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ギフテッドの定義は定まっていない

つい先日、Wikipediaのギフテッドの項目を見る機会があって、昨年に読んだ時から大幅にアップデートされ、より正確になっていることに気がつきました。「正確」というと上から発言になってしまいますが、少なくともWikipediaの内容以上の記事を書くことは僕には不可能と断言できるレベルです。ただ、Wikipediaの内容は専門用語が多く理解するのは困難ですので、僕にできることは易しい言葉で翻訳していくことかな~と思っています。ギフテッドは日本では「高IQ」or「才能持ち」という世間イメージですが、僕の考えるギフテッドの定義について本記事で書いていきたいと思います。


ギフテッドは高IQである確率が高いが、高IQ=ギフテッドではない

Wikipediaに書かれている表現で
いい意味で引っ掛かりを覚えたのは

(ギフテッドの)長期的研究の多くは、上位2.5パーセントの知能指数(つまりIQ130以上)を持つ人々を対象としている

Wikipedia ギフテッドの項

という言葉です

つまりはギフテッドの研究をする上で
サンプルを集めるには
IQ130以上に絞るとヒット率が高い
ということであって

IQ130以上の人はギフテッドである
とは言っていないんですね

事実

IQ値は、学問や芸術の実質的な創造的貢献を計測することができないとして、ギフテッドの選別には不適切であると考えられている。

Wikipedia ギフテッドの項

とも書かれています

日本では「高IQ」or「才能持ち」という
世間イメージが強いですが
実際は関係ないということですね

では

僕が考えるギフテッドの定義

を書いていきますね

Wikipediaに何度も出てくる
『精神性』がキーワードです

分かりやすい言葉に置きかえると
『利他精神』
だと思います

たとえ自分が損をしてでも
他者のため
職場・会社・地域・社会のため
奉仕しようとする心です

聖人君子のように思われるかもしれませんが
共感能力が高すぎること すなわち
人の痛みを増幅して受け取ってしまう性質から

誰も傷つかないように
みんなを守ろうと動いてしまうよう
プログラムされています

ほぼ『呪い』のようなもので
僕は『倫理観の奴隷』と表現しています

ギフテッドかどうかを見分ける一番の方法は
その人の行動が利他的(利己的でない)か

だと思います

これが僕が考えるギフテッドの定義になります
(ドンブロフスキが提唱するヨーロッパ型)
(アメリカ型はIQや才能重視で定義しています)

ギフテッドがリーダーシップを発揮できるのは
その利他精神から他者の支持を集め
気がついたらリーダーにまつり上げられる
からです

ここまではギフテッドのいい部分を書いてきましたが

ギフテッドが抱えるリスク

について書いていきます

まず 利他精神が強すぎるということは
搾取するタイプの人間と極めて相性が悪く
このタイプが身近にいると
能力を発揮することができなくなってしまいます

次に精神的に早熟な一方で
体や経験値は年齢通りにしか成長しません

知識ばかり集めるにもかかわらず
経験不足もあって実行能力が伴わず
自己嫌悪に陥りやすくなります

『完璧主義』になりやすく
客観的にみて凄い結果を出していても
上手にできなかった点を見つけて
自己嫌悪に陥ります

失敗すると落ち込む性質ゆえに
失敗を極度に恐れ
挑戦できなくなる
パターンがあります

次に
全体の善を優先し
自分が損することを厭わず
利己的な行動を取る人と戦おうと(衝突)する
ことです

嫌われるタイプの優等生
になってしまうかもしれません

若いギフテッドが陥りがちなのは
『全体の善を優先するのが当たり前』
という自分の感覚を
周囲も持っていると勘違いしてしまうことで
それを押し付けてしまうことが
イジメの引き金になることがあります

そして
人のネガティブな感情を
増幅して受信してしまうために
対人関係が大きなストレスになり
孤独を選ぼうとしてしまいがちです

人間の能力は
人との交流によって磨かれる部分が大きく
孤立しがちな人生を歩むことで
能力が平凡になる というか
ドロップアウトしてしまうことすらあります

また周囲に受け入れられたくて
自分の能力を誇示(マウンティング)して
より孤独になっていくこともあります

ここまで書いたのは
僕のようなASD気質の
「ブレーキ」が強すぎるタイプのことですが

「アクセル」が強すぎて
ブレーキが利かない
ADHDタイプのギフテッドもいます

前回記事でも書いたように
神経伝達物質のバランスが壊れていることで
メンタル不調にもなりやすい上に
健康状態にもトラブルを抱えやすいです

ギフテッドには
こうした人生が順風満帆には行かない
トラップがたくさんあるため

試練を乗り越えるため人格を成長させないと生きていけない

のです

ドロップアウトを乗り越えるため
強い内省ないせい気質で原因を究明し
自分の人格をぶっ壊して再構成する
【積極的分離】という行為を
繰り返すことがあります

ギフテッドの定義が定まらないのは
人格の成長段階によって
全くの別人になるからです

メンタル不調を起こすタイプでは

①知的好奇心を満たすことを楽しむ幼少期

②社会や大人たちが矛盾を抱えたまま
 放置していることに絶望や怒りを覚える時期

③あるべき論を振りかざし
 他者に対して攻撃的になる時期

④結果的に周囲から孤立し苦しむ時期

⑤社会や大人たちが矛盾を抱えたまま
 放置せざるを得ない理由に気付き
 周囲を理解し 協調しながら
 社会をより善くできる人間になろうと
 試行錯誤する時期

⑥利他精神の強さが輝くことで
 孤立していたことが嘘だったかのように
 周囲から受け入れられ
 能力を発揮していく時期

若くして『才能』を発揮できている
ギフテッドは親などの環境に恵まれていたか
(ほぼ必須条件)

あるいは
『ブレーキが壊れているADHDタイプ』
かもしれません

特に④のポイント(試練)が大きなヤマで
ここから先に進める確率が非常に低い
です

才能を発揮している人だけに
焦点を合わせていると
救えない人が多く出てしまいます

この試練をサポートできるようになれば
引きこもりなどで苦しむ人の多くにも
光が差すのではないでしょうか?

ギフテッドが本当の意味で
才能を発揮するのは
(というか人生をスタートできるのは)
試練を抜けてからになります

しかもその才能を
他者を救済するために使おうとします

note内では
ギフテッド同士の交流によって
試練を抜ける人が増えてきています

僕が記事を書いているのは
試練で苦しんでいる人を助けるため

そして
ギフテッド児を育てている人へ
試練に向けて備えてもらうためです

その一方で

ギフテッドを自称し発信することはリスクがあります

世間イメージはまだまだ
ギフテッド=「高IQ」or「才能持ち」です

『特別感に酔っている』と
受け止められ 誹謗中傷に晒される
リスクはあるものの

こうしたイメージを変えていく必要があるので
才能を発揮していない状態であっても
名乗らざるを得ません

決して承認欲求を満たしたいわけではなく
ギフテッド達が向き合う試練を
乗り越える助けとなるために
ギフテッドを名乗って発信しています

また僕には
『易しい言葉で書く』という信念があります
言葉というのは人に伝わってはじめて
意味があると思っているので
より多くの苦しんでいる人に届くように
一つ一つの言葉に深い想いを乗せつつも
簡単な言葉に置きかえながら書いています

この『簡単な言葉で表現できる』というのも
僕の持っている『才能』の一つかもしれません

今後も記事を書いていきますので
応援していただけると嬉しいです
ではまた!

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