平日、朝の風景
職場まで車で1時間以上かかるため、休憩も兼ねてコンビニで朝食、というのが、いつからか平日のルーティンになってしまった。
健康にもよくないと思うが、ついつい立ち寄ってしまう。コーヒーを野菜ジュースに変えたところで、無駄なあがきなのはわかっている。
よく寄るコンビニは、3カ所くらいに絞られる。その中から、その日の気分や道路の混み具合で選ぶ。立ち寄る時間は、大体6時半から6時50分頃だ。
若い男性の店員さんがいる店。手際の良いおばさんがいる店。「らっせぃ」の挨拶で迎えてくれるおじさんの店。
向こうはどうかわからないが、僕にとっては皆顔なじみだ。レジに品物を出す時、見知った店員さんがいると、ついつい「はよざいまあす」と挨拶を口にしてしまう。
駐車場にもいろんな人がいる。仕事の途中であろうトラックの運転手。これから現場に行くのであろう、建築関係の人。ペイントが施された会社の営業の車から降りてくる人。僕と同じ車種で同じ色の車に乗ったナイスミドル。おそらく買った年の西暦であろう、その車のナンバーは覚えてしまった。
僕と同じく、朝早くから働かされている同士たち。みんな、どことなく疲れた顔をしているように見えるのは、僕の心のせいだろうか。
来る日も来る日も、お互い本当にご苦労様ですと、心の中でつぶやけば、ほんの少しだけ頑張る力が湧いてくる、ような気がする。
やりがいある人も、ない人も、続けたい人も、辞めたい人も、辞められない人も、望んだ人も、望まない人も、こんなはずじゃなかったと後悔してる人も、流れるままの人も、いるだろう。
それでもみんな、こんな朝から、生きるためだか何かの理由があって、働きに出かけている。
様々な人生が交差する、とまではいかなくても、少しの間、知らないけど似たような誰かと一緒に、息をつく。
朝のコンビニ。
調子はどうですか。僕は今日もしんどいです。そちらもですか。ははは、まあなんとかやりましょう。そのうちいいこともありますよ。
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