スモールワールズ　一穂ミチ著　読書感想文

生徒の読書感想文の本を選ばせる授業のとき、
自分が手に取って読んだ本です。

引き込まれて、
「先生、これ借りたいんですけど。」
と何度も言われました。

短編から成り立っています。

子どもができない主人公が
ネオンテトラを飼っています。
その魚には卵がたくさん生まれている描写や
孵った稚魚が必要なくなったら
トイレに流す描写が強烈に残っています。

自分の夫に愛されている実感が持てず、
そのまま自分の気持ちを放置している主人公。

その不安定な中、
自分の姪の友人である男の子に
ほのかな気持ちをもつ。

何度も会い続けるので、
どうなるのか、先が心配で
読み進めました。

結局、姪が子どもを産み、
その子どもを自分の子どもとして育てます。
それで幸せなのかはわからないけど、
産めない自分のかわりに産んでくれて、
それも自分が思いをもつ人の子どもを。

読んだ後、
しばらくもやもやが残ったままになり、
誰かと感想を言い合いたいような
気持ちになりました。