選択的夫婦別姓と少子高齢化、過疎化、そして海外移住
つい先日、職場のエレベーターのモニターで
「苗字の日」なるものを知った。
何でも、1870年に初めて庶民にも苗字を名乗ることが認められたらしい。
よく選択的夫婦別姓の問題を語る時、
従来からの伝統的な家族の形やあり方が議論されるが
また200年経っていなかったとは…。
苗字の名乗れるようになった1870年、今から154年前
女性には政治に参加する権利、投票の権利さえなかった。
女性が参政権を得たのはそれから76年後、
今から78年前の1946年4月10日。
戦後初めての衆議院議員総選挙が行われ、約1,380万人の女性が初めて投票した。
祖母は今年88歳だから、曾祖母が祖母を産んだ時、
未来には女性の知事が日本の首都東京を統治しているなど、想像もしなかっただろう。
さらに参政権を得てから60年以上経った2018年、ほんの6年前、
東京医科大など10大学の医学部入試で
女性受験生らを不利に扱う得点操作などが発覚。
医療関係者の間からは
「妊娠や出産、育児があるから、女性医師数の抑制は必要悪だ」
などと正当化する声も漏れたが、東京地裁が
「医師の資質や学力の評価と直接の関係がなく、不合理で差別的」と
大学を非難。
受験生13人に慰謝料を支払うよう命じ、確定した。
失われた30年、変化する世界への遅れを取り戻すかのように、
日本もようやく変化を受け入れつつある。
都内には女性1人でも安全に暮らせるセキュリティのしっかりした住居も増え、
仕事も十分にあり、1人で楽しめるラーメン店も焼肉屋さんも、
リモートで仕事のできるWi-Fi環境の整ったカフェも充実している。
都内に暮らす女性が地方へ移住婚したら60万円の支援金などという
愚策も囁かれたが、結局取りやめたらしい。
確かに肉体労働は男性の方が生物学的に適しているかもしれない。
だが、知識やマネジメント力に男女の差がないことは、
世界中の研究機関も証明している。
とはいえ旧式のビジネスモデルを頑なに続ける会社組織も多いが、
人材流出が尋常でないため、否応なく意識を変えていくことだろう。
結局、日本を未曾有の少子超高齢化に向かわせているのは、
若者が結婚しないからでも、女性が子供を産まないからでもない。
選択という自由を拒み続け、旧式の考え方を強要し続ける社会こそが
地方を離れさせ過疎化を促進。
さらには日本での教育を望まず、
海外移住や海外留学を選択するようになったと言えるだろう。
誰だって自分の歩んできた人生が成功であり、
幸せであると思いたい。
そして自分の成功体験を伝えたいし、真似して欲しいと思うだろう。
ただそれは、あくまでもあなたにとってのもの。
子供が同じように感じるとは限らないし、
むしろ時代は変化している。
40年前、自分が作成した文章や画像、動画が瞬時に
しかも無料で、世界中に配信できるなど、誰が信じただろう。
自動運転の車も、生成AIも、すでに実現している。
本気で日本の将来を案ずるのなら、
自分の思う幸福や未来像を強いるのではなく
国民一人一人を信じ、自分を信じ、幸せや未来をイメージできる、
自由に選択できる社会を作っていかなければならない。
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