好きな曲は好き~ヒーローにはなれないけど/きのこ帝国~
はじめに
今日はきのこ帝国の『ヒーローにはなれないけど』という曲についてお話します。
この曲は先日お話しした『WHY』という曲と同じアルバムに入っている曲です。
死ぬよりも簡単な事
この曲は初めから印象的な歌詞から始まります。
『死ぬよりも簡単だ
笑って 笑って
へたくそでも構わない
笑って ねえ、笑ってよ』
心が弱ってしまい完全にまいってしまっているとき、この世界から消えたくなったとき、
死ぬことを真剣に考えているとき、その難しさに涙することがあります。
逃げ道なんて言いたくありませんが、自分がすぐに楽になることができる方法なんてないことが良くわかるのです。
どうしたらこの苦しみから逃れられるのか、死ぬことができないから、何か他に方法は無いのか、真剣に考えます。
こんな心境の時に、『死ぬことよりも簡単なことは笑うこと』と言われると、涙が出ます。
私だってそう思いたいけれど、簡単にはそう思えないという事実に気付いて、この言葉の眩しさに泣きたくなるのです。
私には絶対に考えられないことだし、実行することも難しいことだからです。
だからこそ、こうやってたとえ大多数であっても『笑って』と言ってくれることがほんの少しの慰めになる気がするのです。
簡単に泣くことができる名分を手に入れてベランダで泣きました。
真夜中に泣きながら笑ってみようとする私はきっと世界で一番醜くて、誰にも見せることができない姿です。
私の真夜中のヒーローだった
次の歌詞です。
『ここから抜け出したいと
泣いた きみは泣いた
ヒーローにはなれないけど
攫ってく きみを攫ってくよ』
この曲において、ヒーローは作詞の佐藤さんで、笑ってと言われているのは私だと考えていました。
この歌を聴いているとき、音楽を聴いているとき、私は佐藤さんに攫われていました。
攫ってくれることで、時をやり過ごすことができます。
そのため、なんとなく佐藤さんが謙虚に『ヒーローにはなれないけど』と言っているような気持ちでしたが、私にとっては音楽は助け舟で、佐藤さんはヒーローでした。
『ダーリンダーリンどこへ行こう?
世界の裏側
ダーリンダーリンどこへ行こう?
どこでも構わない
って、きみが笑った』
ここは現実逃避のようで、この世界から消えたいと悩む人に非現実な事の提案をして気を紛らわしているような情景が浮かびました。
しかし、私がどうしようもない気持ちだった時、このような気の紛らわしをしてくれている人に申し訳なく思ってしまっていました。
でも、ちょっとふざけて「ダーリン」なんて呼んでみたら少しは笑えるかもしれません。
だからこそのダーリンなのでしょうか。
恨み辛みを捨てれるか
次の歌詞です。
『仕返しがしたいなら
笑って 笑って
あいつらには届かない
恨み辛み捨てようぜ』
この歌詞における相手は、誰かに何かつらいことをされたのでしょうか。
私もきっかけは人でした。
でも復讐とか成功を見せつけたいとは思いませんでした。
ただ、恨み辛みはあります。
誰かのせいにしたいし、きっかけは他の人であることは事実だと思いたいです。
これは私の悪いところでしょうか。
恨み辛みをずっと持っていると、もうそうじゃなかった時がどんな気持ちだったかを思い出せなくなるのです。
どんどんわからなくなって迷子になります。
私はこの気持ちをいまだに捨てることができませんが、恨み辛みを捨てることができた時、それはどんな気持ちなのでしょうか。
死ぬまでに味わってみたい気はします。
何者にもなれなくても凛と立っていたいな
次の歌詞です。
『誰にも負けたくないと
泣いた きみは 泣いた
何者にもなれなくても
凛と立っていてくれよ』
私は「自分に対する評価が誰よりも低いんだね」や「もっと頑張りたいんだね」と言われたことがあります。
自分に対して課している目標がずっと高いのかもしれません。
こんなにも無力だとわかっているのに、もっともっとと欲しがる欲深い人間なのかもしれません。
そのたびに自分から裏切られて、悔しくなっています。
それでも、凛としていたいです。
凛と立ってみたいです。
凛として立った世界はどのように見えるのでしょうか。
こうやってまた私のできないことを軽やかに歌ってくれるので、泣きたくなります。
『ダーリンダーリンどこへ行こう?
世界の真ん中?
ダーリンダーリンどこへ行こう?
どこでもかまわない
ダーリンダーリンどこへ行こう?
世界の裏側
ダーリンダーリンどこへ行こう?
どこでもかまわない
って、きみが笑った』
どこに行きたいって聞かれたときに、どこでもいいよって答えることが多いです。
そんな頻繁に外に出たいと思わないし、楽しみとめんどくささを天秤にかけて、きっとめんどくささが勝つことが多いです。
でも、出かけたい人と出かけるときは笑えているといいな、と思います。
『世界の裏側』は地球の裏側というよりも、今自分がいる世界とは別の世界だと解釈しました。
時が経てば、自分を取り巻く環境は変わるし、変えることができるときもあります。
環境を変えることで、今いる世界とは別の世界に行けると私も息をできるでしょうか。
行ってみたいです。
さいごに
この曲は軽やかで、さわやかだけど、鬱々とした下を向いている人の気持ちがわかる人がいるんだな、と錯覚しました。
大好きな曲です。
ここまで読んでくださってありがとうございました。
♡励みになりますありがとうございます。