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夏目漱石「坊っちゃん」⑫ こんな読書感想文は嫌だ!

(ネタです)

読書感想文


「坊っちゃん」を読んで 3年20組 塩原金之助


最初に、先生に質問があります。
先生は月給何円ではるばるこんな田舎へ来たんですか?
「坊っちゃん」の主人公の坊っちゃんは、四国の学校についた時、校長先生(タヌキ)から教師の心構えを言われて、心の中で「そんなえらい人が月給四十円で遥々こんな田舎へくるもんか」と思いました。それで先生はどうなのかなと思って質問しました。

坊っちゃんは最後のほうで、「野だいこ」に生卵を八つもぶつけます。その後坊っちゃんは「山嵐」といっしょに、野だいこと「赤シャツ」を何回も殴ります。
犯罪です。赤シャツからは殴ってないので正当防衛にもならないと思います。坊っちゃんと山嵐は犯罪をしたのに、警察に逮捕されていません。よくないと思います。この前朝礼で校長先生も、いま世界で起きている戦争について「暴力による解決は絶対だめです」と言ってました。

ぼくはこの夏休みに「坊っちゃん」以外にも、課題図書をいっぱい読みました。「こころ」「羅生門」「舞姫」です。この中で舞姫については、主人公ひどい!と問題になったそうです。でも他人の所有物件内で自殺したKや、おばあちゃんの着物を強奪して蝶野正洋ばりのキックした下人に対しては、あまり批判されていないみたいです。坊っちゃんも批判されていません。むしろほめられています。なんとなくわかるような、わからないような気持ちです。

赤シャツがなんで、坊っちゃんを警察に告訴しなかったのか不思議です。事件の当日、赤シャツと野だいこはたぶん顔をケガしてて、同じ日にいきなり坊っちゃんは一言のあいさつもなく学校を辞めてます。なんかトラブったなと先生にも生徒にもすぐばれてると思います。
それに坊っちゃんの天ぷらそば4杯で日露戦争のように騒いでた生徒達が、これをネタにしまくらないわけがないと思います。うわさ話が大好きな下宿のお婆ちゃんにもすぐ広まるでしょう。それなのに警察沙汰だけは絶対に避けなければならない理由が、ぼくはわかりません。

ぼくと同じ通学団で、ふ女子の野木しずこちゃんは「赤シャツたちはBL」と言ってニヤニヤしていました。ぼくにはよくわかりませんが、赤シャツは「ごまかす必要はない。僕は吉川君と二人で泊まったのである」と普通に認めているので、BLだから隠さないといけないわけでもないと思います。

清のことを話すのを忘れていました。
清のお墓は小日向の養源寺にありますす。清はお墓の中で坊っちゃんが来るのを楽しみにまっています。

でも将来、坊っちゃんが亡くなった時に、坊っちゃんは同じお寺に埋葬されるのでしょうか。

もし坊っちゃんが亡くなったらお葬式は、ただ一人の肉親の、九州にいるお兄さんがすると思います。でも坊っちゃんとお兄さんは仲が悪く、坊っちゃんは将棋の「飛車」をお兄さんの顔に叩きつけて流血させたことがあります。流血といえばお父さんによるといま石川県知事の馳浩はレスラー時代、流血すると普段よりも良いプロレスを表現してたそうです。「飛車」は縦にも横にも自由に動けるので歩や桂馬よりも強い駒です。強い駒の飛車をぶつけたところに、坊っちゃんの兄に対する攻撃的意思があらわれていると思います。

清は坊っちゃんのお兄さんのことを嫌っていました。「色ばかり白くってとても役には立たない」と言っていました。お兄さんも清が自分を嫌っていてることをわかっています。だからお兄さんはお父さんの遺産から50円を自分からは清に渡さないで、坊っちゃんから清に渡すようにしました。

そんなお兄さんが、清や坊っちゃんの希望通りに、坊っちゃんを同じ小日向の養源寺に埋葬してくれるのでしょうか。ぼくはこのお兄さんは不慥かなお兄さんだと思います。「こころ」のKは新潟県出身でお寺の二男だったけど、先生がご遺族に話してお墓は東京の雑司ヶ谷にあります。坊っちゃんのお兄さんはこう言わないでしょうか。

だから弟の墓は豊島区の雑司ヶ谷にある



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