大好きが揃った処からはじまった
私が選んだ店、待ち合わせで、彼が遅れてる
すぐ来るからと電話の声
店の向かいのビルの柱の陰に隠れて彼を待つ
彼は慌てて来て店に入る様子、にやけて顔だして、名前を呼ぶ
寒いから中で待っていたらいいのにと言う
さっさと店に入る彼
一階は下駄箱があって二階に通される
二人向かい合って注文をする
私の三大好きが並ぶ
大きな茶碗蒸しと鉄火巻きと彼
この景色目に留めて置こう
食事の後はお店を変えてコーヒー屋さんへ
健康診断の話しとかしてくる彼
目を合わせるのが苦手なはずなのに、私の話しに耳を傾け、肩で笑う彼は私の親友
こんな時間が愛おしい
これが始まりなのかと直感が働く
あっという間の時は過ぎる
彼の幸せを思うと言い出せない思いがある
あれから、一年
私は離婚調停に時間を費やす
一年の月日は長かったな
今朝、調停日最終日、答えは理解できる
ただ結果はどうあれ、行動に起こせた事
真剣に自分に向き合えた事は前へ進む勇気になった
一人の時間を楽しむ
此れからだよねと自分に語りかける
お昼は茶碗蒸しを食べてみよう
優しい味は思い出を呼び起こす
頑張ったな、労う今日の昼御飯
先は未定だが、希望の光が輝いている
大好きが揃った処から
何が始まり出した
私の運命は、私が選ぶ様に動き始めて行くだろう
信じて前へ