三毛猫らんでぶー
晩酌の時間です。
と言っても、毎日同じ時間に晩酌をするわけでは無いのに、20年連れ添った相棒は、準備が整った瞬間に、いつもの定位置にちゃっかりスタンバイしてくれてる。
もう何でもお見通し。
長生きしてると猫もどんどん賢くなって、性格もまるくなってくるみたい。
若い頃はちょっと撫でようもんなら、シバかれ蹴られ噛みつかれ、ぼくが帰宅するのを見計らい、どこかに隠れていて飛び蹴りをしてくるような、相当なやんちゃ姫だった。
今も抱っこなんてものは、させてくれないが
猫吸いはさせてくれるようになって昇進した。 しつこいと噛みつかれるけど…。
今宵もそんな相棒に伽をしてもらい
ビールをゴクゴクとやる。
今日のアテは
タコさんウインナー、うずらの卵、鶏ササミ
どれも塩コショウ焼き。
それと、ラディッシュとヤングコーンのサラダ。
おうち居酒屋でも見た目は大事
串に刺したりなんぞして感じを出してみる。
薄く開けた窓から入り込む金木犀の甘い香りで、薄暗いこの部屋が、なんとなく幽玄な雰囲気につつまれる。
猫も薄目で鼻をスンスン。
めちゃくちゃ幸せな時間。
金木犀の仲間にはもう少し爽やかな香りの白い花をつける銀木犀や、薄銀木犀なんて種類もある。
金木犀のように濃厚に遠くまで香らないので
いつか中庭のある家に住めたなら、銀木犀を植えてみたいな。
縁側で猫と晩酌、なんて妄想をしながら
僕はもう少し飲みます。
乾杯…。