刻まれていると頻繁に思う。
本には、もはやある種の呪いとして自分の中に既にいる妙子の思考が表現されていて驚いた。ところどころ出てくるあかりと妙子のLINEのやり取りで、絶妙に交わらない会話がとてもデジャブ。

「環境は自分で変えられる」「全ては自分次第」は、ある程度嘘だと思う。いろんな人の感想を聞いてみたい。読んでよかった。

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