生きるとは・・
「ひとがみごとに生きることは、むずかしいものだな。」
宮城谷昌光氏【楽毅】(新潮文庫)の冒頭文
読んだのは確か10年以上も前なのに
今でも鮮明に覚えていて
ときどき・・いや・・最近特に思いだす一文。
ちなみに、【楽毅】は
古代中国屈指の名将・楽毅が企図した空前の大戦略を描く
宮城谷文学最高傑作(第三巻)だが、内容はあまり覚えていない(苦笑)
最近特に内に問うようになったのは
介護の仕事の影響が大きい。
介護の世界に入ってまだ3年にも満たないけれど
私より先輩の利用者々のご様子は
教授とか海外生活者とか○○クラブのママとか
の一見華々しい過去・背景をカルテ等情報と
目の前のギャップに・・余計に響いてくる。
誰もが年を重ねていくのは自然の理で
要介護が哀しいとかではない。
ただ私自身も還暦を迎え
これまでの失敗、挫折だらけ後悔の数々・・
人生の後半を目の当たりにせざるを得ない中
最期を迎えるとき
少しはみごとに生きられたかと
後悔を減らしておきたいと思う・問うばかり。
「この野郎(女め)・・
ええ格好ばかりしやがって・・」
先日夜間帯のオムツ交換時に
利用者様が発せられた言葉が印象的だ。
『ええ格好?』
レビー小体型認知症のこの方の
真意は私にはまだ分からない。
介護の仕事は、
ええ格好というには低賃金だし体力もきつい(。・・。)
介護保険制度が浸透し
要介護者は増加の一方。
人手不足が叫ばれている中で
介護の仕事を悪く言うひとにお目にかかることはあまりない。
’大変だね・・凄いね・・’
何が大変?何が凄い?
低賃金を我慢して
あえぎあえぎやっていることか?
経験値が浅くて
体力もなく、まだまだ勉強不足の私は
例えば、オムツ交換が上手になり
入浴や更衣、移乗介助が上手になり
認知症を含め利用者様と
円滑にコミュニケーションできるようになったら
対外的には大きな評価をうけるのかもしれない。
そういう評価が欲しくてやってるなら
「ええ格好しやがって」になるのかもしれない。。
何のためにやっているのか・・
給与明細表と自身の健康度を前に沈むことも多い(。・・。)
最期を迎えるとき
介護の仕事に携わった自分を
みごとな生き方の一コマとして微笑んでやれるだろうか・・
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